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なぜ今リクルートは「Indeed」を買収したのか?最新レポートから見るIndeedの実力と多様化する採用手法

2012年9月、リクルートはアメリカのIndeed社の買収を発表(→リンク)しました。

Indeedの買収額は非公開となっていますが、一部では600億円から800億円程度であったと推測(→リンク)されています。Indeedが日本ではあまり馴染みがない企業だっただけに、買収が発表された当時は様々な憶測が流れました。

今回は、このIndeed買収の意義について、SilkRoad Technologyの最新レポートから考えてみたいと思います。なおSilkRoad Technologyは、ソーシャルタレントマネジメントを提供するアメリカの企業です。

アメリカで最も応募がくる求人サイトはIndeed!?

Indeedは求人サイトの一種ですが、自分でオリジナルの求人情報を掲載しているわけではありません。実はIndeedは、Web上の求人媒体や、企業ページ等に掲載されている様々な求人情報を自動クローラーで収集・整理して掲載する求人情報専門のメタ検索エンジンサービスです。ユーザーはIndeedからキーワードなどで検索して横断的に求人情報を探すことができます。

Indeedの同種サービスは、国内にもいくつか存在しており、すでにリクルートは2007年1月にその一つである「ジョブダイレクト」を買収(→リンク)し、現在でも運営しています。同種のサービスとしては、他にはソフトバンク系の「仁王」やDip系の「ジョブエンジン」があります。

すでにあるサービスをあえて買収した理由の一つがアメリカでの採用時におけるIndeedの存在感です。

SilkRoad Technologyのレポートでは、アメリカで最も面談数を獲得できるのはこのIndeedであるとしています。

SilkRoad Recruitment Marketing Effectiveness 2013

グラフからもわかるようにアメリカを代表する求人媒体であるCareerBuilderやMonster経由での数を凌駕しており、面談から採用までの効率も抜群のパフォーマンスとなっています。

SilkRoad Recruitment Marketing Effectiveness 2013

レポートでは、求職者からの応募全体の36%がIndeedからであり、採用実績においても27%がIndeedからであるという調査結果になっています。

アメリカで求人媒体よりも、クローラー型の求人サービスの存在感が大きくなっている理由の一つが、求人情報の掲載に使われている共通仕様のHR-XMLの普及が進んでいることです。HR-XMLによって求人媒体や企業サイトの求人情報で扱われる求人票項目(Job Description)が統一化されているため、Indeedのようなクローラー型の求人サービスの精度が高く、またユーザーにとっても便利であったため広く活用されることになりました。

つまり、リクルートは今回の買収で「アメリカで最も応募者を集めるサービス」を獲得したことになります。アメリカでは「企業の採用サイトの収集・整理」も進んでいる中、それらの知見を活用することで、国内でもリクナビnextとはまったく違う形での採用サービスを開発する可能性も十分あると考えられます。

一方で、以下のグラフからもわかるように、社内リソースを活用した採用手法で多いのが、従業員紹介である「Employee Referral」、つまり人づての採用「リファーラルリクルーティング」です。また、リファーラルリクルーティングと同じだけ面談率のある手法として、企業ページもあげられていることから、自社の採用ページの充実のニーズも高まってくる可能性があります。

SilkRoad Recruitment Marketing Effectiveness 2013

(なお、「SilkRoad Technology」のレポートは、これらの背景を踏まえ自社採用サイトのニーズの高まりからの流れとして、同社のサービスである簡単に採用ページを生成できるサービスを紹介しています)

[まとめ] 多様化する人材採用手法

今回は、「SilkRoad Technology」のレポートにあるデータから、リクルートがIndeed社を買収した背景を探ってみました。

2005年前後に活況を帯びたクローラー型求人サイトがこれからさらに精度を増して再び注目される可能性があります。さらにリクルートの買収時のプレスリリースにもあるように、グローバルにおけるオンライン求人プラットフォームとしての可能性も含んでおり、海外の求人情報を探す、逆に海外の人材が日本の求人情報を探すという、人材のグローバルな流動化も促進される可能性もあります。

また競合となるエン・ジャパンは2013年4月には22億円でベトナムの同業大手、ナビゴス・グループ(英領バージン諸島)を買収(→リンク)し、子会社化すると発表しました。ナビゴス・グループの売上は日本円で7億円弱となりますが、ベトナムにおいて最大手の求人サイト「VietnamWorks」及び最大手の人材紹介サービス「Navigos Search」を展開しています。エン・ジャパンは2010年にエンワールド・ジャパン株式会社(旧社名:ウォールストリートアソシエイツ株式会社)を17億円で買収していますが、今回の買収によりアジアでの人材紹介事業の急速な拡大を目指していると見られます。

ネットサービスであるクローラー型求人サイトでのグローバル化を目指すリクルートと、アジアでリアル事業である人材紹介で拡大を目指すエン・ジャパン。さらに、2013年の年初にも予想(→リンク)したとおり、ソーシャルメディアを活用した採用手法であるソーシャルリクルーティングもその呼び名や形態をリファーラルリクルーティングなどに進化させながら広がっています。今後ますますHR業界全体がグローバルで成長していくことととなる1年になるでしょう。

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