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Wantedlyが目指す新しい求人サイトの形--友だちの友だちが企業と人をつなぐ

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ウォンテッド代表の仲暁子さん(撮影:野原誠治)
ウォンテッド代表の仲暁子さん(撮影:野原誠治)写真一覧
漫画家になるのが夢だったが、学生起業を経験して、ゴールドマン・サックス証券に入社。1年半で退職し、今度はFacebook日本法人に加わる。だが自分でモノづくりをしたいと再び起業し、ウェブサービス「Wantedly」を立ち上げた。

こんな不思議な経歴を持つ仲暁子さん。Wantedlyを運営するウォンテッド株式会社の代表だ。

Wantedlyは、企業が自社スタッフの“つながり”をベースに新たな人材と出会うためのサービス。“つながり”とは主にFacebook内の友人関係を指す。企業はまず自社スタッフのプロフィールをWantedlyに登録し、さらにFacebookとも連携してもらう。そして「こんな人に会社に遊びに来て貰いたい」という募集内容を公開する。

たとえば現在掲載されている株式会社はてなを例にみてみよう。同社はWantedlyに「はてなの凄腕エンジニアに開発裏話を聞きたい人 ウォンテッド・ランチ付き!」というページを開設している。詳細を見ると、プロジェクトの概要やいまどんな人が働いているかが掲載されている。ユニークなのはこの案件に応募できるのは「はてなスタッフの友だちの友だち」までに限られている点だ。

Facebookの友人関係を取得し、はてなスタッフの友だちがいない人、あるいははてなスタッフとの間に共通の友だちがいない人には、応募ボタンが表示されないようになっている。これによりリーチできる人数は限られてしまうが、はてなという会社のことを理解している人が集まってくる可能性が高くなるし、既存スタッフから見ればすでに近しい人が応募してくることになる。

「Facebookと接続することで、企業にとってはその応募者の信頼度を確認しやすくなる。応募者側からの利点としては履歴書を書かなくても、Facebook経由で自分の情報を引っ張ってこられるのですごく楽なんです。たとえばリクナビなどの就職サイトだと応募するにあたっての熱意とか、特技とか、資格とか全部書く必要がありますけど、WantedlyはFacebookアカウントでログインして、応募ボタンを押すだけなんです。アイコン写真が適当でも既存スタッフの誰かとは友だち(あるいは友だちの友だち)ですからあまり問題ありません」

現在、クックパッドによる「クックパッドのエンジニアとウェブ技術について話したい人ウォンテッド」やピクシブによる「教えます!エンジニアになりたい学生ウォンテッド」という案件がWantedlyに掲載されているが、これらも同様に既存スタッフの友だちの友だち圏外の人は応募できない仕組みだ。

企業側はダッシュボードの「つながりを見る」という機能を使うことによって、応募者と既存スタッフの間にどんな人物が共通の知り合いとして存在するかがわかるようになっている。その「つながり」そのものが応募者の信頼担保として十分に機能するというのが仲さんの考えだ。

企業側が確認できる「つながり」画面。左がスタッフ、右が応募者。真ん中がその間に
いる友達の一覧。このつながりが濃い人の方が信頼を得やすい
企業側が確認できる「つながり」画面。左がスタッフ、右が応募者。真ん中がその間にいる友達の一覧。このつながりが濃い人の方が信頼を得やすい

企業側が確認できる「つながり」画面。左がスタッフ、右が応募者。真ん中がその間にいる友達の一覧。このつながりが濃い人の方が信頼を得やすい。だが、応募者をスタッフの友だちの友だちまでに制限することで母集団が少なくなってしまうのではないか。

「40人くらい登録している会社で1万人くらいにリーチできているので問題ないと思っています。しかもこの1万人というのはおそらくリクナビなどには登録していないような優秀な人材なんですよね。同じ大学の友だちとか同じ業界で働いている友だちとか。Facebookの人間関係を元にそういう1万人にリーチできるのが強みなんです」

求人サイトに会社の紹介記事を書いてもらうのは古い

はてなやクックパッドのスタッフの周囲にいる1万人――。たしかに、求人サイトでオープンに募集するよりも優秀な人材にリーチできそうだ。

「結局、リクナビみたいなサイトにお金を払う企業は、人事が何もしていないと思うんです。高いお金を払えばリクナビの人が取材に来てくれて、社内のトピックを掘り出して『この会社はこんな夢があるんです』という感じに記事を書いてくれます。要はマーケティングをお金で買っているんです」

求人サイトには、会社がどんなことを目指して、どんな人材を募集しているのか、ドキュメンタリー調の広告記事で溢れている。それらを読むと会社について理解が深まる気はする。だが、もっとスマートな方法があるのではないか、と仲さんは提案する。

「マーケティングにお金をかけて、リクナビのライターに取材に来てもらって、自分たちの会社の紹介記事とかを書いてもらうのは、古い。そんなことをしなくても会社の中にどんな人がいるかをわかるようにしたいと思っています。全然お金をかけずに同じことを実現できるよねって。Wantedlyはそれを支援するサービスです」

ところで、仲さん自身、自分の理想の働き方を長く模索していた。

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