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生活保護について(世耕弘成自民党生活保護に関するPT座長)

 世耕弘成党生活保護に関するPT座長に聞く

 生活保護費は民主党政権になってから増加の一途で、平成24年度予算案では3兆7000億円と税収の1割近くを占めるまでになった。
 また、国民年金よりも優遇されていることなどから、国民の間には不公平感も募っている。生活保護についてのわが党の考え方を、党生活保護に関するプロジェクトチーム(PT)の世耕弘成座長に聞いた。

 生活保護
 民主党政権になり7000億円増加

――生活保護の現状について、どう見ますか。

世耕弘成党生活保護に関するプロジェクトチーム座長) 政権交代以後、完全に箍(たが)が外れ、生活保護の予算は自民党政権時代と比べて、少なくても7000億円、自治体による住宅手当の支給などの「第2のセーフティーネット」を含めると1兆円近くも増加しています。
 「バラマキ4K」が「表」のばらまきだとすると、生活保護は厚生労働省の裁量に委ねられる部分が大きく、「裏」のばらまきと言えるでしょう。
 最大の原因は平成20年末の「年越し派遣村」を契機に、生活保護の認定を緩和するムードが生まれ、民主党政権下で厚生労働省が申請を迅速に受理するよう求める趣旨の通達を行ったことにあります。
 それまでは、申請があっても、就労による経済的自立の可能性を審査するなど、現場は最後の「防波堤」としての役割を果たしていましたが、それが崩れたのです。
 中でも、高齢者や障害者世帯ではない稼働世帯が、保護を受けている世帯の17%を占めています。働くべきである人の多くに生活保護が認定されているのが実態ではないでしょうか。

――対するわが党の考え方は。

世耕) 額に汗して働く人が納得できるよう、国民の声に応えなければなりません。 具体的には3点あります。

 第1は、給付水準の引き下げです。デフレ下で給与が減り、年金も物価スライド特例分が解消されると下げられる中、生活保護は給付水準が見直されず、相対的に高い水準にありますから、バランスを考えなければなりません。

 第2は、生活保護予算の約半分が使われている医療扶助の抑制です。
 1人で何度も診察を受け、必要以上に処方された薬を売り捌(さば)く、という悪質なケースもあります。行政による病院の指定や少額の自己負担の導入などによって無規律な受診に歯止めをかけなければなりません。

 第3は、現金給付から現物給付への転換です。
 例えば、食事については、現在は食費を支給していますが、これを役場での炊き出しやお弁当、クーポンの配布などの直接給付に改めるべきです。住居も、家賃の支給ではなく、公営住宅やアパートの空き室を積極活用する。これによって、パチンコなどの遊興費への流用や貧困ビジネスの横行を防止することもできます。

――就労支援の強化も必要ですね。

世耕)保護対象者はアルバイトをして給与を受け取っても、それに伴って生活保護も減額されるので、手取りが増えることはありません。よって、無理に働いたりせずに生活保護を得ようという気持ちになってしまいます。だからといって、給与を受け取りながら、生活保護も満額支給されることになると、一般の人との間で不公平が生じます。
 この問題を解消するために考えているのが、「凍結貯蓄」です。これは、生活保護を受けている間に勤労の対価として得た報酬は公的機関が貯金し、生活保護が終了したら、それを払い戻すという考え方です。そうすることで、アパートの敷金やスーツの購入など、その後の自立就労のために活用してもらうことが目的です。


 働く意欲の支援強化を

――生活保護にはセーフティーネットとしての機能もあります。

世耕)行政に相談できずに餓死することがあってはなりませんし、働く意欲はあるのに仕事が見つからない人もいます。野放図に増え続けている生活保護費をできる限り抑制しながら、支援機能を充実させ、本当に困っている人に行き届くようにしなければなりません。
 問題なのは、最後の安全網であるはずの生活保護に簡単に頼ろうとする人が後を絶たないことです。よって、その前に何段階も求職支援策を用意し、稼働世帯に労働を促す仕組みを作ることが重要ではないでしょうか。
 その観点から、生活保護を高齢者や障害者を対象にした制度と、稼働世帯を対象にした制度の二つに分ける案を考えています。
 後者については、求職活動中であることを前提にした上で、ハローワークからの紹介を断るごとに手取りが10%ずつ減るような制度設計も検討する考えです。


 現金給付から現物給付への転換

――今後の取り組みは。

世耕)先日、生活保護率の高い大阪の西成区を視察しましたが、多くの人が就業意欲の喪失によって、日雇い労働よりも生活保護を選択している現状がありました。仕事がなくても、生活保護に頼らずに頑張っている人の方が低収入であるケースなどは改めなければなりません。
 自助・自立の精神を基本に、プロジェクトチームとしての方向性を取りまとめ、わが党の政権公約にも反映させます。
 これは国民受けするテーマではなく、これまでは避けられてきました。だからこそ、責任野党として民主党政権と対峙(たいじ)し、制度を立て直さなければならないのです。

『自由民主』より

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