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Facebookクーポンだけじゃない!Fコマースの実現方式あれこれ

ソーシャルコマースの購買心理への影響」という記事では、ソーシャルコマースとは何かということを考え、人間の心理に訴えられるソーシャルコマースについて考えてみました。

今回は、ソーシャルコマースの中でも、Facebookを使ったコマースに焦点をあて、その実現手法について、具体的な例を参考にしながら整理します。

なお、ソーシャルコマースについては、「ソーシャルコマースの購買心理への影響」という記事内においては、コマースというコンテクストの中で、ソーシャルメディアのテクノロジーを利用することであると定義しました。

Facebookを使ったコマースは、Fコマースと呼ばれますが、本記事では、Fコマースとは、コマースのコンテクストの中で、Facebookのテクノロジーを利用すること、Facebookを使って販売活動につなげることだと定義します。

Fコマースを分類する


さて、FコマースとはFacebookのテクノロジーを使って販売活動につなげることであると定義しましたが、具体的にはどんなものがあるでしょうか。

ここでは、「Facebook上で販売する系」と「Facebookを利用して販売促進する系」の二つにわけて整理します。



Facebook上で販売する系


Facebook上で、販売、決済を完結させるパターンとして、二つあります。

Facebookストア


Facebookを使ったコマースとして、想像しやすいのがFacebook上にオンラインショップを作って、ダイレクトに販売するという例です。Facebookから外部サイトに移動することなく、Facebook内で商品の選択から決済まで完了します。

2009年7月にアメリカの花屋さんの1−800FlowersがFacebookページにオンラインショップを作ったのが最初の事例と言われています。

現在では、Facebookの友達上に花をギフトとして送付できる「Group Gift」というサービスを提供しています。



Facebook上に決済まで可能なオンラインショップを作れる日本語のアプリとしては、「storelike」があります。このアプリは無料で利用することができ、最大100点の商品までを販売することができます。



ReBuy 」もFacebookページで販売から決済まで完了することができます。このアプリは、初期費用、月額費用は無料ですが、商品が実際に売れた場合売上代金の4%がシステム利用料として発生します。

「ReBuy」では、「いい!」ボタンというのが搭載されており、ユーザーが商品に対して「かっこいい!」や「かわいい!」といった感想をボタンで投稿できるようになっています。さらに「いい!」ボタンのいずれかをクリックすると、割引が適用されるような仕組みもあり、Facebook上でのクチコミを加速させます。

Facebookポイント


Facebookポイントは、Facebookプラットフォーム上で動作するゲームなどで利用されるバーチャルグッズの購入などで利用される仮想通貨です。

Facebookポイントは、「アカウント設定」→「支払い」で購入することもできますし、ゲーム内で直接購入することができます。ポイントの購入はクレジットカードやPayPalで行えます。

Facebookポイントは、1ドルで10ポイント購入できます。日本の場合は為替レートが反映されるので、2012年4月現在では、100 Facebookポイントは820円となっています。

Facebookポイント

利用者に手数料などはかかりませんが、販売者は売上の30%をFacebookに手数料として支払います。

Warner Bros.は映画のレンタルストリーミングサービスとして、バットマンやハリーポッターなどの映画をFacebook上で見られるサービスをアメリカ国内で提供しています。映画1本の価格は3ドルで、Facebookポイントを使って支払うようになっています。



現在のところ、Facebook内で受け渡しができるバーチャルグッズや動画データのみとなっていますが、物理的な商品にも対応されたら、もっと普及するのではないでしょうか。

Facebookを利用して販売促進する系


もう一つが、Facebookを利用して販売につなげるというパターンです。

Facebookクーポン


Facebookクーポンは、Facebookページの投稿を使って、クーポンや特典を配布できるサービスです。

2012年4月13日から、日本国内でも提供されることになりました。まだ、すべてのFacebookページで利用できるわけではなく、順番に展開していくことになっています。

Facebookクーポンを簡単におさらいすると、以下のように動作します。

Facebookページの投稿に「クーポン」が表示されるので、クリックしてクーポンを作成します。



以下の項目を設定できます。

・クーポンの見出し(90文字以内)
・有効期限
・クーポン画像(90×90ピクセル。長方形は正方形にトリミングされる)
・利用規定や条件(900文字以内)

作成したクーポンは、Facebookページに「いいね!」をしているユーザーのニュースフィードに表示されます。ユーザーはクーポンに表示される「クーポンを入手」をクリックしてクーポンを取得します。クーポンは、ユーザーがFacebookに登録しているメールアドレスに送信されます。利用する場合は、メールを印刷して店舗に持っていくか、端末にメールを表示させて店員に確認してもらう必要があります。

ユーザーはニュースフィードに表示されたクーポンに「いいね!」をクリックしたりシェアすることで、自分の友達のネットワークにクーポンを広げることができます。これまで、クーポンの配布には、クーポンの作成、配布、ローカルなクーポン雑誌への出稿など、コストがかかるものでしたが、無料でユーザーに広められることは、企業にとって価値があるでしょう。

