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復興予算の流用問題

東日本大震災の復興特別会計の予算が、実際には被災地とは別の場所で使われているとか、あるいは復興とはあまり関係がないような予算執行がなされていると批判が出ている。
例えば霞が関合同庁舎の改修費用だとか反捕鯨団体対策に23億円、核融合エネルギーの実用化を目指す国際熱核融合実験炉(ITER)研究支援事業に42億円など、いくつも指摘されている。

法務省関係でも、月形刑務所に整備した建設小型機械や公安調査庁の車両整備などがやり玉に挙げられた。建設小型機械については、受刑者がこうした機械を使って資格を取得し、復興に役立つ土木作業に従事できるとの説明がなされたり、公安調査庁の車両整備については、過激派が被災地でボランティアを装ってオルグをしているのでその調査を通じて被災地の治安維持に役立つとの説明がされている。
他省庁と比較すると法務省の場合は、金額的には一桁か二桁低額ではあるが、こうした批判を受けたことはしっかり受け止めなくてはならない。

まあ一般会計予算では予算確保が難しいので、復興特別会計に潜り込ませているのではないか、さすが霞ヶ関の官僚は抜け目がない、などと感心している場合ではない。官僚は、あの手この手、霞ヶ関流の抜け道を使ってでも、予算確保に奔走するのは、ある意味官僚の性でもあろう。
当該省内では、よくぞ財務省の査定をくぐり抜けて予算確保してきたと称賛されるかもしれない。しかしその点はよくよく振り返って本当に復興に役立つものか、全国的な視点に立って適切な税金の使い道であるか、国民への説明は十分にできるかなどの広い視野での検討が必要だし、これこそ政治家の役割である。

官僚はどうしても省益を求めがちだし、それはそれで理解できないわけではない。しかし政治家もそれに追随して省益ばかり追い求めるようであれば無意味だし無能だと言われかねない。
政治家はいかに幅広い視野を持てるか、ここが肝心な点だと思う。

今回指摘をされている流用を見抜けなかった政治家にも反省すべき点は多いと思うが、官僚と政治家の役割分担という問題を改めて提起したように思う。
私自身は、政務三役と官僚との日頃の緊張感を伴った信頼関係の構築が必要だと再認識している。いかに優秀な政務三役といえども、省内のあらゆることに目を光らせることはできない。やはり官僚に任せることは任せなくては行政の仕事にならないが、それでも本当に復興に役立つものか、復興予算を使ったこんな整備が必要か、政治家も上手に情報を入手しながら適切な判断をしていかなければならない。

それにしてもこうした復興予算の流用問題が発覚したのは、民主党政権になって行政事業レビューが導入され、情報公開が格段に進んだことが大きい。行政事業レビューでは省庁自らが事業評価を行い、その結果はホームページで公開される。民主党が情報公開の重要性を訴え、自ら導入した情報公開の仕組みで、ある意味自分の首を絞めた格好だ。
しかし悲観をすることはない。「由らしむべし。知らしむべからず。」ではなく、国民には必要な情報を開示することが大事だし、そして幅広い国民の理解がないと政治や行政はうまく行かない。
様々な行政情報を知らしめる結果、時には厳しく批判を受けることがあっても、それこそが成熟した民主主義だ。やはり情報公開によって政治に対する国民の関心も高まれば大いに結構なことだし、大いに批判も受けることも結構なことだと考える。

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