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AKB48 峯岸みなみさんの丸刈り謝罪事件 恋愛禁止は人権侵害ではない しかし・・・

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 週刊誌で男性アイドルとの交際が報道されたAKB48の峯岸さんが2013年2月1日付で研究生に降格処分となり、動画サイト「YouTube」のAKB48公式チャンネルに丸刈りにした頭で登場し、

「私の記事のせいでメンバーやファンのみなさん、スタッフさん、家族、たくさんのみなさまにご心配をかけて本当に申し訳ございません」

と涙ながらに謝罪した事件から1週間が過ぎ。

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 私の記事が時々転載されるBLOGOSでこの問題が特集されていて、彼女の丸刈り姿が1日以上トップページにアップされっぱなしで本当に嫌な気持ちになりました。

 私が思い出したのは、ナチスのユダヤ人収容所で丸刈りにされた女性たちでした。昨年末に観たばかりのレ・ミゼラブルのファンテーヌ役のアン・ハサウェイを思い出してもおかしくなかったのですが、峯岸さんの表情はファンテーヌさえ超えてしまってました。

 わたし、もともと秋元康グループが嫌いなんです。ちょうどわたしの大学時代にオールナイトフジのオールナイターズとか夕やけニャンニャンのおニャン子クラブとかに周囲の友達が夢中になってまして。カラオケに行っても、男が集団でおニャン子クラブの歌を振付付きで歌うという惨状で。

 それから、30年も経っても、まだ男どもは秋元の仕掛けに乗せられるか?!まだ魔法にかかっとるのか!!??という感じで辟易してたんですよね。

 今回の峯岸さんの丸刈り謝罪も、大きな意味では秋元氏の仕掛けでしょう?峯岸さんはAKBを辞めたくなくて自ら丸刈りにしたと説明していますが、それが本当だとしても、丸刈り謝罪動画をアップしたのはまぎれもなくAKBを運営する側なわけで、週刊誌に報道されたのを逆手にとってまた話題作りに利用したわけですよね。 

 恋愛禁止という男の子たちの夢は依然健在ですよと示すために、ここまで惨い写真を出せる感覚。そういうものを感じて、本当に苦々しい気持ちになりました。

 この事件が秋元康的なものの終わりの始まりにならないといけないと思います。

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 ただ、人権派の方々がおっしゃる「丸刈りは体罰」「恋愛禁止ルールが人権侵害」かというと、それは違うと思うんですよ。どうせ人権派弁護士じゃないので、はっきり言ってしまいますが。

 アイドルは夢を売る商売。AKBファンの男の子たちは彼女たちに処女性みたいなものを求めている(それがいい悪いは置くとして)。また、お年頃の女性たちが多数集まっているからこそ、恋愛自由だと収拾がつかなくなる。だから、恋愛禁止をルールとするし、そこに所属する子たちも、スターになるためにルールに納得して入っていく。だとしたら、そのこと自体がそんなに問題だとは思わないんです。

 他の仕事と違って、アイドルは恋愛しないという必要性・合理性が非常に高く、AKB48の場合、恋愛しないこと自体がそれがないとグループが成り立たないくらいの仕事の一部と言ってもいいほどのものなので、恋愛禁止というルールが公序良俗違反とは言い難いのです。宝塚歌劇団は少なくとも結婚禁止ですが、これも普通の企業なら違法です(おそらく実質的には恋愛も禁止)。あまり芸能界に興味のない人権派の人には、たぶんここが理解しがたいところなのです。

 確かに、少女たちには恋愛する権利があります。これは憲法13条後段の幸福追求権で保障される「自己決定権」に基づきます。恋愛するもしないも自分で決められる自由と言うことです。だから、恋愛しないと決めるのも彼女らの自由なんですね。

 では、恋愛禁止ルールを守らなかったから辞めさせられそうになる、辞めないためには丸刈りにまでならないといけなかった、それは人権侵害ではないのかということですが、恋愛禁止を承諾したときに恋愛する権利はいったん放棄したわけです。それは自由意思に基づくものです。

 さらに、丸刈りは強制ではなく、AKBにどうしても残りたくて峯岸さんが選んだんだったら、それも自由意思ですから人権侵害にはなりません。髪型の自由も自己決定権の一部ですが、彼女は自ら丸刈りと言う髪型を選んだわけですから。

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 というわけで、峯岸さんの丸刈り謝罪は人権侵害ではないし、AKB以外のアイドルにも恋愛禁止ルールが会社などから課せられているとしても、それは人権侵害と言うのとは違うと思うのです。彼女らの中には10代前半で入った子もいて、そんな幼い子たちの同意は真に意味を理解しての同意とは言えないという人もいるかもしれませんが、いやいや、彼女らは私たちが思うよりも大人です。ちゃんとスターになるとはどういうことか、わかっていると思います。

 彼女らはそんなに無垢じゃない。

 それでも、なにか物凄く後味の悪い、嫌な感じが残るのはなぜなのか、1週間考えていました。

 もう30年も秋元氏の仕掛けに乗せられているわが日本男児が、まず情けない限りです(同一人物がずっとファンとは限らないけれど)。確かに素晴らしい個性と容姿のアイドルたちが何十人もまとまっていて、物凄く努力しているわけで、魅力を感じるのはわかるのですが、しょせんは仕掛ける側のお仕着せのアイドルです。

 何重もの厳しい選抜過程があって、入っても総選挙とかいう競争が常に内部であって、一人一人が個性豊かだということになっているけれど、それも演出の範囲内で。上に書いたように恋愛禁止などのルールはすべて自由意思で選んだという建前になっているのだけれど、自由も個性も秋元氏らの掌の上でのこと。アイドルもファンも、知ってか知らずか仕掛け人の掌の上で踊っている、その狭苦しさが何とも言えないほど不快です。

 結局、恋愛禁止が人権侵害じゃないという理屈は、恋愛禁止ルールに同意した彼女らが完全に自由意思で同意したということを根拠にしているのですが、完全な同意に基づくとしても、そこの合意のでき方が運営者たちも彼女たちも利にさとすぎて、あざとすぎるというのかな。いや、彼女らも計算はしているけれど、やはり、大人の男どもにはかなわない。

 秋元氏が出てくる前のアイドルは、南沙織にしても、天地真理にしても、山口百恵にしても、もっと天然素材の魅力があったような気がします。秋元氏やつんく氏のやったことは、欲得づくのアイドルの管理化で、夢を手あかにまみれたものにして、アイドルをつまらなくしてしまっただけのような気がするのです。アイドルの道具化、完全な商品化。

 モー娘やAKB以降、彼らの縮小再生産アイドルグループが次々出てくるのを見ていると、はああ、日本の芸能界がどんどんつまらなくなるという感想を持ってます。

 それは日本が、みな管理されたがる、目先の利益にこだわる、つまらない国になってきたということのような気がします。

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