枝野幸男経済産業相が、国が東京電力の経営権を取得することを事実上の条件として6900億円の追加支援を認定しました。
《「東電国有化はとんでもない勘違い」経団連会長》(読売新聞)と反発が出ています。「国有化してきちんとした経営を行った企業は見たことがない」との主張ですが、現在の東電がきちんとしているとの認識こそ誤認そのものです。国の存続に響く大事故を招いた経営責任を誰もとらない▼膨大な資金を受け入れながら避難民への補償は遅れに遅れて出し渋っている▼合理的な説明も無しに17%もの電気料金値上げをいきなり通告▼過去の電気料金に不当な水増しがあったと判明しているのに是正しない――地域独占企業でなければ存続さえ許してもらえないケースです。
政府内部でも財務省が反対する意向と伝えられます。毎日新聞の
《社説:東電実質国有化 政府も責任を自覚せよ》は「政府が過半数の議決権を得ることに関し、財務省は原発廃炉や賠償への国の負担が増すことを理由に反対している。政府内で意見が対立し、責任負担への腰が引けているようでは、東電の経営を任せられるか心もとない」と指摘します。
財務省にも大きな事実誤認があります。法律上の賠償の枠組みから東電に福島原発事故の責任が一本化されているのですが、原発の安全審査でゴーサインを出した国の責任は消せる物ではありません。責任の半分は国にあるのです。全てを電気料金に転嫁してまかなえないのは明らかである以上、「国の負担が増す」と逃げるなどお笑い沙汰です。
マスメディアも当初は財務省のような不見識をうたっていましたが、資金不足の重さに
《賠償と東電改革は国も一体で責任果たせ》(日経・社説)と変わってきています。「決算で判明したように、東電の財務基盤は脆弱だ。今後も廃炉費用が膨らめば、債務超過の懸念も浮上する。銀行も資金を貸しにくくなり、電力供給と賠償に支障をきたしかねない」
電気料金の大幅な値上げはGDPにも影響します。東電経営陣の総入れ替え、人件費など経費を世間が納得する水準に是正するなど政府主導で進めるべきです。事故から間もなく1年、東電の自主性に任せては駄目だと判明しています。
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