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外務省の中国人に対する数次ビザ政策に異議

外務省というのは、昔から、日本の国益を害することをする方が多いと思ってきたが、日本の外交官の選定方法そのものを変えないと、外務省が日本の利益を見ず、外交官個人及びその者が所属するスクール(外務省の語学派閥)の利益のみを追求するという体質は変わらないのだろう。

このニュースについて、主要メディアはその弊害をあまり取り上げておらず、この種の話題には、どうしてかわからないが、非論理的な極論に立脚するコメントが多いので、久しぶりに、このブログを再開し、きちんとした主張を組み立てて、取り上げてみたい。


<中国人観光客>被災3県訪問に数次ビザ発給へ 7月から
毎日新聞 4月8日(日)0時44分配信

 【寧波(中国浙江省)隅俊之】玄葉光一郎外相は7日、中国の楊潔※外相との会談で、東日本大震災で大きな被害が出た岩手、宮城、福島3県を訪問する中国人観光客を対象に、有効期間内であれば何回でも日本に出入国できる数次ビザ(査証)の発給を7月をめどに始める考えを伝えた。

 中国人観光客への数次ビザは、沖縄県を訪れる観光客を対象に昨年7月に発給が始まっている。被災3県でも実施されれば、中国人観光客の増加が見込まれ、被災地の復興につながることが期待される。

※は竹かんむりに褫のつくり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120408-00000000-mai-bus_all

1.被災地域の観光目的であれば、数次は不要


数次査証を発給するということは、おそらく、1~5年程度の有効期間を設けることになるだろうが、果たして、数次の査証があるからといって、被災地域の観光につながるのであろうか。私はそのような思考をすることは極めて短絡的であると思う。

そもそも、1年の間に、複数回の観光目的での海外旅行をする中国人がどれだけいるのであろうか。そのような潜在的な人数の規模も示されないままに、何の論拠もなく、復興につながるという短絡的発想で、数次ビザを発行しようというのであるから、真の目的が復興であるのかと疑いたくなる。

3年や5年の数次ビザであれば、複数回、観光目的で入国する中国人が増えるという反論があるかもしれない。
しかしながら、現在の査証発給制度上も、短期滞在での査証発給は、一定の富裕層に対しては、かなり容易に行われているのであり、数次ビザのメリットは、せいぜい面倒な手続きを省いて、1年間に何度も日本に入国できるという程度の利益しかないだろう。

とすれば、やはり、数次ビザの最大の活用法としては、1年間の間に何回も入国が可能という点にあるわけだが、そもそも、1年間のうちに海外観光を頻繁にするという中国人のニーズがどれくらいあるのか不明であるし、そのニーズが被災地域の復興に繋がるとする帰結にどのように至るのか、その因果関係が私は疑問に思えて仕方ない。

被災地域を観光したいと思う中国人がいるとして、それは、1回限りの最大90日とされる観光ビザの範囲内で、十分満たされるのではないだろうか。

2.中国人の高い不法滞在率及び来日中国人犯罪率との矛盾

法務省の発表によれば、不法残留者数を出身国別にみると、韓国に次ぎ、中国出身者が第2位である。


国籍(出身地)別に見ると,不法残留者が多いものは次のとおりである。
1  韓国      19,271人 〈構成比 24.6%〉
2  中国      10,337人 〈 〃  13.2%〉
3  フィリピン    9,329人 〈 〃  11.9%〉
4  中国(台湾)   4,774人 〈 〃   6.1%〉
5  タイ       4,264人 〈 〃   5.4%〉

この数字を見る上で重要なのは、韓国は査証免除国、つまり、短期観光でのビザが不要な状況にあるため、不法残留目的での入国者を塞き止める第一の関門がない状態での第1位であり、24%を占めているという点である。

つまり、中国は、現在、ある程度の富裕層のみに対して、短期ビザを発給するという極めて制限的な入国政策を取っているにもかかわらず、第2位であり、1万人以上が、我が国で不法に残留しているのである。

