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グラフで確認すると、消費税引き上げ後に消費は上昇している

1997年の消費税5%への引き上げで、一部の産業の売上や所得税・法人税収入の減少が起きたと主張している人を良く見かけるが、消費税の性質を考えると話の辻褄はあっていない。

消費税率引き上げが経済に悪影響を与えるとすれば、税込み物価が上がり、実質所得が下がり、購買力が落ちるからになる。消費が落ちて売上が低下すれば、民間投資も削減されるので、国民所得の低下要因になる。この所得効果を中心にした筋書きは、おかしくない。しかし、1997年の消費税5%引き上げ以降は、このストーリーに沿っていない。

GDPデフレーターで調整済みのGDP主要項目の推移を見てみよう。垂直の破線が1997年をあらわすが、1997年に駆け込み需要の反動で民間最終消費支出が落ち込むが、1998年以降は消費は増加している。実はバブル崩壊後の消費の増加は安定的だ。しかし、民間固定資本形成は落ち込む事になる。

ここの民間固定資本形成には、設備投資はもちろん、公団を含めた住宅投資などが含まれる*1。消費税の効果よりもずっと大きく不動産価格は安定的に下落しているのに、投資は伸びていない(関連記事:家賃に見る価格の下方硬直性)。

消費税引き上げが景気悪化をもたらす可能性は、財政収支の改善効果から否定できない。しかし、1997年の消費税引き上げが継続的な景気悪化をもたらしたと言うのは無理があるようだ。増税で景気が悪化するとすれば、租税負担率が上昇してGDPが減少するであろうけれども、消費税導入後に租税負担率は上昇していない(国民負担率及び租税負担率の推移(対国民所得比))。

*1総固定資本形成から政府投資を引いて、民間固定資本形成にしている。

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