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第42回「働き方改革 野党合同ヒアリング」を開催~裁量労働制を改めて検証

司会進行を務めた山井和則国対委員長代行 

三菱電機における裁量労働制廃止についての報道(※)を受け、28日午後、院内で裁量労働制について野党合同でのヒアリングが行われた。今回のヒアリングでは、9月27日付で野党が提出した裁量労働制に関する質問事項について、厚生労働省より回答を聞くと同時に、民間の有識者からもこの問題についての意見を伺った(上西充子法政大学教授、菅俊治日本労働弁護団常任幹事の2名)。

国民民主党からは、原口一博国対委員長、山井和則国対委員長代行、および矢田わか子参院議員の3名が出席した。

冒頭、司会進行を務めた山井和則国対委員長代行より発言があり、「今回の三菱電機での裁量労働制に関する過労死事案は、予算委員会で安倍総理が、裁量労働制について発言していた内容と著しく異なるものとなっている。

全くの虚偽答弁だったのではないかと言っても良いくらいだ。なぜこういう働き方で過労自殺が起こるのか、脳梗塞になるのか。今までの答弁は国民をだましていたのではないか。人が死んでいるではないか、と。そういう中で裁量労働制を拡大するとか、実態調査をするとか、人命軽視するとんでもない話だ。このままでは私たちも戦わざるを得ない」と述べた。

今回の会議は、野党側が提出した15の質問に対する厚労省の回答を順次聞いていく、という形で進行した。この15の質問には「三菱電機の社員約3万人のうち1万人に裁量労働制が適用されていたと報じられているが、違法適用はなかったのか」「『裁量労働制で過労死が増える』という野党からの批判に対して『自分の裁量で働ける自由な働き方』という総理答弁は虚偽ではなかったのか」といったものが含まれていた(質問と厚労省の回答:添付資料を参照)。

これに対して厚労省側からは、企業に対する監督・指導を強化していくことや、採用労働制の拡大について、今後、実態調査を行った上で判断していくことなどの説明がなされた。

出席議員らからは、通常国会で裁量労働制が議論された際には、裁量労働制による過労死の件数(平成28年度分)をゼロとしていたのに、法案審議終了後に件数が引き上げられたことや、それ以前の事案や三菱電機の事案についても、把握していたにもかかわらず、当時はそれらを伏せていたことなどに対する不満や不信が噴出した。

矢田参院議員からは「この制度の最大の問題点は、業務の量を労働者が管理できない点にある。三菱電機では長年、裁量労働制をやってきたが、労働時間を管理しきれないとして、今回、廃止を決めた。厚生労働省は今回の事案をどのように捉えているのか」「事後的な再発防止策しかないが、事前に対策を打つのが本来の再発防止策ではないのか」といった質問が出た。

また原口国対委員長からは「そもそも規制は、労働者のためにあるという立場から政策を作って頂きたい。実態調査をしっかりと行って、実情を把握してもらいたい。皆さんの進めるべきは、規制の強化であるべきで、緩和ではないはずだ」との意見が出た。

会議に同席した民間人有識者からは「これから導入をしようという企業の労働者に対して、裁量労働制の制度に関する大規模な周知啓発がなされるべき。そうでないと何が違反行為か分からず、違反行為についての情報が労働者から集まらない」(上西氏)

「三菱の場合、全社員の3分の1が裁量労働制の枠にカウントされていた。驚くべき比率だ。対象業務の要件設定が、曖昧過ぎるからこういうことが起きた。また(3年間で5人が労災認定されたということは)官庁による監督指導が、全く機能しなかったということの証明でもある」(菅氏)といった意見が出た。

最後に山井国対委員長代行から「政府による『働き方改革』の号令の下、(裁量労働制を)これから導入しようとしている企業がたくさんある。非常にリスクのある働き方だと、総理や大臣の名で緊急声明を出して頂きたい。新たに過労死を出したら、われわれは許しません」との発言があり、裁量労働制下における過労死に関する追加の資料提出を厚労省に求め、会議は終了した。

(※)報道内容は、三菱電機の男性社員5人が、精神障害や脳疾患を発症し、2014~17年の間に相次いで労災認定され、うち2人が過労自殺していたことが判明。その5人のうち3人に裁量労働制が適用されていた、というもの。また同社は、今年3月に裁量労働制を全社的に廃止した。
質問する矢田わか子参院議員

質問する原口一博国対委員長

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