さらに、FacebookクーポンをFacebook広告として配信することもできます。従来のクーポン配布にかかっていたコストをFacebook広告に費やせば、地域や性別などをターゲッティングして、ピンポイントにクーポンをより効果的に配布するといったこともできるでしょう。

Facebookクーポンの利用規約、制限事項


Facebookクーポンの利用にあたっても規約が定められています。法令遵守やクーポンにかかわる責任を負うことなどが書かれています。少し注意が必要なのが以下の項目です。

・ギフトカード、商品券、プリペイドカードなどに相当するものを提供するためにFacebookのクーポン作成ツールを使用することはできません。

金券的に利用できるものをクーポンで引換えできるようにしてはいけないということなので、注意しましょう。

また、クーポンに有効期限や利用の制限などがある場合は、あらかじめ制限をユーザーに開示しないといけないとなっているので、クーポンの発行時にわかりやすく書くようにしましょう。

その他の規約については、以下を確認してください。

Facebookページ利用規約

Facebookアプリ


サードパーティが開発したアプリには、外部の販売サイトと連携させることができるアプリがあります。

販売サイトと連携させるアプリとしては、以下のようなものがあります。

Crocosカタログは、楽天のECショップとFacebookページを連携させられるアプリです。

Social Gatewayは、外部のECサイトとFacebookページを連携させるアプリです。

どちらも、外部のECサイトの商品情報を使ってカタログのような形で、商品を並べて表示させます。実際の商品は外部サイトで購入、決済を行います。

なお、前述したReBuyは、Facebookアプリとして外部のECサイトに連携して、実際の決済は外部サイトで行うこともできます。





Facebook開発ツール


Facebook外部のサイトとFacebookを連携させて販売につなげる方式もあります。

例えば、「いいね!」ボタンやコメントボックスなどを、ECサイトに設置するパターンはよくあります。前回の記事でも紹介したように、「いいね!」の数がソーシャルプルーフとなり、「いいね!」の数が多ければ多いほど、購入の後押しをしてくれます。

さらに、Webサイト上でFacebookコネクトによる認証を行い、Facebookに登録されている情報や友達の情報を使って、パーソナライズした情報を提供することもできます。例えば、友達の誕生日を教えてくれたり、友達に人気の商品が可視化できるものがあります。

化粧品会社のEstée Lauderは、系列会社のsmash boxのWebサイトにこうした仕組みを取り入れています。Facebookでログインすると、自分が「いいね!」した商品や、友達が「いいね!」した商品を確認することができます。



無印良品の「MUJI Life」では、WebサイトにFacebookアカウントでログインして自分の棚を作ることができます。自分の好きな無印良品などの商品を棚に並べることができ、アイテムをクリックすると、商品の販売サイトにリンクします。



Facebookアプリに適用できるOpen Graph Betaは、アプリを使った任意のアクションとオブジェクトの組み合わせを定義して、Facebook上でシェアできる仕組みです。

例えば、「Ayumi(ユーザー)は、バットマンの映画(オブジェクト)を鑑賞した(アクション)」というような情報をFacebookのタイムラインに表示させられる仕組みです。通常のアプリにも適用できますが、Facebookのモバイルアプリプラットフォームと連携させることで、様々なアクションやオブジェクトに適用することができます。

Facebookチェックインクーポン


チェックインクーポンは、ユーザーがモバイル端末から、Facebookの位置情報サービスであるスポットを使って、特定の場所にチェックインしたときに利用できるクーポンです。クーポンの内容は店舗が無料で設定することができます。

クーポンには、チェックインするたびに利用できるクーポン、チェックイン回数が指定した回数を超えると利用できるようになるポイントクーポン、グループで利用できるグループクーポンがあります。

Facebookクーポンによって、チェックインしなくても利用できるクーポンができたので、レストランやショップなど、実店舗のある企業やブランドは、どういう風に使い分ければ、ユーザーの利便性が高く、また効果を高められるか考える必要があります。

なお、ソーシャルメディアとモバイル端末をローカルビジネスのマーケティングに活用する手法は、SoLoMo(Social Local Mobile)という呼ばれ方をすることがあります。

従来から、店舗ごとにポイントカードを作ったり、地域住民にクーポン券を配布するといった手法がありましたが、Facebookのサービスを組み合わせることで、ユーザー同士でお得な情報をシェアしたり、その店舗を利用していることをデータとして登録できるようになったことで、より効果を高めることができます。

まとめ:Fコマースの整理、そして効果


さて、今回はFacebookをコマースの活性化に使うための方式について、整理・分類し、それぞれの具体的な方式をあげてみました。

Fコマースと言われて、モヤっとしていたものがはっきりしたのではないでしょうか。

しかし、ここで気になるのが「Fコマースはどれくらい効果があるのか」ということです。「Facebookでの物販は売れない」というのも定説になっており、実際にFacebook上の店舗を撤退させている企業もあるからです。

また、最初のFacebookストアとなった1-800Flowersは2012年のバレンタインデーに注文が殺到したせいもあって、商品の配達遅延や発送ミス、実際の商品の品質が悪いといった苦情が相次いでソーシャルメディア上に書かれるという失態もありました。

次回は、実際にFコマースはどういう効果が期待できるのか、また注意点などについて、データなどを用いながら検証していきます。

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