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Facebookビジネスは終わったのか?:つながり方の見直しへ

Facebookページがタイムライン化されたことで、企業がFacebookを利用する際は、よりユーザーとのコミュニケーションが重要になりました。
タイムライン化されるまでは、ランディングページを設定することで企業が見せたいものをファーストビューにすることが可能でしたが、今後は企業の活動やユーザーコミュニケーションの場となるタイムラインがファーストビューになります。

アプリなどを使用してランディングページを作成しているのであれば、そのURLに意図的にユーザーを誘導することもできますが、Like Boxなどを利用している場合、リンク先はタイムラインになってしまうため、根本的な解決とは言えないでしょう。Facebookをサービスや商品などの単なる告知媒体として運用してきたのであれば、今回の変更に伴い、今一度、運用方法を考え直す必要があります。

Facebookページタイムライン完全ガイド

Facebookに限らず、ユーザーと直接交流できるソーシャルメディアは、単なる技術サービスを超えて、人々がつながり情報を交換する新しいコミュニケーション方法になりつつあります。

すでにソーシャルメディアを数年間取り組んでいる企業の多くが、ソーシャルメディアをマーケティングや広報のためのツールとしてだけでなく、ユーザーと交流しその中から学びを得るための場所として認識しています。しかも、Facebookは企業の規模や業界を制限しません。小さな会社やニッチな業界でも、同じ土俵にたってユーザーと交流できます。

ではどうすれば、本物の交流が生まれるのでしょうか。

この問に対して、Facebookは一つの方法論の紹介として「Building Brands For The Connected World」というガイドを提供しています。

これはリサーチ会社であるForresterと協力して、データに基づいて作成されたもので、Facebookをはじめとして、オンライン上でユーザーとコミュニケーションするにあたっての基本的な考え方が整理されています。

今回は、改めてFacebookページのタイムライン化にともなう影響について整理し、そのなかで企業やブランドがユーザーとよい関係を築くためのヒントをレポートの中からピックアップします。

Facebookページの変更は何を意味するのか


Facebookページのタイムライン化によって、Facebookは一般のユーザーと企業やブランドがより自然な形でコミュニケーションできるようになったように思います。その3つのポイントを整理してみましょう。

1:ウォールでのコミュニケーションが重要に

今回の変更で、「いいね!」をしていないユーザーを任意のページに誘導する機能がなくなり、いわゆるウェルカムページの設定ができなくなりました。

ユーザーに「いいね!」をしてもらうためには、タイムラインを魅力的することが重要です。タイムラインを魅力的にするには、以下の点に特に注意しましょう。

・すてきなカバー写真

ページ名を見なくても「ここのページに来たんだな」とわかるような、企業やブランドを体現するようなカバー画像を用意しましょう。なお、カバー画像を「いいね!」の誘導やキャンペーンのお知らせなどに使ってはいけません。

・エンゲージしやすいコンテンツを

ユーザーとのエンゲージの方法は、Facebookページのターゲットや目的によって異なりますが、有益な情報、楽しい気持ちにさせるコンテンツ、参加したくなるコンテンツなど、いくつかパターンを用意するのがおすすめです。

ユーザーにクリック、「いいね!」「シェア」「コメント」など、様々なアクションを実行してもらうことで、Facebook内のエッジランクが高まりニュースフィードに表示されやすくなります。なお、Twitterなどの外部のアプリを連携させている自動投稿は、手動投稿に比べて表示の機会が低くなります。自動投稿にするのではなく、Facebookに集まってきたユーザーに向けて、最も適したコンテンツや言葉、画像を投稿するようにしましょう。

・タイムラインのハイライト、トップに固定で最適化

これまでFacebookページは、時系列に情報が流れるだけでしたが、ページの管理人が表示をハイライトにしたり、任意の投稿をトップに持ってくることができるようになりました。

こうしたタイムラインの最適化は、すでに「いいね!」をクリックしたユーザーよりも、初めて訪れたユーザーにどんなコンテンツを配信しているのか、「いいね!」をするとどんなメリットがあるのか(キャンペーンなど)を伝えるための努力です。

