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だから議会改革をしなければならない。

海住恒幸

2012年02月16日 10:53

変えなきゃ!議会

14日に松阪市議会3月定例会の議案がどっさり配布されたので、これから21日開会、27~29日の当初予算案質疑、29日の当初予算以外の条例案等に対する質疑、3月2、5日の一般質問に向けた準備に向かわなければならなりません。
そのため、しばらく、議会改革はお預けということになりますが、実は今回の定例会の日程そのものに議会改革の必要性が最も象徴的に凝縮されています。

当初予算案というのは、平成24年度の松阪市の総予算について年度当初に固めたものです(途中での増減を補正といいます)。
それに対する質疑ですから重要であることは言うまでもありません。

この日程が、27~29の3日間とってありますが、
29日には条例案等の質疑も入ってきます。
これらの議案は、市民まちづくり基本条例(自治基本条例)、住民投票条例、マニフェスト支援条例、市民病院設置に関する条例、新ごみ処理工場建設に伴う請負契約の締結、市民活動センターの指定管理者の指定、広域圏の定住自立圏形成協定の締結など34件です。
これらをたった1日で質疑(本会議)を終えるというのが現状の議会の姿です。

わたしが議員になる以前の議会では、見せ場となる代表質疑(会派代表による質疑)の行われる当初予算案の質疑以外で質問するのは、共産党の議員ぐらいで、議案を委員会に付託する手続きとして「質疑はございませんか」(議長)、「無し!(議員一同)」、「●●議案の質疑は無きものと認め、●●常任委員会に付託します」(議長)を議案の数だけ繰り返す「儀会(ぎかい)=セレモニー議会」が本会議場で繰り広げられているだけでした。

だから、質疑の日程は1日あればこと足りたというわけです。
各議案につき、1議員60分(答弁を含む)の質問が可能ですので、かりに1議案につき一人60分、10議案に対して質問があったと仮定すれば、それだけで10時間要します。30議案であれば30時間かかります。
要するに、この日程の組み方は、各議案に対する質問を前提としない日程の組み方ということになります。
しかも、29日の午前中は、当初予算案に対する質疑もありますので、条例等の議案質疑の開始は午後からです。
とても困難な日程です。

わたしは、議会改革の中で、日程を窮屈にしている元凶である会期の廃止を提案したいと思っています。年中、開会している議会です。そうすれば限られた日程の中に過密スケジュールを設定しなくても済みます。
現在の市議会の中でだれも相手にはしてくれないと思いますが、1日1議案の審議。30議案あれば30日かかります。議案によってはその日1日では終わらないかもしれないので実際にはもっと延びます。

このことを主張すれば、ずっと行政(市長等執行機関)はどうするのか、ずっと議会にいなければならないとしたら業務ができないではないか、という反論が出るでしょう。
だから、「議会に市長(市長等執行機関)は不要」と主張しています。
地方自治法121条に「普通地方公共団体の長(途中略)は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、議場に出席しなければならない」と規定する通り、説明に必要なときだけ議会に出向けばよいのです。
しかし議会は、予算案などを編成した市長の原案に対して責任を持って審議し、結論を出さなければなりません。
市長等への質問は事実確認に要する事項に限り、あとは調査をベースとした審議の場ということになります。

もちろん、議会の出した結論に対して市長は拒否権を発動できます。再議という手続きの申し出です。その場合、市長は反論する権利を持ちます。
市長の反論、再議を経て、もう1度、結論を出し直します。
議会はいったん議案を修正したが、市長からの反論と再議の申し出に基づいた再審議で原案に戻すことも、そうでない場合もあります。
いずれにしても、議会には議決責任が発生します。
決めたことに対する責任は、市長にではなく、議会に属します。

そんな議会にしたい、そのための議会改革だと考えています。

いままでの議会は、市長におんぶにだっこで議会が楽をし過ぎたということです。
市長に質問だけして、決定したのは議会なのに、議会がその責任を負わないで済む状態を維持してきました。

審議日程を十分に確保することは議会改革の要です。
当初予算にわずか3日、プラス、各常任委員会の1日だけ、大量の議案質疑に1日プラス常任委員会の1日だけという日程では議決に対して責任を負いかねるともいえます。

わたしがアメリカで傍聴してきた地方議会では、7月から始まる会計年度に対して1月には予算案が提出され、5月末までに議決することという日程が組まれていました。この間、平日はほぼ毎日、すべての議案に対して市民が議場で発言のできる公聴会や参考人招致、専門家の意見の聴取等々を含む議案審議が続けられ、議会としての意思を決定します。首長の提案予算を10パーセントぐらい減額することが多いようです。

これはアメリカだからできるのではなく、日本の地方議会のルールも、戦後、アメリカのルールをベースに作られていて、いまもほぼ同じです。昭和30年代、40年代にいろいろな改正で形式化が進みましたが、原理原則に立ち返ればわたしが見てきたアメリカ型議会は実現可能です。
いま、全国の地方議会で行われている改革の究極の姿は、このカタチにあるのではないかと思います。

議員間討議とか政策討論会とかを議会改革の目玉にしても、議会の本質である審議機能に手をつけない限り、ちょっとよくなった程度の改革どまりです。
議会を必要とするなら・・・・取り組むべきです。

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新聞記者を経て、三重県松阪市の市議会議員。

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