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新ルールへの反論|オランダの大麻政策2

オランダのコーヒーショップに関する新ルールが一部始動するのを目前に、4月27日のBBCニュースは、さまざまな角度から、この新ルールに異議を唱える人たちの動きを伝えています。

●外国人に対する差別
コーヒーショップ経営者のグループは、ハーグ地方裁判所に対し、新ルールは外国人を差別するものであり、違法だとしてその執行停止を求めてきましたが、27日、同裁判所は訴えを却下する決定を下しました。
コーヒーショップ経営者側の弁護士は、すぐにでも上訴するといい、また訴えが容れられない場合は、EUの裁判所に提訴することも検討していると語ったそうです。

●密売人の復活
オランダ政府は、新ルールの狙いのひとつとして、国境をまたぐ薬物不法取引の防止を掲げてきました。オランダ周辺の諸国から、国境を越えてコーヒーショップへやってくる外国人が、オランダ国内で買った大麻を国境の向こうへ持ち帰って、高値で密売することがあるのだといいます。
でも、新ルールの導入によって、逆にオランダ国内でも密売人の活動を活発化させてしまうと反論しているのは、マーストリヒトのコーヒーショップ経営者です。外国人お断りを掲げたとしても外国人客はやってくる。コーヒーショップで大麻を買うかわりに、街の密売人から買うだけのことだと、彼は言います。
新ルール導入の影響として、密売の増加を予測する研究者もあります。これまでも、コーヒーショップが未成年の立入制限年齢を引き上げた際には、立入りを許されている成人が買った大麻が、店の外で、未成年者に密売されるという現象も起きました。「大麻パス」を持つ居住者が店の外で、外国人に大麻を密売するようになっては本末転倒だという声もあがっているようです。

● 観光への打撃
アムステルダム市では、市長以下、市議会の有力メンバーの多くが新ルールに反対しているとか。同市を訪れる観光客にとって、コーヒーショップは重要な観光スポットになっているからでしょう。
アムステルダム市長は、大麻使用者の存在はそれほど問題になっていないと言い、国境地域での規制と同じ政策が、この都市に必要とは思えないとコメントしています。アムステルダムでは、先週大麻容認派のキャンペーンが行われました。

オランダが、少量の大麻所持を犯罪として取り扱うことを見合わせ、コーヒーショップでの少量の大麻販売を容認する政策をとり始めて、やがて50年になろうとしています。オランダ政府は、薬物政策の基本に変更はないと断言していますが、この寛容政策の色彩は、いま、微妙に変化し始めたようです。

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