さらに、重要なのは、次の統計からもわかるように、不法残留者の約7割が短期ビザの者であり、短期のビザが、不法残留の温床になっているという点である。


不法残留者数を不法残留となった時点での在留資格別に見ると,次のとおりである。
 1「短期滞在」    54,220人 〈構成比 69.1%〉
 2「留学」        4,322人 〈 〃    5.5%〉
 3「興行」        3,425人 〈 〃    4.4%〉
 4「研修」        1,192人 〈 〃    1.5%〉
  その他       15,329人 〈 〃   19.5%〉
    計         78,488人

つまり、査証を数次にし、中国人の入国要件を緩和すればするほど、それだけ、不法残留者を生むリスクが高くなるという点について、外務省はどのように考えているのか全く国内には説明せず、国内での議論も十分経ないまま、安易かつ極めて短絡的な発想で、中国と約束をしてしまっているのであるから、外務省は国益をおろそかにし、外務省内のチャイナスクールの利益を最優先していると思えて仕方ない。

外国人といえば、未だに、多くの人が欧米人を連想するのではないだろうか。
しかしながら、実情としては、欧米人の来日は極めて少数である。

近年、外国人の来日による観光による立国など色々な施策が議論されるが、我々は、どういう国の人がどういう目的で日本に来日するのかということをしっかり分析した上で進めていかなければならないのであって、「外国人観光」と、すべてを一緒くたにした、日本政府の稚拙な政策は、百害あって一理ない(馬鹿馬鹿しくて取り上げる気にもならなかったが、観光庁が外国人の来日費用をばらまくといった極めて馬鹿げた政策を世に発表したという事実も我々は忘れてはならないだろう。)。

日本人がバブル期に海外でお金を落とし、日本人の不法就労が他国で社会問題化することがなかったという過去は、あくまで日本人の傾向に過ぎず、中国人が同じ目的のみで、日本にお金を落とすとはいえないし、さらにいえば、中国内の貧富の格差による不法就労目的での入国者の抜け道にされるのではなかろうか。

さらに、入管法違反事件として公になった不法就労者数の国別比較を見ると、平成21年度以降のみ取り上げても、不法就労者は、中国人が抜きんでて多く、35%を占めている。つまり、不法就労者の4人に1人以上は中国人であるから相当な数といえる。

そして、平成23年上半期の来日外国人犯罪者数を見てみると、検挙数及び検挙された人数の国別比較の第一位は、ともに中国で、それぞれ、46.7%と39.6%ある(2ページ参照)。アメリカやロシアが1%程度であることからしても、その差は歴然たるものがある。

かかる中国人による法違反の傾向や状況も踏まえれば、私の懸念が一定の現実的なものであることは理解していただけるのであろう。

3.イランの反省が活かされていない(違法薬物の密売人としての根深い弊害)


日本になぜかイラン人が多いと思う人も多いのではないだろうか。

その理由は、日本とイランは1974年の査証免除協定の調印以降、1992年まで査証免除でイラン人が入国できたことにある。後に述べる来日イラン人の薬物密売状況を考えると、「査証免除なんてとんでもないことをやった当時の担当者はどこのどいつだ。」と言いたくなるのだが、日本は石油を確保するためには友好関係を維持したいなどの理由から査証免除を行ったのである。

その結果、日本にもたらされたのは何か。

それは、1992年に停止する理由となった、査証免除により大量に入国したイラン人による違法行為である。

短期ビザで入国し、不法残留したイラン人による犯罪は社会問題化した。平成15年度の警察白書は、「昭和60年代以降の我が国の景気拡大を背景に,多数の来日外国人が我が国に流入したが,その後の景気後退により来日イラン人労働者の就労機会が減少し,その一部が不良化したことなどがイラン人薬物密売組織の成立の背景にある。

いわゆるバブル経済の崩壊以降,東京都内の代々木公園や上野公園でのイラン人のい集とそのイラン人による変造テレホンカード密売等が社会問題化したが,こうした一部の不良イラン人は変造テレホンカードの密売等に加え,次第に,より利益があがる薬物密売を組織的に敢行するようになったものとみられる。」と指摘する。

