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「街中うろついてるより、クラブのほうが安全」摘発された元クラブ経営者 金光氏に聞く

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クラブ「NOON」元経営者の金光氏

風営法違反による摘発がネット上でも話題になった大阪梅田のクラブ「NOON」。摘発された関係者は風営法、クラブカルチャーに何を思うのか。今回、クラブ「NOON」元経営者の金光正年氏に話を聞いた。【取材・執筆:村上隆則・永田正行(BLOGOS編集部)】

僕らがやっていることは風俗営業に当たるのか、それが争点


――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

金光正年氏(以下、金光):金光正年です。元「NOON」の経営者で、18年間あの場所でクラブを経営してきました。「NOON」を8年間、その前身であるクラブ「DAWN」を10年間。

――今回摘発された経緯を教えてください

金光氏:3月9日に立ち入り検査があり、「あなたの店舗の営業形態は風営法に抵触する可能性があります。許可を取るか、ダンスをさせるような営業をしないかを選んでください」という警告を受けました。僕は風営法の許可を取る気はないし、設備的にも取れるものではない。またそんないかがわしいことをしているつもりもないので、「風営法に抵触するような営業はしません」という形で誓約書を書きました。

その後、4月4日にダンスをさせたということで「あなたのやっていることは風営法違反に当たります。無許可なので、無許可営業です」ということを言われたんです。警告を受けてから摘発されるまでの間、僕らは風営法にみなされるのであればミラーボールを取るべきか、フロアを改造するべきか、改造するならどのようにするか、といった対応について建築設計の業者を呼んでミーティングをしていました。でも、すぐにできるものではないですよね。

 

1年前から12時以降の営業はしていなかったにも関わらず、「ダンスを踊らせた」ということで摘発されたんです。

――「ダンスを踊らせた疑い」ですか。

金光氏:「ダンスを踊らせていたのであれば、あなたは風俗営業をしていた。ということは、無許可営業です」と。「ダンスを踊らせましたか?」と聞かれれば、「踊らせたといえば、踊らせましたよ」と応えます。でも無許可営業を認めたわけではないんですよ。踊らせたことは認めるけど、無許可営業をしたという意識はないです。

今回の裁判もそこが争点になっています。つまり、僕らがやっていることは風俗営業に当たるのかどうか、という点です。ダンスを踊らせたけど、それは風俗営業になるのか。規制されるべきダンスを踊らせたのか、そうではなかったのか。そこが裁判の争点です。

――「風営法で定義されるダンスというものが何か」という話になってきますね。現在、取り締まりを行う際には、「肩が揺れたらダメ」などと言っていると報道されています。

金光氏:東京の場合だったら「カカトを浮かしたらダメ」とかそういう話ですよね。でもそれだと、ほとんどの店がそうです。なので、「そういう法律ってありえるのか」という話になるんじゃないでしょうか。

――金光さんが考える現在の風営法の問題点というのは、どのあたりでしょうか?

金光氏:「ダンスを踊らせること」を規制している点。その1点です。今日も見てもらったらわかるとおり(※)、話を聞きに来ている人たちは品のいい人ばかりですよね。この木屋町近辺もずいぶんお下品になってしまっていますけど、その辺の「クラブなんて何も興味ないよ」って連中のほうが柄は悪いですよね。

※編集部注:今回の取材は6月10日に行われた『Let's DANCE ダンス規制法を考えるつどい』後に行われた

――今回摘発されたわけですが、他のケースでは地域の人たちから騒音に対する苦情があったなど、何らかの通報を受けて摘発を行うパターンが多いと思います。今まで地域の人たちに「自分たちがやっていることはいかがわしいことではない」と伝えるような取り組みはされていたんでしょうか?

金光氏:18年前にクラブ「DAWN」をオープンして、営業開始3ヶ月後に騒音苦情ということで、風営法無許可営業で摘発されています。その時には30万円の罰金を払っています。この場合は、明確な騒音苦情でしたから、改善するために壁の内張りに防音シートを貼ったり、もう一枚壁を作ったりして隙間をコーティングしたりといった対策をしました。

そういった近隣の人たちに対するケアとして、ご近所さんの掃除もしています。だいたいウチのお店から200メートルの範囲は掃除していましたね。新御堂筋のところまではやってました。だから、近隣苦情の問題もなくその後17年間ずっと営業してきたんです。

――では、今回のケースは、そうしたものとは別だったと。

金光氏:全く別で、いきなり来ました。警察が言うには同業者のチンコロ(密告)やと。「ウチ(警察)はしゃあないんよ、同業者からチンコロされたから」と。まあそれも定かではないんですが、警察はハッキリそう言いました。

――通報があってきたと。

金光氏:「なんでウチばっかり来てNOON行けへんねん」と。

――「Let's Dance」に対するネットの反応のひとつとして、「法律を改正せずに適法な状態で運営すればいいのではないか」という意見があります。おそらく、24時、25時には閉店して、風営法の認可をとった上での営業をイメージしているのだと思います。それについてはどうお考えでしょうか?

金光氏:そもそも、風営法に引っかかるようないかがわしいことやるぐらいならクラブなんてせえへんよ。ウチもそうなんやけど、クラブ「DAWN」時代からマスターズ・アット・ワークという結構有名なDJユニットを呼んだり、もっと言えば倖田來未も呼んでましたしね。ZEEBRAも来てたし「ウチで育った」と本人が言ってたようにEGO-WRAPPIN'も来てました。いろんなミュージシャンを呼んでいる。

クリエイティブな才能を持った人たちの発掘をやっている僕らが、風俗店と言われることにものすごく抵抗がある。それでも現在の法律に適応させるなら、ウチじゃないクラブ以外のところも全部そうなるよ。クラブだけに言うんじゃなくて、他のお店にも全部言うべきやし、警察もそうするべきやと思う。

――なるほど。

金光氏:「そういうのは君らの屁理屈や」と言われますが、オレらが屁理屈を言ってるんじゃない。もともと法律が屁理屈や。その法律に照らし合わせるなら、ライブハウス含めほとんどの店が違法ということになる。そういう法律やから改正運動があるんです、もう話をグルグル回すなってことですね。

やっぱり法律家の人もそうやし、風俗ライターの松沢呉一さんも言ってるけど「なんでもっと早くにクラブ側が声を上げなかったのか不思議だ」と。今回、初めてクラブ側が声を挙げたんです。ところがこの法律、4号営業という問題があってクラブだけじゃなくダンススタジオとかも引っかかってくるんです。

 

社交ダンスも規制から外れていると言いながら実は外れていなくて、「資格を擁する講師が必要である」となっている。その講師がいてない場合は、社交ダンスも風営法に抵触する。ヒップホップダンスもそうです。警察の恣意的な捜査によりヒップホップダンスのスクールも摘発される可能性が出てくる。そこに対しても、風営法の許可を取ったらいいのかという話になってきますよね。

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