記事

ファストフードの無銭利用キッズたちが示す「米国的雇用環境」

ある日、とあるファストフードに行ったときのこと。

私の隣に小学生の女の子が座った。ひとりっきりでだ。で、鞄から勉強道具を取り出すと、なにか作業を始めた。

人はみななんらかの事情を抱えている。彼女はなにも注文していなかったので、もし店員になにか言ってきたら、「オレの連れだ」くらい言ってやってパイでも提供しようかと考えていた。

しかしそのような事態には到らず、私が食事かたがた原稿をやっつけている1時間の間に荷物をかたして帰って行った。


別の日の同じ店でのこと。

私の前に今度は小学生男子が6人ほどどたどたやってきて、電源のある席を占拠した。勝手にゲーム機などつないでゲームをしている。あるいはカードゲーム用のカードを見せびらかしてあれこれとか。席を立ち上がって端まで大声で話に行ったりとせわしない。携帯取り出して通話したりとか。ついには持ち込んだ菓子を食べ始めてる。

もちろん誰もなにも注文していない。途中で水だけもらってきた子がいたけど。

騒がしいので周囲の客はみな迷惑そうだ。混んでいるので座れない人もいて、ドリンクを立ち飲みしたりしている。


少なくともゲーム機振り回したり携帯を持つくらいご両親からお金をもらってるのであれば、せめて100円のコーヒーか100円バーガーくらい注文すればいいのに。この子達の道徳的な感性はどうなっているのだろうか。

同じタダ利用でも前回と異なりそのような感想を持った。まあ店から見たらどちらも無銭利用なわけで違いないのかもしれないけれど。

いずれにしろそのように感じたので、私は自分が注意すべきか、あるいは店員が早く注意してくれるのを待つか、少し迷った。

どちらにしようか。

そのとき店員が来た。しかしバイト店員はそうした子供たちの脇を通っても注意もしない。忙しそうにゴミ箱の袋を取り替えて戻っていくだけだ。


――そうか、ファストフードって、それでいいんだ。そうしてタダで長居してもらってもよくて、なんかのついでにアイス1個でも買ってもらえれば。たとえ他の客が立ったまま待っているとしても。

バイトの子だって、なんか注意して子供に逆ギレされたりしたら、割に合わないと考えているのかもしれない。それはわからなくもない。自分の給料範囲でしかモラルを保たない人が多いのは、高校生のバイトに限られる話ではなく、普通にあっても不思議ない事象だ。

私は米国での階層労働の話を思い出した。米国がマニュアル社会なのは、そうした労働層に対し期待してないからで、与えられた仕事だけを低コストでやってくれればいいと考えているからだと(そもそも英会話が難しい移民も多いし)。

これに対し日本ではトヨタのカイゼン運動を振り返るまでもなく、現場労働者をマネジメント改革の「最前線頭脳」として活用する例が多い。そのほうが働き手も楽しいという面があるからだ。

このファストフードは米国由来であり、日本法人のマネジャーも前身は米企業のやり手でならした人物だ。だから米国流の割り切りを前面に打ち出しているということなのだろう。


ファストフードがそのような営業をしているのであれば、どちらかというと私のほうが間違っているわけで、その子たちは当然あってしかるべき利用をしているのだろう。

なので出てきた。

私の居場所ではないのだろう。

とはいえなんとなくだが嫌だなあその社会。もうあの店には行かないことにする。

トピックス

ランキング

  1. 1

    「万引き家族」ストーリーに疑問

    (チェコ好き)

  2. 2

    W杯も「安倍が悪い」無能な野党

    かさこ

  3. 3

    「水ダウ」企画にみる笑いの限界

    AbemaTIMES

  4. 4

    日本の孤立化認めた櫻井よしこ氏

    天木直人

  5. 5

    竹中平蔵氏の残業論に批判相次ぐ

    キャリコネニュース

  6. 6

    石破氏 加計氏の会見に「残念」

    石破茂

  7. 7

    米国が北に仕掛けた無慈悲な取引

    MAG2 NEWS

  8. 8

    「大迫半端ないって」の胡散臭さ

    新井克弥

  9. 9

    日大攻撃続けるバイキングに批判

    SmartFLASH

  10. 10

    二宮和也 撮影中に身内を亡くす

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。