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小沢一郎無罪判決と政治資金監査について一言

資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る政治資金規正法違反罪で強制起訴されていた小沢一郎氏の無罪が確定したと報じられていました。

この一連のニュースで「収支報告書」という言葉が何度も出てきましたが、国会議員関係の政治団体は未だに「財務諸表」ではなく、「収支報告書」なんです。つまり、複式簿記ではなく、単式簿記の世界です。「収支」=「収入」と「支出」しか把握していません。

おかしいと思いませんか?

政党助成金などのカタチで国民の税金が政治団体に流れているのですが、その政治団体は財政状態を把握していません。もちろん、国も把握していません。

ちなみに、「収支報告書」は、登録政治資金監査人(政治資金適正化委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士、税理士)による政治資金監査を受けることが義務付けられています。

この登録政治資金監査人による政治資金監査は、
(1)会計帳簿、領収書等が保存されていること
(2)会計帳簿にその年の支出の状況が記載されており、かつ、会計責任者が会計帳簿を備えていること
(3)収支報告書は、会計帳簿及び領収書等に基づいて支出の状況が表示されていること
(4)領収書等を徴し難かった支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること

の4点について、政治資金適正化委員会が定める具体的な指針に基づいて行うこととされています(総務省HPより)。

これを見ても分かるとおり、政治資金監査はいわゆる「監査」ではありません。「レビュー」でもありません。たんなる「突合」です。こんなものになぜ「監査」という名称を付けているのか意味不明です。大人の事情があったのでしょう。

ですので、「政治資金監査マニュアル(平成22年9月版)」には、以下のように明記されています。
この政治資金監査は、公認会計士の行う監査証明業務に該当しないものである。したがって、政治資金監査報告書は、国会議員関係政治団体の収支報告書や会計帳簿等の適正性・適法性について、意見表明を求めるものではない。

では、政治資金監査とは何なのかというと、「政治資金監査マニュアル」には以下のように書かれています。
政治資金監査は、会計事務に対して外形的・定型的に行われるものである。

この「外形的」「定型的」とは分かりにくい言い回しですが、会計帳簿や収支報告書に記載されておらず、さらに領収書等その他の保存対象書類も存在しないような「外形的」に確認できない支出については政治資金監査人は発見する義務を負っておらず、会計帳簿及び領収書等に基づいて「定型的」に行うものであり、政治資金の使途の妥当性を評価するものでもない、ということなのです(政治資金監査に関するQ&A全体版(平成24年4月29日版)より)

つまり、陸山会の収支報告書に虚偽記載があろうがなかろうが、政治資金監査人はそれを見抜くことを期待されてもいない、ということです。

土地を購入した時の代金の支払いが2004年だったが、所有権移転登記手続の時期が2005年だった場合、単式簿記の世界(収支の世界)では2004年に「支出」したことになるのでしょうが、複式簿記の世界では2005年に「取得」したことになるでしょう。

これを2004年か2005年かで争う以前に、「複式簿記にしたらどうなの?」と思うのは私だけでしょうか。

「政治資金監査マニュアル」によると、政治資金監査が導入された経緯は「政治資金の使途に対する国民の政治不信を払拭するため」とあります。そうであるならば、早急に複式簿記を導入し、公認会計士による「会計監査」を義務付けるべきではないでしょうか。

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