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原発ゼロの閣議決定回避とアメリカの圧力

 先に野田内閣は「2030年代に原発稼働ゼロ」をめざす政策を発表しながら、なぜかその方針の閣議決定を見送ってしまった。本気ではないのかと支持率低下の一因にもなったと思うが、その裏にはやはりアメリカの圧力があった。東京新聞だけがスクープした記事を、天木直人氏が取り上げているのを見て、販売店で10月20日付朝刊の現物を買ってきた。

 この問題については、天木氏が指摘している通り、三つの特徴がある。第一は、圧力の伝達方法が、アメリカの有力シンクタンク顧問の発言だったり、副長官や補佐官クラスの人たちから日本側の外交ルートに乗せるといった、実務者レベルで行われており、トップからの正式申し入れの形をとらないということ。

 第二は、日本側は一通りの反論はしているが、結局は優位な立場を生かすことなく、アメリカの立場に配慮する「無難な」反応しかしないということ。日本が原発から撤退すれば、日本の技術力に頼って安全な原発を普及するというアメリカの世界戦略が崩壊する。日本は優位な立場で交渉できる筈であるのに、そんな意欲がない。

 第三は、アメリカ側は「日本国内で外圧と取られないように注意してほしい」と口止めに念を入れているということ。そして「日本の主権を尊重す」と言いながらも、「あまりにも重大な問題だ」などと釘をさすことを忘れない。つまり日本政府に「自発的な判断」をさせたいのだ。だがその裏で、日本国民にアメリカからの圧力だと知られ、反発を受けることを何よりも恐れているのがわかる。

 こういう記事を書ける新聞が、沖縄を除けば東京新聞だけになっている現状を、どう考えたらいいのだろう。もうわかっている当り前のことだから、改めて記事にするまでもないと判断しているのだろうか。もしも野田内閣が「アメリカとの関係を考慮して閣議決定はできなかった」と発表したら、どんな記事を書くつもりだろうか。

 原発をどうするか、日本人が日本の未来のために決定権を行使するためにも、アメリカとの関係を見直すしかないようだ。これは次の選挙で大きな争点になる。

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