記事

電子マネー 落としたらどうなる

サラリーマン時代、グループ会社であるドコモの部長から「かざす文化を創りたい」と聞かされていました。かざす文化とは、携帯による電子マネーを普及させたい、という意味です。当時、彼の理想はグループ内でも十分に理解されていなかったように思います。しかし、今や私たちの生活は、かざさない日の方が少ない程です。

先日「電子マネーだけで生活できるか」という記事がBLOGOS経済カテゴリで1位になりました。
そこで今回は「電子マネー 落としたらどうなる」と題してお話ししたいと思います。

そんな電子マネーですが、万が一落としてしまったらどうなるのでしょうか。
(電子マネーとは呼ばれませんが)クレジットカード、Suica(PASMO)、Edyの3点を取り上げます。

・クレジットカード


まずはキャッシュ以外では最も普及している支払い方法、クレジットカードの紛失について。クレジットカードは歴史があるだけあって、リスクは限定的です。通常、紛失・盗難の届け出日から60日さかのぼって、不正利用の損害が補償されます。つまり、あなたが落としたクレジットカードを拾った男が、高級レストランに愛人を連れていき、リストの下の方にあるワインを注文したとしても、請求書があなたの所に届くことはありません。
ただし、クレジットカードに付随しているキャッシング機能には注意が必要です。補償される要件が厳しい場合があるからです。先ほどの男がレストランに行く前に、ATMに立ち寄り、キャッシングしたお金でティファニーのビーンズをポケットにしたためていたとしたら、それはあなたが払うことになるかもしれない、ということです。もし、他人の借金のために残業したくなければ、一番簡単なのは、クレジットカード会社に電話して、キャッシングの上限額をゼロにすることです。
また、安易に推測されるパスワードを使ったり、裏に署名をしないまま持ち歩くと補償の対象外になるかもしれません。それから、間違ってもだらしない友人にカードを貸すべきではないでしょう。そんなことをすればきっと、いろいろなものを同時に失います。
ちなみに、紛失の際はカード番号が変わるので、各社に連絡する必要があります。気が遠くなるほどではないにしろ、ため息が出る程度には手間がかかります。

・Suica


Suicaは少なくとも現金よりも紛失リスクが低いです。Suicaを使い始めたらまずその日にすべきことは、裏面をデジカメで撮っておくことです。なぜなら、ひどく飲み過ぎた夜にカードをどこかにやってしまったとしても、裏に書かれたカード番号と身分証明書があれば、届出時点のチャージ残高が戻ってくるからです(無記名のSuicaは対象外)。もし、朝起きて全てのポケットをひっくり返してもSuicaが見つからなかった時は、二日酔いの薬を飲み終えた後に、最寄りのJRの駅に届け出をして下さい。新しいカードを発行するデポジット500円と、移行手数料500円を払えば、翌日に届出時点のチャージ金額が入った状態で返ってきます。
一番心配なのはオートチャージに対するリスクです。この不安を解明するのに必要なのは、しばらくの間テープアナウンスを聞く忍耐力だけでした。問い合わせに対応してくれた電話の向こう側の男性は、20代と言われても40代と言われても、そう言われればそう思うより他ない穏やかな声で親切に教えてくれました。彼に案内によれば、チャージ分が不正に使用された場合の補償はないものの、オートチャージ分については補償の対象となる、とのことでした。
モバイルSuicaを紛失した場合も、新しい携帯への残金の移行が可能です。再発行手数料は500円です。ただし、モバイルSuicaからはモバイルSuicaへの移行のみで、カード型への移行はできないとのことですが、取り立てて問題はないでしょう。

・楽天Edy


Edyは現状、比較的リスクが高い電子マネーです。カード型、携帯型いずれの場合も、紛失・盗難の場合、その残高は私たちの手元には戻ってきません。恐らくどこかの企業の利益に積まれることになるのでしょう。カード型の場合、プリペイドカード同様個人情報が記録されていないため、返金されなくても仕方がない気がしますが、携帯型の場合は個人情報が存在するので返金されてもよさそうなものです。なぜ返金されないのでしょうか。その原因は携帯Edyの複雑な仕様にあります。携帯Edyは、携帯端末とSIMカード両方に同時にひもづいています。その組み合わせを失った場合、Edyを使うことができなくなります。例えば、携帯端末AとSIMカードAでEdyに登録した場合、携帯電話AとSIMカードBの組み合わせや、携帯電話BとSIMカードAの組み合わせではEdyは使えません。あくまでも登録時の組み合わせが必要になります。そのため、携帯電話を落としてしまった場合、SIMカードは再発行できるものの、携帯端末は再発行できないため戻ってこないという理屈になるとのことです。たとえ同じ機種を用意しても同様です。
MNP、もしくは解約の際もこの仕様を踏まえないと、チャージ額を失いかねません。簡単な話、機種変更等をするならば、チャージ額を移行する手続きをショップの店員さんに相談してからというのが無難です。
もし、何かの失敗で携帯端末に残高があってそれを取り出せなくなってしまった場合、最終手段として、携帯ショップに行き、Edyがチャージされた携帯端末を”破壊”することと引き替えに、チャージ金額をサルベージすることも可能です。破壊とは、耳を疑いたくなりますね。

便利な電子マネーは、使い勝手の良さだけでなく、きちんと選べば紛失時のリスクも低いことがわかります。
むしろ、最大のリスクは「かざし過ぎ」かもしれません。ドコモの部長のしたり顔が浮かびます。

あわせて読みたい

「電子マネー」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    音喜多氏はブログより議会発言を

    PRESIDENT Online

  2. 2

    米の非同盟扱いは韓国の自業自得

    木走正水(きばしりまさみず)

  3. 3

    大型空母の中国vs軽空母の日本

    木村正人

  4. 4

    欧州で人気の抹茶 日本産は駆逐?

    田中淳夫

  5. 5

    裁量労働制に反対する野党に疑問

    和田政宗

  6. 6

    JALの時代錯誤なアイデアに驚き

    笹川陽平

  7. 7

    日本を裏切る理解不能な朝日社説

    木走正水(きばしりまさみず)

  8. 8

    毎日新聞が誤報の朝日かばう暴挙

    和田政宗

  9. 9

    松本人志ネカフェ難民発言で物議

    キャリコネニュース

  10. 10

    ジャンプ船木 お家芸潰しに持論

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。