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時間感覚の演出

100年くらい前はヨーロッパに行く為に船に乗って何ヶ月もかかっていたらしい。船で外国に行くことも嵐など考えてみると決心が必要だったろうし、だからこそ貴重だったんだろうと思う。

今では飛行機で地球の裏側だって乗り継ぎを考えてみても1日あれば到着する。でも、あえて船で何ヶ月もかけて旅をする人もいる。時間があれば船旅もいいかもしれないし、飛行機でビューンと飛んで現地でエンジョイするということもあるだろう。

この「時間」に対する「感覚」というものは時代によって中身は変わる事はあれど、もしかするとどんな事にでも当てはまる、変わらない何かがありそうな気がする。

時間感覚(間隔)。例えばゲームで考えてみる。ロールプレイングゲームでレベルが一つ上がるまでの時間をどう演出するのかという話しで考えてみる。

1時間ゲームをプレイするとレベルが一つ上がるという設定をするのと、5分間ゲームをプレイするとレベルが一つ上がるという設定の「時間感覚」は、5分間の方がより早く「レベルアップという達成感」を得る事ができる。

ただし、そこには物語性を加える事が難しい。なんせ、5分間という短い時間の中で伝えられるものには限界があるからだ。一方で、1時間で一つレベルが上がる方の設定を考えてみると、5分間よりも多くの物語を伝える事が出来るし、より達成感を得る事が出来るだろう。

大きなストレス(一つレベル上がるのに1時間かかる)で大きな達成感を得るのか、小さなストレス(一つレベルが上がるのに5分間だけ)で小さな達成感を小刻みに得るのか。と言うことが出来るだろう。

これはゲームをプレイする人のライフステージによって感じ方が変わってきそうだ。学生だったら時間がたっぷりあって、没頭しながらクリアまでに50時間くらいかかるゲームもやれるかもしれないし、毎日遅くまで働いて家に帰ると妻と子供が待っているサラリーマンだったら休みの日を入れてもなかなか長時間ゲームをプレイする事も難しいかもしれない。

つまりは、「時間に対する感覚値」がライフスステージに応じて変化するのだ。

さて、これはゲームに限る話しだろうか?ということを考察してみたいと思う。

そうだな、、今書いているこのブログと、Twitter/Facebookを比較してみると「時間感覚の演出」はいったいどうなっているだろうか。たまに、だらだらと考えている事を書き連ねるのが私の悪いところかもしれないけれど、このブログを読む時間と、Twitter/Facebookの投稿を読む時間は違うだろう。(読み飛ばしていない事を前提として。笑)

加えて、ブログはだいたい一つ一つアクセスして読みに行かなければならないのに対して、Twitter/Facebookはそれにアクセスするだけで「みんなの投稿が向こうからやってくる」のだ。手間がかかるということは、時間もかかるということ。これも「時間感覚の演出」と言えるのではないだろうか。

いやいや、リアルの出来事を考えてみよう。最近、朝起きてダラダラと準備する癖が付いてしまった私は、いつも出社時刻ギリギリに会社に到着する。たまに「これ逃したら遅刻だ!」という事態に陥る事もあって、電車を乗換える時など走ったりもする。会社最寄り駅に到着して駅を出た後、この赤い線を超えたら遅刻!という線が後ろから迫ってきたとしたら、私は最後尾で焦りまくっている事だろうな、とかたまに考える。なんとも慌ただしい朝だ。

逆に、もしいつものようにバタバタと通勤して会社に到着すると「本日の勤務時間は1時間後ろ倒します」という貼り紙があったとしよう。突然、1時間の時間が出来たのだ。たぶん、喫茶店にでも行って、なんともまったりゆったりとした1時間を過ごす事だろう。

そもそもは私のものぐさな性格が問題なのだけれど、演出された時間感覚のお陰で毎朝がとてもエキサイティングだ。

味についてはどうだろう。いつだったか忘れてしまったのだけれど、日経MJに亀田製菓の記事が載っていた。お菓子もものすごくたくさんの味の新商品開発をしていて、一昔前と比べてみると最近は始めから「濃い味」が好まれる傾向にあるらしい。

日本っぽい、噛めば噛むほど味わいがふわっと出てきて食べた後の風味が美しいようなものよりも、口の中に入れた瞬間に口の中に味わいが広がる方が好まれると。食があふれている現代は「食べる」「味わう」という事について少し短い時間の中で考える必要があるということなのだろうか。すぐに味わえる、じわっと味わえる。これも時間感覚の演出になる気がする。

ここまでいろいろと考えてみてまだまだ考察する例はいくらでも出そうな気がするのだけれど、きりがないのでそろそろまとめてみる。

モノでも食でも情報でも、ものすごく溢れている時代。その背景に対して「時間感覚を演出する」という視点でサービスなりを考えてみると、全く違った視点が見えてくるかもしれない。

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