議員数を大幅に減らすとか、一院制にするとか、参議院をイギリスのように世襲の名誉職にするとか国会運営の抜本的な改革案は存在する。
参議院の実効性に疑問を持つ人は多く、一院制に賛成する人も一定の割合でいるだろう。(議員を減らしても財政赤字の額に比べれば屁でもないという論点は置いておこう。)
橋下市長が提案するような制度も面白いとは思う。だが、直ぐに実現出来そうな話でもない。だから、もう少し現実味がある国会制度を考えてみようかと思う。二院制を前提とし、選挙制度にまつわる様々な意見を考慮に入れた上で、実現可能性がある制度を考えるのだ。
結論としては、衆議院を小選挙区制度のみで選挙し、参議院を阻止条項付きの非拘束名簿式比例代表制のみで行うのはどうかということだ。(ついでに言うと、連用制は最悪だ。)
まず、衆議院についてだ。衆議院での第一党が基本的に与党になるわけだから、与党には安定した政権が必要だ。過半数の議席を持った上で、法案を通す事が国会議員の第一の仕事であるから、与党のパワーが弱いと政治が停滞してしまう。
この場合、小選挙区のみならば、自ずと少数派政党を駆逐し、二大政党制へと近づく。さすれば、政権も安定化し、政権交替も比較的容易になるだろう。考えが異なる党同士が連立政権を組んで多数派を維持すると、結局は意見割れが生じて多党制を維持するメリットが少なくなる。
極論を言えば、そもそも法案提出可能議席に達していない政党の存在意義はあるのかとも言いたい。
さて、この流れのまま参議院も選挙区のみにしたい所だが、「少数派意見の反映」という反論が起こるのは間違いなく、与党の暴走を阻止するためにも、参議院で「意見の多様性」を出すために、比例代表制のシステムを利用する事にも有効性があろう。
具体的には、参議院選挙では非拘束名簿式比例代表制のみにし、条件として阻止条項を付けるというのはどうか。
阻止条項とは、ドイツの連邦議会等で採用されている選挙制度で、比例代表制で一定以上の投票を得なければ議席を得る事が出来ないというものだ。
ドイツやニュージーランドでは阻止条項として「5%ルール(会計や株式の5%ルールとは全く違う)」を設定しており、全投票のうちの5%以上を獲得出来なかった政党は1議席も取得出来ない。この条項により、「危険思想」を持つ団体の政治進出を阻止した上で、「平和的な少数派意見を考慮」するというシステムを持つ。(ドイツの場合、5%ルールだけではなく、一定数以上の選挙区での勝利という条件を満たす事による議席獲得も認められている。)
これ、日本で大いに受入れられるのではないか。(どことは言わないが、)正直、「日本の政界からいない方が良い」と多くの人から思われている政党があるだろう。「少数意見の反映」は確かに大事だけど、何でもかんでも認めているがゆえ、いまいち英米等から信用を得られていない側面があるのではないか。
「危険な少数派」を政治に入れない(追い出す)為にも阻止条項は有効だろう。
要するに、選挙制度を変える事で政治を安定化させ、政権交替を容易にし、更には危険な団体を政治から駆逐する事が出来るのだ。今のところ、議席の多くを自民党と民主党が持っているわけだから、彼らは二大政党制を中心とした政治制度に反対はしないだろうし、この政治制度改革の法案を出せば通るはずだ。
但し、他の政党やその支持者から大反対が出るのは間違いない。
この記事を筆者のブログで読む

経済学専攻の大学院生男女2人が様々なテーマについて議論