そして、現在でも、イラン人による営利目的での違法薬物の譲渡の問題は根深く残っている。

警察庁発表の資料(平成22年度中の薬物・銃器情勢)は次のように指摘する。


薬物事犯に おける密 売関連 事犯(営利犯のうち、所持、譲渡及び譲受を いう。以下同じ。)の検挙 人員は 618 人(前年比-90 人、-12.7%)で、そ のうち暴力団構成員等は370 人(59.9%、来日外国人は62 人(10.0%)であり、そのうちイラン人は 35 人 (5.7%)であった。

来日外国人のうちイラン人は 34 人(6.7%)であり、暴力団構成員等とイラン人で71.4%を占めている。また、密売関連の麻薬特 例 法第5条違反の検挙人員 16 人のうち、暴力団構成員等が7人、イラン人が9人であり、暴力団組織及びイラン人が国内での薬物密売に組織的に深く関与し、薬物密売による収益が暴力団及びイラン人薬物密売組織の有力な資金源となっている状況がうかがえる。これまでのイラン人の検挙状況を見ると、首都圏及びその周辺の関東地区、愛知県を中心とした東海地区における検挙が多く、イラン人が、これらの特定の地域において、覚醒剤を中心とした薬物の組織的な密売を敢行している状況にある。

このような問題が継続する背景には、査証免除時代に日本は楽して儲かると味をしめたイラン人が、偽造旅券を使って、他人になりすまし、再び入国するケースや短期ビザで入り、不法残留となった後、日本人と結婚するなどして、入管法違反を帳消しにしてもらったイラン人が、このような違法行為に手を染めているケースが多い。

(具体例として、裁判例等を参照。 なお、上記裁判例のような訴訟事件は、裁判所の行政部にはかなり多く提起されており、ほとんどのケースが請求棄却により、国が勝訴しているのであるが、勝訴率や請求棄却事案の概要等を法務省はインターネット上では公開していないようなので、興味がある人はぜひ傍聴をお勧めしたい。)

つまり、1974年に行った失政が、査証免除協定を停止した1992年から20年もの月日が経つにもかかわらず、未だ日本社会の重大な問題として、後を引いているのである。

外務省の外交方針は、とにかく稚拙であって、国内への影響ということを全く考えていない。彼らの専らの目標は、自分たちが所属するスクール言語圏の国とのいわゆる"友好関係"を維持することであり、国益をどのように形成するかという思考が決定的に欠けている。

在外公館に勤務したことのある経産省の官僚の友人は、「外務省職員はどちらの味方かわからない。後ろから鉄砲で撃ってくる。」と嘆いていたことがあったが、これは外務省の体質を正確に表現したものだと思う。

たとえば、農水省ではれば、日本の農業のため、経産省であれば、日本の産業のためと明確な利益目標があるが、外務省には、それがない。さらに外務省がたちが悪いのは、世間知らずなお坊ちゃんたちが、ナイーブな"友好関係"の維持と考えているからである。

これは戦略家の集まりであるアメリカの国務省の職員とは月とすっぽんと言っていいほどの違いであろう。

外務省のイランの査証免除というナイーブな政策は、どれほど原油の安定供給に寄与したのだろうか。
私は、日本の地域別原油輸入割合の推移からは、この政策が寄与したとは全く思えないのである。

ただ、私は原油政策には精通していないので、私の知らない利益があったのかもしれないが、少なくとも、政情不安定で、世界から制裁措置を受けるようなイランとの"友好関係"が、日本に、違法薬物の蔓延と助長という害悪をも凌駕する利益を日本が享受できていたのかは疑問であると言わざるを得ないのではなかろうか。

イランに対して行った失政がどのような結果をもたらしたのか真に省みれば、中国人への数次ビザ等の発行が日本社会に対して、どのような害悪をもたらし、新たな社会問題を引き起こすかは一見して明らかだと思うが、外務省の官僚は、それを承知の上で、チャイナスクールの利益を優先させているように思えて仕方ないのである。

外務省の将来的には国益を著しく損ないかねないこのような動きに、明確な異議を唱える政治家やメディアが存在しないことは日本にとって極めて不幸なことである。

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