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ネット上のフジテレビ批判をマスメディアがまったく報道できない理由

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商業メディアがスポンサーに甘いのは万国共通の情けない問題ではありますが、特に日本のメディアがたちが悪いのは、日本のTVやラジオと新聞がグループ化してしまっている「クロスオーナーシップ」の悪弊のために、ある種の問題が、TV局もラジオ局も大新聞もみなが沈黙してしまうというマスメディア全体がチキン(臆病)になってしまっている点です。

欧米の先進国の多くでは、言論の多様性やメディアの相互チェックを確保するために、新聞社と放送局が系列化する「クロスオーナーシップ」を制限・禁止する制度や法律が設けられていますが、日本でも、総務省令(放送局に係る表現の自由享有基準)にクロスオーナーシップを制限する規定があるにはあるのですが、これは一つの地域でテレビ・ラジオ・新聞のすべてを独占的に保有するという「実際にはありえないケース」(岩崎貞明・メディア総合研究所事務局長)を禁止しているにすぎません。

その結果、読売新聞と日本テレビ、朝日新聞とテレビ朝日、産経新聞とフジテレビ、毎日新聞とTBSといった新聞とテレビ・ラジオの系列化が進み、テレビが新聞の再販問題を一切報じないことなどに見られるようにメディア相互のチェック機能がまったく働かず、新聞もテレビも同じようなニュースを流すという弊害が生じているのです。
今ネットでは、フジテレビの「韓流押し」問題で騒然としていますが、グーグルで検索しても、報道しているのはライブドアニュースやJ−CASTニュースなどいわゆるネットメディアだけであり、TVや大新聞では、一部芸能ニュースとして発端になった芸能人の事務所解雇問題としてゴシップ記事は出ていますが、ネット上の大騒ぎは完全に無視されています。

本件で沈黙を守っているのは、何も当事者であるフジ・産経グループだけではありません、TV朝日・朝日新聞グループも、日テレ・読売新聞グループ、日本のすべてのマスメディアグループが、この重大な社会現象であり報道すべき社会問題であるはずのネット上の騒動を取り上げていないのです、実に気味が悪いチキンぶりです。

今回の件は、ある芸能人がネット上で韓流番組ばかり放映するフジテレビを批判したことが発端となり、彼は事務所を辞めることになります、話し合った上でのことと本人は発言していますが、所属事務所がフジテレビとの関係を守るため組織防衛に走ったのは想像に難くありません。

ネット上では本人を擁護する発言が爆発、8月8日の「フジテレビの日」にフジテレビの視聴をボイコットしようとの呼びかけや、フジテレビのスポンサー企業に電凸(でんとつ)する動きや、フジテレビの株主への不審から外国人株主の比率の問題まで取り上げるなど、ネット上騒動はエスカレートし続けております。

しかるにこの動きをTV、新聞は完全に無視しています。

私はもともとTVを視聴する習慣などなく「韓流」番組にも興味がありません、フジテレビが圧力により「韓流」番組を流しているのか、それともコンテンツコストの安さから安直にビジネスとして流しているのか、興味もないし本当の所は知る由もありません。
しかし、今のネット上の騒動は、ひとつの社会的動きであり社会問題として十分に報道する価値があるにもかかわらず、日本のマスメディアがこれをいっさい無視している点に注目したいのです。

日本のメディアはクロスオーナーシップのせいで馴れ合い相互批判をしませんから、メディアからの圧力は掛かりません。
彼らに掛かる圧力は主に三つです、一つ目はTVなら電波の免許制度、新聞なら再販制度で、許認可権を有している政府(官僚)からの圧力、株主や広告主としての大企業ならびにその広告を一手に扱う大手広告代理店からの圧力、最後に読者・視聴者からの批判圧力です。

図示すると以下のとおり。

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政府(官僚)の権限者やスポンサー企業(代理店)からの圧力は非常に強く、逆に読者・視聴者からの圧力は、彼らには弱く感じられて来ました。

彼らは圧力を受けた(あるいは受けると彼らが想像した)場合、ある種の事実を曲げて偏向報道するか、最悪の場合、「沈黙」すなわち報道をすることを放棄します。

今回のネット上でのフジテレビ批判騒動も、TVや新聞などの既存マスメディアしか情報源がない人々には一切情報が伝達されていません。
一種の偏向報道と考えていいでしょう。
スポンサー企業まで批判され始めているこのネット騒動をチキンな彼らは社会記事として取り上げれないのです、フジサンケイだけでなくすべてのマスメディアグループが沈黙しています。
今までならば沈黙をしばらく続ければそれで解決でした。

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