タイムライン設定については「Facebookページタイムライン完全ガイド」をご覧ください。

公開されたウォール投稿のヒント
また、Facebookは投稿のリーチを増やすために以下の3つのポイントを紹介しています。
投稿は1日1回がよい
投稿が多すぎると、それぞれの投稿の配信時間が短くなるので、リーチしにくくなる。

一番いいたいことは最初の90文字以内に
投稿内容を広告にしたときの対策。また長いメッセージはたたまれるため。

最適な時間に投稿
インサイトのデータで一番リーチしやすい時間を調べて投稿する。
2:キャンペーンやクーポンが禁じられているわけではない

Facebookページがタイムライン化したからといって、プレゼントキャンペーンやアプリを使った施策、クーポンの配布が廃止になったわけではありません。

これまでどおり、これらの施策は可能ですし、むしろFacebookとしては、ユーザーが「いいね!」をする動機付けとして推奨しているほどです。

ただ、ウェルカムページの廃止によってこうしたキャンペーンの告知を無料ではしにくくなりました。対策として、ウォールの投稿や告知の投稿をトップに固定するといった施策がありますが、効果は限られます。

そこで「Facebook広告」の利用があげられます。Facebookは、これまでの広告に加え、新しい広告として以下を展開することを発表しています。

プレミアム

Facebookページの投稿を広告にするプレミアムという広告が始まります
広告が表示できる箇所は以下の通りです。

(1)ニュースフィード(ログイン後に表示されるホームページ)の右側
(2)自分のニュースフィードの中
(3)モバイルのニュースフィードの中
(4)ログアウト画面

これまでの「スポンサー記事」よりもインパクトのある位置に表示されます。特にニュースフィードに表示されると、ユーザーは広告と気づかないで見ることもあるでしょう。

リーチジェネレーター

「いいね!」をしているユーザーの75%にリーチすることを保証するサービスで、月次レポートも提供されます。スポンサー記事としてニュースフィードの右側、PC、モバイルのニュースフィードに表示されます。一部のクライアントのみに提供されます。

クーポンをオファーにできるように

タイムライン化したFacebookページでは、これまで設定できていたチェックインクーポン(その場所にチェックインすると取得できるクーポン)が利用できなくなりました。

その代わり、今後Facebookページからの投稿のかたちで「クーポン」などの割引サービスを提供できる「オファー」というサービスが利用できるようになります。これは数週間で順番に展開していく予定とのことです。また、オファーの発行に費用はかかりません。

すでにヘルプは用意されていて(表示言語は英語のみ)、投稿からオファーを提供する方法として、タイトル、期間、オファー内容、画像の設定などが紹介されています。



ユーザーはニュースフィードなどで、このオファーの情報を見たら、オファーの内容や利用方法を確認し、投稿に表示される「Get Offer」をクリックします。クリックすると、ユーザーのメールアドレスに情報が通知され、リアル店舗であればそのメールを見せることで、オファーを利用できるようになります。オファーを発行した管理人には、オファーを取得した人数が確認できるようになっています。



チェックインクーポンの場合は、リアル店舗がないと使えませんでしたが、オファーであればオンラインショップなども割引サービスを提供する(メールで割引コードを通知するなど)ことができます。

これまでのように、特別なページを用意して「いいね!」をクリックするとクーポンを表示させるという方法ももちろん可能なのですが、投稿で発行できるほうが簡単でしょう。定期的に発行することで、ユーザーに「いいね!」をクリックしてもらう動機を与えることになります。

つながった世界、つながったブランドとは


さて、こうした数々の変更を理解してもらい、よりよい運用をしてもらうために、Facebookは先述の「Building Brands For The Connected World」というガイドを公開しています。

このガイドには、「つながった世界」において、ブランドが「つながったブランド」になるためのステップが紹介されています。

「つながった世界」とは、人とモノ、情報とのつながりを中心とした世界です。もちろん、ソーシャルメディア以前からつながった世界であったのですが、Facebookなどのソーシャルメディアによって、オンライン上のつながりもみえるようになりました。

さらに生活者は、以前とは異なる方法で購入の意思決定をしています。かつて、マーケティングの基本であった考え方(ファネルに見立てたやり方。商品やサービスの認知、意識から購入に向かっていく方法で、認知を大きくすれば購入層も増えるという考え方)は、現在の生活者の意識とは異なっているとしています。

