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「社会党」への道を歩む立憲民主党と国民民主党 - 榊原智(産経新聞 論説副委員長)

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航空自衛隊の戦闘機に長距離巡航ミサイルを配備する問題もある。安倍政権が昨年暮れに打ち出したもので、離島防衛に欠かせない。現有のミサイルに比べ射程が最長で5倍以上になる。敵の射程外から効果的に反撃できるようになる。

これは、自衛隊員の安全を高める装備でもある。航空機や艦船が少ない自衛隊には、敵に接近するリスクをなるべく減らして防衛に当たる長距離巡航ミサイルのような装備が必要だ。政府は専守防衛のために使うとしている。

国民や自衛隊員の安全を考えれば、与野党問わず長距離巡航ミサイル導入に賛成するのが道理かと思いきや、枝野氏は「専守防衛に徹し、領土領海を守る観点から過剰ではないかと強い疑問を持たざるを得ない」と語った。

信じがたい発想だ。現実的な安全保障政策とはとても思えないし、自衛隊員の安全など気にかけていないこともうかがえる。日本を害そうとする周辺国にとってきわめて都合がよい主張ではないだろうか。

「自衛隊は合憲」「日米同盟強化」といってはいるが、実際は極めて効果的に足を引っ張ることを主張している。立憲民主党は、防衛を妨げるという点において、昭和期の社会党と変わらない。政権担当能力とは真逆の能力を示してどうするつもりだろう。万年野党を望んでいるのではなかろうか。

立憲民主党が、旧民進党左派だとすれば、希望の党と旧民進党の参院勢力が一緒になった国民民主党はどうか。相対的には中道・右派に位置しているかと思いきや、左旋回をしている。

沖縄県知事選で国民民主党は、辺野古移設に反対して当選した玉城デニー知事を支援した。共産党や社民党、労組でつくる「オール沖縄」や立憲民主党が支援する玉城氏に加勢したのである。これだけで、安全保障を託せないことがわかるが、それだけではない。

国民民主党の玉木雄一郎代表は9月25日、安保関連法の廃止を求める市民グループ「市民連合」の山口二郎法政大教授と会談し、安保関連法による集団的自衛権行使容認の反対で、野党が結束すべきだという認識で一致している。

玉木氏は、安保関連法全体ではなく憲法違反の部分を改正するのが望ましいという考えだが、そうであっても、少しも現実的ではない。集団的自衛権の限定行使容認を否定する時点で、日米同盟の弱体化に走ることを宣言したようなものである。しかも、国民民主党議員は、市民団体の集会で立憲民主党や共産党などの議員とともに安保関連法廃止を平然と唱えている。

立憲民主党と国民民主党は、民進党分裂を経て、その度合いはどうあれ、さらに左旋回してしまった。民主党、民進党とも政権担当能力のなさには定評があったが、それにますます磨きをかけようというのだから恐れ入る。

来年夏の参院選での野党共闘という問題がある。共産党の協力をとりつけながら参院選で与党と対決するために、集団的自衛権をめぐっても、辺野古移設をめぐっても、国民の安全を損う方向の政策を接着剤にしようとしている。

現実的な安全保障政策を掲げる政党が野党第1党にならなければ、国会で建設的な論議を期待するのは難しく、国民の選択肢も広がらない。残念な話である。

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榊原 智(産経新聞 論説副委員長)

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