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JALの再フライトは成功するか - IPOの考察

日本最大の航空会社が、9月19日に再上場を予定しています。1株3,790円、1億7,500万株、総額約6,600億円と、その体格はスーパーベビー級です。
そのブックビルディングが今日始まりました。

上場成功の重責を担っているのは、共同主幹事 大和証券他、各社。証券会社は自社に割り当てられた株数を、さらに各支店、各担当へと割り振ります。
営業担当者は、第二次世界大戦のドイツ諜報部員が資料を取り出すみたいに資産家の顧客リストを机の上に広げ、定規をあてて上から電話をかけます。
普段なら、ゴミ箱に捨てる他ないジャンク債を、インディー・ジョーンズでなければみつけられない掘り出し物が出たと言わんばかりに販売しなければならないのですが、JALは知名度が高いため「営業はしやすい」とのことです。
ただ、バブルの頃であれば7,000億程度ははした金であったとしても、猫に引っかかれたバランスボールみたいにぺしゃんこに萎んだ今のマーケットには、少々重荷です。
営業担当者は、顧客リストの吸収力一杯まで使い切る覚悟で、普段取引がない人にも厚顔(あつがお)でダイヤルをしています。

産業再生機構はもちろん、JAL上場の全てのステークスホルダーは、今回の事案をできるだけ難癖がつかないようにしたいと考えており、公募価格は低めに抑えられています。公募価格は通常、同業他社のPERなどを基準にた上で、上場ディスカウントを加味して決定されるのですが、今回のディスカウントはやや大きめに設定されています。PERは約5倍と割安。今後5年程税金が免除されている特殊要因はありますが、それを除外したすっぴんのPERを見ても約10倍と割高感はありません。ANAと比較しても高くはないでしょう。

注意点は、航空法による外国人の持ち株比率の規制です。外資は、JALの株を三分の一までしか保有できません。外資が保有を許されるのは2,200億円程度。今回、上場で海外割り当て分が約1,700億円なので、湯船が溢れるまで約500億円です。JALのような大型の銘柄の場合、上場後に海外のファンドが組み入れの買い付けを行うのですが、規制による影響が警戒されます。

いろいろな要因はあれど、最も重要なのは9月19日時点での地合いです。3,790円という数字が発表されたのは8月上旬。ANAや日経平均の水準を比較し、上場日の方が高ければ、今回の再上場は成功する可能性は高くなります。8月31日現在では、ANAは横ばい、日経平均はやや上昇です。このままかもう少しよければ安心度は高いといえるでしょう。「地合いが良いは七難隠す」。さびれた喫茶店の床くらいのわずかな傾きで良いので、右肩上がりであることを、マーケット関係者は祈っています。


■スケジュール
8月31日~9月7日 ブックビルディング
9月10日 売出し価格決定
9月19日 上場

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