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アップルが失いつつあるもの

最近「アップルはイノベーションをもう引き起こせないのでは?」などといったような論調の記事を沢山目にします。

もうジョブズがいないからイノベーションは引き起こせない、などなど。

でもアップルってそもそもそんなにイノベーティブな会社でしたっけ?

私にはそうは思えません。

GUIがゼロックスのパクリだったことはよく知られています。

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MP3プレーヤのようなメモリに音楽を保存する装置を最初に考案したのはKane Kramerという発明家で、なんと1979年に考案しているんです。

アップル以前にMP3プレーヤを製品化した会社は沢山あります。1998年頃には少なからぬ商品がすでに出回っていました。

iPodの登場はさらに3年後の2001年です。明らかに後発です。

ちなみにKane Kramerが考案したのはこんなヤツでした。


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じゃあスマートフォンは?

スマートフォンだってね、2001年にはPalmのOSを搭載したKyocera 6035がすでに商品化されていました。

そのあとにだってソニーのクリエとか、かなり優れた製品が少なからずありました。でもなぜかいまひとつ盛り上がらず2005年頃には生産終了。

iPhoneが万を喫して登場したのは2007年でした。

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じゃあタブレットは?

ネットが見れるタブレットって、2005年にはNokia 770 Internet Tabletなんていう商品が売られていたんです。

iPadが発売されたのはそれから4年も経った後の2009年。

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こうした事例を見て考えてみるべきなのは、何故アップルが成功したのかではなく、なぜソニーをはじめとする日本企業がMP3やスマートフォンで市場創出に失敗し、アップルの後塵を拝し続けたなのかではないでしょうか?

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アップルはむしろ、ジョブズ復帰以前のほうがずっとイノベーティブだったようにすら思います。

QuickDraw, QuickTime, ColorSync, QuickTime VRなどのさまざまなテクノロジーが生み出されました。デジカメなんてロクに存在しない時代に、コンピュータを母艦としたデジカメ、QuickTake 100 なんていう製品を生み出したりもしました。

それからニュートン。ハンドヘルドデバイスの先駆けでした。

ただこの時代をアップル、何を作っても作りっぱなしで、どの製品もバグだらけの糞みたいな製品ばかりでした。

当時のアップルは何のポリシーもなく、まるで文化祭の出し物のように適当に面白そうな製品を作っていました。中で働いていると面白いところではありましたが、会社がこんなことでいいのかと言う素朴な疑問を抱いてしまうような素敵すぎる会社だったんです。

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アップルを現在のアップルに押仕上げたのはイノベーションよりもむしろ、その徹底した任務遂行能力です。

イノベーションがなくなった云々よりも、地図問題に見られるようなかつてのアップルを彷彿とさせるような詰めの甘さや、ジョブズ時代にはなかった情報の漏れ具合のほうがよほど気になります。

ジョブズの死後失われたものはイノベーションなんかではなく、ジョブズの存在そのものがもたらしていた「畏怖」と言っていいほどの独特の緊張感だったのではないかと思います。

アップルが今後も成功して行けるかどうかは、ジョブズ時代の緊張感を維持できるかどうかにかかっているような気がします。

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