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「パンとサーカス」は無料ではない

先日のアエラ特集(及び先のエントリー)にはネット以外からもいろいろなレスポンスがあって、あちこちでこの話をした。やはり「財政がこのままじゃいかん」という危機感が高まっているのだろう。
既に世論の潮目は変わったのだ。
文藝春秋5月号「あと4年、財政と年金は同時に破綻する」のように、ぼちぼち具体的リミットもつぶやかれ始めている。

基本的には、増税か社会保障のカットか、あるいはその折衷という道しかない。議論はここからスタートすべきだ。

(というわけで、とにかく消費税35%にしろという気はないし、消費税にだけこだわっているわけでもない)

ところで、日ごろは自助努力の大切さを伝道しているような人なのに「社会保障給付のカットはダメだ」という人がいたのは面白い。
どうやら自分が貰うことになっている分は既得権として認められるべきで、そこから漏れちゃってる人たちは自分で何とかしろということらしい。おいおい。

逆に、貧乏人の味方面をしていながら、「増税には反対です」という人もいて興味深かった。
いや、反対なのは別にいいんだけれども、将来、緊縮財政と大増税が実施された場合、「僕達私達は弱者だから助けてください」なんてことは、同世代として恥ずかしいから言わないでね。

必要な改革を拒否したわけだから、若いもんに迷惑をかけるべきではない。
最後まで政府による介入を拒否しつつ安らかに逝ってください。

要するに、こういった人々は、普段は自己責任論や再分配重視というスタンスを掲げてはいても、実体としては「パンとサーカス」を求める大衆に過ぎないわけだ。

これからの保守というのは、社会保障給付を大きくカットし、自助努力を促すことで財政を維持する路線を主張する人たちがコアになるだろう。つまり、小さな政府という理念を共有しているグループだ。
この理念があるというのなら、増税には反対だろうが、当然、社会保障のカットも受け入れるべきだ。
ちなみに、国民新党にしろ平沼グループにしろ、片手間に保守と称している族議員か、55年体制から頭が切り替わらない老人の集団なので、若者は無視してかまわない。

一方のリベラルは、再分配機能を重視するのであれば、負担も合わせて受け入れるべきであり、最も公平で経済的影響も少なく、税収も安定していて世代間格差是正効果もある消費税を中心に考えるべきだ。
「大企業の内部留保に課税せよ」しか言わないバカ政党は論外だし、「どちらもイヤだ」というのもありえない。

僕自身は、社会保障給付に混合診療やキャップを導入することで増加分を抑え、消費税の増税幅も抑えるのがベストだと考えているので、そういう意味では“保守”に入ると言えるかもしれない。


さて、先の「パンとサーカス派」の人々だが、恐らく彼らは互いをシンパだとは認識できていないだろうが、このままいくと、やがて同じゴールでばったり顔を合わせることになるだろう。
ひょっとすると、みずほちゃんと亀井さんの相乗りする現政権は、彼らの野合の走りかもしれない。

ただし、ギリシャを見てもわかるように、「社会保障を守れ」という声も「増税反対」という叫びも、増税と緊縮財政を求める市場の圧力の前にはあまりにも無力だ。

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