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パパ向け育児グッズに商機―男性の育休取得率上昇

「パパバッグ」は、子どもの抱っこ補助としても使える強度がある

父親を応援する企業のサポートを行うグループライズ(東京・世田谷)はこのほど、男性が子育てを楽しむためのネット通販セレクトショップ「OREIKU(オレの育児スタイル)」をオープンした。同社の斎藤哲代表は「男性向け育児グッズの需要は徐々に高まってきている。育休取得率は向こう3~4年で爆発的に変化するのでは」と指摘。背景には、仕事だけでなく暮らしや子育ても大事にしたいという若い世代の価値観の大きな変化があるようだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

「男性用育児グッズの存在知ってほしい」

簡易抱っこひも papa-dakko(パパダッコ)は、Tシャツをかぶるように装着できる

「OREIKU」で現在展開しているのは3つのアイテム。「パパバッグ」は、幼稚園児を持つ父母140人にアンケートを実施したうえで、ポケットのサイズや収納力など機能性にこだわった。このほど発表された「第12回キッズデザイン賞」を受賞している。

「パパダッコ」は純国産綿布を使用。コンパクトにたたむことができ、着脱しやすいシンプルデザインだ。パパバックとパパダッコの2点は横浜の子育て応援ブランド「papakoso」が企画・製作した。

PIGGYBACK RIDER(ピギーバックライダー)は、「おんぶ革命」ともいわれる直立型のおんぶ紐

「ピギーバックライダー」は、直立型のおんぶ紐。目線が高くなるので子どもにとって楽しく、体重が分散されるのでおんぶする側の身体にも優しい設計だ。米国製の製品で、輸入代理店を通じて取り扱っている。

ショップを開設したきっかけは、斎藤代表自身の体験があったという。現在6歳になる娘と3歳の息子の育児で様々な問題にぶつかるなかで、親同士の交流の機会が少ないことを感じた。「子どもに対しては『多様性が大事』というけれど、大人自身は多様性がなく『みんな同じが良い』という世界です」(斎藤代表)

そうしたなかで、未就学児を持つ親のための子育て支援メディア「すいっち」を立ち上げるなど、父母同士が交流し、多様な子育てへの気づきを得る機会をつくる活動を続けてきた。今回のセレクトショップの開設については、「グッズの存在を通じ、より多くの父親が普通に子育てを楽しむことが増えていけば」という。

「縮まりようない」マーケット

「イクメン」という言葉が流行語大賞を取ったのが2010年。近年少しずつではあるが、男性の育児進出が進みつつある。厚生労働省の調査によれば、2017年度の男性の育児休業取得率は5.14%。いまだ低率だが近年の伸び率は高い。同じく2017年に育児・介護休業法が改正されるなど、育児支援には国の姿勢も前向きのようだ。

男性の育児休業取得率の推移(厚生労働省「平成29 年度雇用均等基本調査」より)

企業側の動きも出てきている。積水ハウスは「男性社員1ヵ月以上の育児休業完全取得」を宣言し、男性社員全員が1ヵ月以上の育児休業を取得し、最初の1ヵ月は有給とするなどの取り組みを、9月1日から始めた。

斎藤さんの周囲でも、そうした動きを実感する声があるという。産休・育休制度の充実したある会社の社員は、「最近採用が楽になった」という。仕事以外の、育児など生活面のサポートをどれだけ受けられるかが、若い世代が会社を選ぶ際の重要な指標になっているという指摘だ。またある鉄道会社では、これから育休をとるという社員に対し「(育休取得の)前例をつくれ」と励ましたという。

斎藤さんは「数年前から、男性に育休をとらせようという動きは企業のなかで出てきていた。それを見ていた20~30代の若手社員が、先輩を習って育休を取るかたちで広がり始めているのだろう。今後3~4年で、男性の育休取得も爆発的に増えるのではないか」とみる。

「男性用育児用品の市場はニッチだが、今後広がっていくだろうし、縮まりようがない」と斎藤さんは指摘する。「OREIKU」には今後、順次新しい商品も追加していき、パパコミュニティの口コミなども活用しながら、男性用育児グッズを社会に広めていく予定だ。

「パパが子育てを普通に楽しめるようになれば、ママの生活が少し楽になる。女性の社会進出と同時に、男性の家庭進出を進めていかなければサステナブルではない。そのためにも、男性の子育てスキルもアップさせていく必要がある」と斎藤さんは力を込めた。

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