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「丸亀製麺」は店内のパートの女性が、客単価を200円アップさせている

今週の日経ビジネス(2012年6月11日号)の特集は内需で成長する日本企業です。三井住友信託銀行の調査によれば、国内売上90%以上の会社の中にも経常利益を着々と伸ばしている企業が存在することがわかります。

最高益企業の増益率ランキングを見ると、ゴールドウィン、イエローハット、スタートトゥデイ、カカクコムといったお馴染みの企業の中にトリドールという会社も14位にランクインしています。

トリドールは「丸亀製麺」というセルフサービスのうどんのお店をチェーン展開する会社です。主力商品のかけうどんを280円で提供し、低価格で支持されているお店ですが、客単価は500円。

その客単価アップの秘密が、「非効率経営」にあるというのです。

通常、店舗数が増えたチェーン店であれば、セントラルキッチンを導入して調理の効率化をはかっていくのが定石と言われています。しかし、丸亀製麺は、店内でうどんを打ち、天ぷらを揚げ、おむすびを握って提供しています。この方法だと、設備投資もコストがかかりますが、何より人材の育成にコストと時間がかかります。誰でもすぐにできることではないからです。

そこまでして敢えて店内調理にこだわるのは、他の業態の差別化をしないと生き残れないからです。飲食店のライバルは、他の飲食店だけではありません。今やコンビニの弁当との競争になっているのです。コンビニ弁当にない飲食店の強みは、手作り感とコミュニケーションにあるというのが、この会社の考え方のようです。

店内はセルフサービスになっていますが、うどんの注文が終わると、天ぷらやおむすびのコーナーを通過します。その時に店内の白い作業着のパートの女性が

「お客さん、この天ぷら揚げたてですよ」

と声をかける。天ぷらが1つ80円から130円、さらにおむすびを頼むと、客単価は200円以上アップします。冷たくさめた天ぷらや工場で作られたビニールに入ったおむすびではなく、その場で出来たての味を楽しみたい。セントラルキッチンでは提供できない価値と言えます。

外食というのは、単に安くてボリュームがあれば良いというものではありません。惣菜のような中食や弁当などでは無機質で味気ないというニーズを解決することで、競争に勝てるのです。

効率化によって、大切な価値提供ができなくなってしまうリスク。これは顧客の本当のニーズが見えなくなると陥りやすいワナなのです。

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