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「下から目線」を持とう

ツイッターで上から目線のおっさんに絡まれつづけること、はや3年。僕は「下から目線」の重要性を彼らから学び取りました。

人間に対する畏怖を持つ

上から目線の人たちって、要するに自分の方が確実に相手より優れていると信じ込んでいるわけです。相手を未熟だと、劣っている存在だと思っているから、「一言言ってやりたい」だけなのに、さも偉そうに「善意のアドバイス」という立て付けでお説教を垂れるわけです。

しかしながら、ある人間が誰かに対して絶対的に優れているということはありえません。例えば外資系金融に勤めるグローバルエリートであっても、マックでバイトをしている高校生に劣る部分が確実にあるはずです。

また、自分よりも若い人たちというのは、若いというだけで「将来的に自分を抜き去る可能性」を必ず秘めています。僕の周りには超優秀な20歳が数名いるんですが、彼らが僕の今の僕の年齢(26歳)になる頃には、今の僕よりもずっと優れた(時代にあった)スキル、人間性、人脈を持った人物になっていることでしょう。

「絶対的に優れた人間などいない」「若者は将来、今の自分を容易に超える」というシンプルな事実を理解していれば、上から目線に立つことは自然となくなります。

変な話かもしれませんが、僕は自分より若い人と話していると、彼らがただ若いというそれだけの理由で、畏怖の念を抱きます。未完成であることに羨ましさすら覚えます。何に化けるかわからない、不定形の高エネルギー体のようなイメージです。そんな彼らに対して、バカだとかアホだとか未熟だとか、そういう目線からコミュニケーションを取る気に到底なれません。

「上から目線」は複数のコミュニティに所属する社会に耐えられない

少し違う切り口なんですが、関連して面白い話があります。

あるNPO団体の活動のなかで、大企業の管理職の方が、高校生たちの前で授業をする機会があったそうです。その方は有名企業の偉い人で、一般的には名刺だけで尊敬されるような立場の人です。

しかし、高校生たちは教室に訪れたそんな偉い人を見て、「誰だこのおっさん?何か偉そうだぞ、うぜー」という態度を瞬時に形成したそうです。どれだけ偉かろうと、彼らにとっては自分の父親や、街行くサラリーマンと対して変わらない存在なんですね。頼んでもないのになんだこのオヤジは、と。

その管理職の方は、そういう高校生を前にし、案の定固まってしまったそうです。会社とは明らかに違う社会に直面し、狼狽してしまったのでしょうね。

「上から目線」が機能する空間はとても限定的です。高校生と管理職の事例が教えてくれるように、文脈が少し違うだけで、一気にコミュニケーションのあり方は変わります。

僕はこの話を聞いて、ツイッターで延々と絡んでくる上から目線のおっさんたちのことを思い浮かべました。アカウントのプロフィールを見ると、企業経営者とかに多いんですよね。

彼らは(おそらく)社内と同じ態度をツイッター上でに発揮しているわけですが、僕からしたら「誰だこのおっさん」という感じなわけです。で、僕が彼らを無視したりブロックすると「なんて無礼なんだ!」と怒るわけです。ネタじゃなくてマジでいるんですよ、こういう人たち…どっちが無礼なのやら。

上から目線のおっさんたちが匿名アカウントに身を隠すのは、そういう関係性の変化に耐えられないからなのかもしれませんね。会社では黙って言うことを聞いてくれるのに、ツイッターでは「下の奴ら」に無視されるしブロックされる。これが耐えられないから、匿名の仮面をかぶり、これは本当の自分ではないから、と自分に言い訳を与える。自分のかっこ悪さはうっすら自覚しているけれど、楽しいからやめられない。他にやりたいこともない。

どうでしょうか、意外と当たってませんか?>匿名粘着のみなさん

複数コミュニティに所属する時代だからこその「下から目線」

おっと、つい毒に逸れてしまいました。

これからの社会は、「家庭」「職場」というコミュニティに自分を集中させるのではなく「家庭」「職場」「趣味のサークル」「NPO」「地域のコミュニティ」などなど、自分を複数のコミュニティに所属させる時代になっていくと思います。mixiのコミュニティに入るような感覚で、人はコミュニティに所属し、気軽に離れていくでしょう。

こういう時代、「上から目線」は残念ながら機能しません。人を見下すのに慣れた人が、ひとたび違うコミュニティに足を踏み入れれば、単なる「偉そうなうざい人」としか見られるのがオチでしょう。そうして彼らはいっそう世の中を見下すことになるのです。上に上に舞い上がり、次第に当事者意識ゼロの「神から目線」を習得するのでしょう。

本来、人間は誰しも優れた部分を持っており、それを見いだせるか否かは、コミュニケーションを行う当人の問題です。相手を無条件で劣ったものと見なす「上から目線」ではなく、人間に対して常に畏怖を持つ「下から目線」を持ちつづけたいものです。

関連本。何気に未読なのでポチりました。

「上から目線」の構造 (日経プレミアシリーズ)
posted with ヨメレバ
榎本 博明 日本経済新聞出版社 2011-10-12

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