現在の生活者の行動

・知る:ソーシャルメディアを通してブランドを知る
・調べる:検討中のときソーシャルメディアを使ってブランドのことを調べる
・購入する:ソーシャルメディア上のユーザー意見や使用した感想などを参考にして購入する
・交流する:ソーシャルメディアを使ってブランドと交流することを期待する



つながったブランドになるための6つのステップ


ブランドは、生活者が期待したとき、期待した場所、方法でブランドと交流できるように「つながったブランド」となる必要があります。

ガイドにある6つのステップを簡単に紹介しながら、参考になる国内事例を合わせて紹介します。

ステップ1:ブランドの個性をはっきりさせる

ソーシャルメディアを使って表現したり、伝えたり、届けたいブランドの要素(文化、従業員、製品、顧客体験)を考え、ブランドらしさとは何かを考え、それをソーシャルメディアでどう出していくかを考えます。

事例:ITOYA

文房具の老舗として、さまざまな文房具や店舗の情報を紹介しています。セレクトされる商品の魅力を伝える文章がうまくて、写真もきれいです。



ステップ2:ソーシャルメディア上の存在感を出してつながる

ソーシャルメディアでつながる世界の中で存在感を出し、人々に自社のソーシャルメディアに「いいね!」したりフォローしたくなるようにします。

ロイヤリティの高い顧客、典型的な顧客がだれかを理解し、どの場所が一番つながりやすいのかを考え、そこで彼らがコミュニケーションするきっかけも用意しておきます。

事例:

アプリを使ったプレゼントキャンペーンやオンラインショップなどでFacebook限定の商品を提供し、交流するきっかけにしている事例があります。


上述した「オファー」は、今後Facebookページに「いいね!」をする動機付けになるでしょう。

ステップ3:深いレベルでエンゲージする

ブランドらしく参加しやすいコミュニケーション方法とコンテンツを使って、ユーザーと交流します。一方的な配信ではなく、ブランドの裏にいる人間性をだし、ユーザーと対話を通して交流を深めます。

ソーシャルメディアを通して、ユーザーはブランド活動に参加し、ブランドのメッセージそのものになることもできます。

事例ポカリスエット

冬のキャッチコピーをFacebookで募集し、コンテストを行いました。優秀者はFacebookページ内やウォールなどで紹介されています。

現在のプロフィール写真も、テーマを設定しユーザーから投稿を募り、その中から選んでいます。



ステップ4:影響を与える

ブランドについてのストーリーやメッセージをシェアして人々をインスパイアし、さらにユーザーにシェアしてもらうようにします。

事例ソーシャルリクルーティングの世界

「ソーシャルリクルーティングの世界」では、運用を担当するりくるちゃんがバレンタインデーに本物のチョコを希望者にプレゼントしました。受け取ったファンの多くがFacebookだけでなくブログやTwitterで写真をシェアしました。


ステップ5:統合する

オンライン/オフライン問わず、ブランドや製品の経験をソーシャルメディア上にシェアしたり関連付けたりできるようにすることで、まとまって役立つものにします。

また外部サイトをFacebookと連携させることで、友達のおすすめ商品が見られたり、友達が予約したチケットを確認できたりするようなこともできます。

事例Honda新卒採用

Hondaの新卒採用ページでは、オフラインの会社の説明会イベントに参加した人の感想をFacebookに投稿できるようにしています。


ステップ6:新しくする

双方向のコミュニケーションを通して、様々なユーザーのフィードバックを得られます。ソーシャルメディアから得られたデータやユーザーからの反応を材料に、ブランドの健康状態をリアルタイムで知ることができ、ブランドの改善を続けます。

まとめ:Facebookで好きをもっと好きにする


Facebookページのタイムライン化は、見た目の変更も大きいのですが、運用面においてユーザーとの交流を深め関係を構築していくことが、さらに重要になったことがポイントです。

適切で価値のある情報を発信し、ユーザーとコミュニケーションをすることで、ファンを育て、またそのフィードバックを得ることで、ビジネスの改善につなげることができます。

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