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体罰を正当化しがちな理由を考える

体罰はよくないという主張を体罰正当化の理由なんてクソくらえで書きました。

しかし、世の中には体罰を正当化しようとする人がいます。何故、正当化するのか簡単に傾向を考えています。
  (1)体罰によって生徒/学生たちの成績が伸びた(という錯覚)
  (2)体罰を受けた記憶は喉元過ぎると武勇伝になる



(1)体罰によって生徒/学生たちの成績が伸びた(という錯覚)
これは非常に強いように思えます。
県下で有名なスポーツ校などで体罰を実施していた場合などには「この厳しさによって強くなっているんだ」という印象を持つこともあるでしょう。スポーツに限らず勉強等でも同じです。

中学や高校で体罰ありの教育を1年間続ければ、その1年間で子どもたちの能力は伸びるでしょう。しかし、それは体罰の成果ではなく、当たり前の話です。
中学や高校時代は、よっぽどまずいことをしなければスポーツにしろ、勉強にしろ伸びるのが普通です。特別な指導者としての訓練を受けていないOBが1年教えに来たとしても上手くなります。自主練だけでも1年も練習すれば上手くなります。

自然状態でも普通に伸びていくのが中学や高校時代であり、体罰教育による能力向上をもって体罰の有効性があると思うのは錯覚です。体罰を用いていない場合より能力向上が著しいということが示されてこそ体罰の有効性を語る資格があります。(本当は、さらに体罰によって得られるデメリットも考慮しなくてはいかんです)


(2)体罰を受けた記憶は喉元過ぎると武勇伝になる
寝てない自慢、勉強していない自慢、昔は悪かった自慢」…ありませんか?

学生時代の友人と会った時に昔話に花が咲いて次のような会話をすることがありませんか?
「バスケ部つらかったよなー。●●(先生の名前)めちゃくちゃ厳しかったじゃん。ちょっとミスしただけで怒って殴られたり、走らされたりしたよな」
「そうそう、マジでありえなかった。俺なんか夏に外を3時間も走らされたぜ」
「○○(部活仲間)なんて、スゲェ目をつけられてたじゃん。」
・・・

よくある話です。

昔の辛かった体験というのは、それを耐え抜いた人には武勇伝になります。部活に限らず残業に次ぐ残業のデスマーチなども同じです。昔の残業自慢をする諸先輩方の多いこと多いこと…

食糧にさえ事欠き衛生状態に難があるような戦争時の前線の塹壕内のような劣悪な環境は別ですが、体罰があるような環境でも大多数は生き残ります。
体罰→自殺が問題になった高校でも集団自殺があったわけではなく、自殺したのは1人です。大多数は無事に(?)卒業します。
そうすると卒業後にはその環境に耐えたことが武勇伝に変化していきます。厳しい指導や体罰の話を聞いても「俺らも昔にやられたけど耐えたんだぜ・・・」となりがちです。
大多数の武勇伝の陰には少数の自殺者や病気になったものなどがいるのですが、彼らは「我慢できなかった弱い奴ら」とされてしまいます。

しかし、弱さは関係ありません。
どんなに心が強い人たちを揃えても体罰を是とする指導法では何人かは耐えられません。何故ならそれが目的だからです。
体罰の目的はその暴力の力によって恐怖を与えたりすることが目的なのですから、相手の心が折れなければ体罰が強化されていき、皆が恐怖を感じて落伍者が出るところまでエスカレートしていきます。

そこで生き残ると「あんな厳しい環境にも俺は耐えた」「何人か途中で辞めていった奴もいる中で俺らは耐え抜いた」と武勇伝にさらに箔がつきます。

そういう武勇伝のための生贄を出し続けていいものか…

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