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ロンブー田村淳がニコ動に見出した「面白さ」

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田村淳がテレビに見切りをつけた理由

今のテレビを捨ててニコ動だけに絞ってやってみようと思った。それでホントに言ったんですよ、吉本興業に。俺、テレビを捨てて年俸制でニコ動専属タレントになるの無理かな?って」
これは、先日発売された別冊カドカワの「ニコニコ動画」特集号に掲載された川上量生氏(ドワンゴ代表取締役会長)との対談の冒頭にある、ロンドンブーツ1号2号・田村淳の発言。僕はこの記事の取材と原稿を担当したのでもちろん現場にも居合わせたのだけど、スタートから数分で、いわばテレビ界に見切りをつけるようなこの発言が飛び出したときには、本当にビックリした。

で、そこについて、いろいろと考えてみたのが今回の記事。


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もちろん、川上量生氏は株式会社ドワンゴの代表取締役会長で、ニコニコ動画の生みの親の一人でもある。そういう人が相手の対談ということで、いわばサービストークだった可能性もある。それに、その後に「今はまだ自分がテレビでやり残したこともあるし、ニコ動で得たものをテレビにフィードバックしたいと思ってる」とも語っている。

それでも、テレビというフィールド、芸人の世界ではトップの一角を占める人が、さらりとこんなことを言えるんだというのは、やはり驚きだった。

■「テレビと同じような事をするよりも、芸人がやりたいことを」

2010年からツイキャスでネット生配信を開始、USTREAMも活用し、プライベートで「淳の休日」という番組を作ってきた田村淳。


「淳の休日」 http://www.atsukyu.com/

でも、ニコニコ動画のカルチャーに触れたのは、去年の「ニコニコ超会議」のイベント司会として招かれたのが最初だったという。
まず、超パーティの司会をやってくれって言われて。『ニコ動のこと全くわかんないけど、いいですか?』って言ったら、理解してない人が伝えるのがいいと言われて。だから勉強も何もしないで行ったんです。で、本当にすごいと思ったんですよ。テレビにはないものがあった。もちろん特殊な人が集まってるけど、テレビよりもクオリティーがはるかに高い歌い手さんや踊り手さんやモノマネの人がいて、それを理解している空気があった。昔、みんながこぞってテレビを見ていた時のような熱気がニコニコ超会議の会場・幕張にあった。
で、昨年10月には「ニコニコ生放送」にも“生主”としてデビュー。最初はニコ生ならではの機能や用語に戸惑いながらのテスト放送が行われ、その後も、コミュニティ上で「淳の晩酌」と題した番組が不定期的に配信されている。

淳のコミュニティ
http://com.nicovideo.jp/community/co1820467
(※当初リンク先が間違っていたので修正しました)

所属事務所である吉本興業は、ニコニコ動画上に公式チャンネル「よしよし動画」http://ch.nicovideo.jp/ch71)を展開している。そのチャンネル上ではなく、あくまで一人の「ユーザー生配信」としてスタートしたのも、一つの意志のあらわれだった。

吉本が公式チャンネルをやってるんですけど、それを観て面白くねぇ!と思ったんですよ(笑)。テレビとは違うことをしないと意味ないワケで。”ニコニコという素敵なメディアを使うなら、テレビとは違った新しいことをしなきゃダメじゃない?”って吉本のスタッフと話したんですよね。テレビと同じような事をするよりも、芸人がやりたいことを直接配信させたほうがいい。たとえ”公式チャンネルのほうがお金を貰えるよ”って言われても、公式はやりたくないんです。お金の問題じゃなくて、新しいことにチャレンジできる場所がニコニコ動画にあるから、自分の責任でそれをやりたい。だから、ちゃんと自分で525円払って、1人で生放送をやったんですよね。
「淳の休日」にしてもそうだし、“生主”を始めた経緯にしてもそうだけど、この人は仕事がどうとかではなく、「新しくて面白いこと」を本気で全力でやりたい人なんだろうな、と思う。

そして、今のテレビというフィールドは、誰が悪いとかそういうことでもなく、「新しくて面白いこと」が何故か許されない場所になってしまっているのだろう。

別のインタビューでも、こんな風に語っている。
僕がお金をもらったら「休日」とは言えなくなるし、僕自身はこの先も「淳の休日」ではギャラをもらうつもりはありません。ただ、スタッフさんとか機材の予算を補填してくれるスポンサーは徐々に増えてきました。休みの日に僕の頭の中にある企画を全部やらせてもらってるから、ありがたいと思っています。

テレビでは「とりあえずやってみよう」は不可能なんですよね……。絶対に、失敗が許されない場ですから。

ツイナビインタビュー Vol.16 田村淳
http://twinavi.jp/interview/atsushitamura/

「これやっちゃだめなんじゃないか?」「ここまでやったらやり過ぎなんじゃないか?」って自主規制をかける感覚がものすごく嫌で。それとっぱらうにはどうしたらいいんだろうなぁと考えているうちに、“失敗できる場所”があったらいいんじゃないかというところに思い至ったんです。
ロンブー淳さんが休日にゆるーくやってるネット番組について本人インタビュー
http://getnews.jp/archives/79341

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