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米国中間選挙まであと1か月、過熱するトランプ叩きがもたらす結果は?=今市太郎

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米国の中間選挙まで、残り1か月に迫ってきたこの時期。メディアのトランプ叩きが過熱するなか、株価の動きはどこに注目すればいいのでしょうか。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年10月10日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

中間選挙まで残り1か月、メディアのトランプ叩きピークが到来

本人だけでなく、指名した人間の過去まで掘り返す徹底ぶり

米国の中間選挙までいよいよ1か月を切りました。就任当初から品行方正とはもっとも遠い存在であるトランプ大統領と、それを執拗に叩くメディアの過熱報道はいよいよピークに差し掛かろうとしています。トランプ宛に送られた不審な郵便物に猛毒のリシンが入っていた話からはじまり、ニューヨークタイムスが追い落としキャンペーンとして始めたトランプの脱税疑惑報道も当然、トランプの信頼性を失墜させる材料として機能しはじめている状況です。

さらに、トランプが指名した最高裁判事候補の性的暴行疑惑では、女性の有権者の支持を大きく落とす結果となりました。トランプ本人の問題のみならず、政権のために指名した人間が起こした過去の問題まで、トランプ政権の命運に影響を与え始めている点が気になるところです。

ここからさらに、メディアによるトランプ叩きの新たなネタが登場してくることも十分に想定されるわけで、残りの一か月もトランプ総叩きキャンペーンが猛威をふるうことなるであろうことは容易に想像できる状況になってきています。

国内の安倍政権の状況と大きく異なるのは、国内メディアが政権の閣僚や安倍氏自身に問題があっても徹底的に反権力報道を行わないのに対し、全米のメディアはアンチトランプ一色でトランプの女性問題がでてきても政権の暴露本が出版しても連日克明に報道して徹底的なトランプ叩きを行っている点です。

国内ならばもう支持率はすべて無くなっているのではないかとさえ思われるこの勢いは、逆にメディア報道に辟易とする市民を生み出してしまっており、逆に大した影響を与えないのではないかという穿った見方さえ登場しているようです。

事前の調査ではわからない、隠れトランプ支持派の存在

全米ではいくつかの報道機関が事前の支持率調査を行っており、どうやら下院は民主党の手に渡るのではないかといった見方が強まっています。しかし、その一方で大統領選挙実施時にも問題になった、隠れトランプ支持派の読み切れない票が市場に渦巻いている点には、かなり注意が必要になってきているようです。

たとえばウォール街はもともと民主党支持ということで、大手の金融機関も民主党支持で資金の寄付などを行ってきています。しかし、トランプ就任からここまで米国でもっとも利益を享受できたのは実はウォール街ではないかという指摘もあり、表立っては口にしなくてもトランプ支持という市場関係者は意外に多いという見方がかなり強い状況です。

こうした隠れトランプ派は随所に存在するともされており、最後の蓋を開いてみないとどうも本当の結果は判断できない可能性が高まっていると言えます。ビッグデータがここまで普及しているのに、人のインタンジブルな判断部分が把握できないとはなんとも皮肉な話ですが、今回の中間選挙でもやはりそうした部分が大きく残されているようです。

残された時間のトランプの反撃に注意

ここへきてトランプ自身は民主党に対する直接的な攻撃に終始し始めており、民主党が勝てば国境から犯罪が入ってくるとか株価が暴落するといった若干荒唐無稽な発言が多くなっているようです。貿易赤字解消の具体的な戦利品を選挙前に差し出すといって成果強調戦略から逸脱しはじめていることが窺えます。

ただ、為替の視点で考えますと、もっとも金をかけずに即効性があるのはトランプ自身の口からドル高に対するけん制をいきなりはじめること。これならば特定国叩きのみならず、中国、欧州、日本をターゲットにしてドル安を示現させられる可能性が出てくることになります。

とはいうものの、足元では原油価格が上昇しはじめており、ここでドル安を実現すればさらに価格上昇に拍車をかけるだけに、逆に為替の発言は控えるという可能性も考えられます。

選挙結果が市場に与える影響

結果がはっきりしないのに市場に与える影響を気にしてもあまり意味はありませんが、米国には共和党銘柄というものが厳然として存在しているようです。製薬会社、管理医療会社、バイオ技術、銀行、クレジットカード、保険、資産運用、学生ローン、自動車、航空、輸送、通信、防衛、インターネットといったセクターは明確な共和党銘柄で、勝利すればプラスに働くことは間違いないでしょう。

逆に自動車部品、病院、金融取引所、住宅建設、鉄道、建設は民主党銘柄となっており、どちらが勝っても負けてもそれなりの影響は出てきそうです。

正直なところ、暴落が起きるとは考えにくいわけですが、この時期に政治的画策で中国が米国債を大量に売却に転じたりした場合には、いきなり米債金利が暴騰しはじめて株価が大きく下落するといった想定外の事態が起こるリスクも考えられます。むしろ今見えていない材料がいきなり顕在化することに注意すべきなのかも知れません。

2016年の大統領選挙でもトランプ勝利なら相場暴落といったもっともらしい話が跋扈しました。しかし、結局そうはならなかったことを考えると、この中間選挙もあまり結果とその後の相場の動きを決めつけてかからない柔軟な視点の維持が重要になりそうです。

引き続き生き残り法については検討を重ねていきたいと思う次第です。

image by:JStone / Shutterstock.com

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