記事

“本土の反対運動を懸念し沖縄に海兵隊移転”は本当?

1/2
自民党総裁選に際して公開された「沖縄県の皆様へ」と題した動画 出典 石破茂HP

楊井人文(FIJ事務局長、弁護士)

Japan In-depth 編集部(佐藤瑞季)

【まとめ】

百田尚樹氏“日米両政府が本土の反対運動を懸念し沖縄に基地を移転させたという事実はどこにもない” → 誤り

・1950年代、本土で基地反対運動が激化し、米軍基地が大幅に削除されたことは事実。

・同時期に沖縄では海兵隊が移転するなど米軍基地が拡張されたことも事実。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42307でお読み下さい。】

沖縄県知事選で、自民党総裁選に立候補していた石破茂元防衛相が沖縄に米軍基地が集中した理由について述べた発言が、動画から削除されたという出来事があった。9月13日付沖縄タイムスの記事によれば、動画には当初、次のような発言が含まれていた。

1950年代、反米基地闘争が燃えさかることを恐れた日本とアメリカが、当時まだアメリカの施政下にあった沖縄に多くの海兵隊の部隊を移したからだと聞いている

岐阜や山梨に海兵隊の司令部があり、本土のあちらこちらに散らばっていた。それを沖縄に集約するような形で、こんにちの姿ができあがった。このことを決して忘れてはならない

この発言が流れたのは、沖縄県知事選の告示前。沖縄タイムスが「閣僚経験者が本土の反対を懸念して、沖縄に米軍基地が集約されたとの経緯について発言するのは初めてとみられる」と報じた翌日、この発言を削除した動画に差し替えられた(沖縄タイムス9月19日)。

この報道を受け、作家の百田尚樹氏がネット番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」で石破発言を取り上げ、「そんな事実はどこにもない」と発言していたことがわかった。本当に「日米両政府が本土の反対運動を懸念して、海兵隊の基地を沖縄に移転させた」という事実は「どこにもない」のか。①海兵隊が本土から沖縄に移転したのか、②その頃、日米両政府が本土の基地反対運動を懸念していたのか、に分けて検証することにした。

【検証対象】

言説内容

(百田尚樹氏)石破さんが削除された動画ね、見てませんけれど記事によると内容ね、日米両政府が本土の反対運動を懸念し、沖縄に移転させた、基地をね。そんな事実どこにもないっていうねん。沖縄っていうのは昭和47年までアメリカの土地やってんで、全部。… (9月20日放送「虎ノ門ニュース」)

▲写真 出典:虎ノ門ニュース

事実・証拠

(1) まず、在日米軍の部隊・基地が本土から沖縄に移転した事実があるのか。

周知のとおり、1945年の米軍の沖縄上陸以後1972年まで、沖縄は米国の占領施政下にあった。ただ、現在沖縄にいる米海兵隊は、かつて日本本土に駐留していた時期があり、ずっと沖縄にいたわけではない

ここに、「在日米軍の削減」と題された米国防長官のための覚書(1957年7月10日付)がある。それによると、1957年時点で日本本土に展開していた在日米軍兵力は計9万8890人で、海兵隊も1万3400人いた。この覚書は40〜50%の兵力削減に言及していた。

▲写真 「在日米軍の削減」と題した米国防省の文書(1957年7月10日) 提供:立岩陽一郎氏

あわせて読みたい

「米海兵隊」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    秋篠宮さま 小室親子はもう他人

    女性自身

  2. 2

    沢田研二の公演中止は罪深き甘え

    常見陽平

  3. 3

    朝日「安倍支持ネット民は貧乏」

    木走正水(きばしりまさみず)

  4. 4

    よしのり氏「沢田研二は哀れ」

    小林よしのり

  5. 5

    謎の会社、ギガファイル便を直撃

    BLOGOS編集部

  6. 6

    若者が野党を批判する理由に衝撃

    猪野 亨

  7. 7

    18歳の47% 将来も新聞読まない

    宮崎正

  8. 8

    老人は賃貸困難 50代で部屋探せ

    MONEY VOICE

  9. 9

    田原氏が佐々淳行氏との激論回顧

    田原総一朗

  10. 10

    歌姫の発言でトランプ氏ピンチに

    渡邉裕二

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。