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「1日8時間はキツイ」 東京五輪ボランティア募集への批判を考える――尾木ママ語る 尾木のママで - 尾木 直樹

イラスト 中村紋子

 先月末から始まった東京五輪・パラリンピックのボランティア募集のウェブサイトに批判の声が高まっているわね。

 ボクも見てみたけど、煩雑で見づらく、なかなか次のステップに進めない。はじめにご丁寧にも“所要30分”と案内が出ていただけある(笑)。最後までたどり着けた人はスゴイ! 相当忍耐強いわ。

 また、ボランティアの活動内容や条件もハードルが高い。活動時間は「一日八時間程度」。これはキツイ。今年、災害級の酷暑と言われた真夏の長時間活動は危険! よっぽど体力に自信がなきゃ応募できない。多様な人々からの応募を期待しているけど、シニア層はお呼びじゃないのかしら?

 期間も十日以上が基本。いくら「働き方改革」が叫ばれ、大企業を中心に「ボランティア休暇」が推奨されはじめている昨今とはいえ、普通の会社員がそれだけの日数休暇をとるのは、至難の業。大会前に最低三回は研修を受ける必要があることを考えるとなおさらよ。

 交通費の支給が一日千円まで、というのもおそまつ。地方から来る人はじめ持ち出しは必至ね。また、期間中は海外などからの客で首都圏のホテルはパンク状態が予想されてるのに、ボランティアの宿泊は自己負担・手配とか。ここまでくると大会ボランティアの「募集人数八万人」は全く現実味がないわ。

 そもそも、ボランティアは無償とは限らない。一九六四年の東京五輪では通訳などは有償だったし、海外ではスキルに応じた有償のボランティアも多い。“有意義なのだから「奉仕」して当然”という上から目線は言語道断。ボランティアの精神の根幹にある「自発性」こそ尊重すべき。

 十二月上旬締め切り。千載一遇のこの機会。地域の活動を市民が担い支えてきた「ボランティア先進国」欧米にも学び、日本にも「ボランティア文化」を育みたいわね。

(尾木 直樹/週刊文春 2018年10月18日号)

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