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【読書感想】大炎上

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大炎上 (扶桑社新書)

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Kindle版もあります。

大炎上 (扶桑社BOOKS新書)

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内容紹介

前著『炎上上等』で、数々の炎上発言を披露し物議を醸した著者が、今回は笑顔のウラに隠された自身の炎上人生を語る!
幼少期の壮絶なイジメと父の死、当時は異端だった美容外科の道へ進み、先駆者として業界を切り拓くも、文春砲を食らい、脱税捜査、部下の裏切り、借金100億、医業停止、母と妻の死、サイバラとの出会い……。
何度人生の災難に燃やされそうになっても、その度に不屈の魂の炎を燃やし、不死鳥の如く甦ってきた。そこには著者一流の、逆境を生き抜くメンタルコントロール術、柔軟な発想法、仕事や人生に向き合う姿勢と心構えがあった。
波乱万丈、抱腹絶倒、そして生きる勇気と知恵と爽やかな感動が得られる半自伝的人生論!

 あの高須克弥先生の新書『炎上上等』の続編が早くも登場。
 『炎上上等』を読んだのは今年の3月だったので、本当に「早いなあ」という印象です。

 ちなみに、『炎上上等』の感想はこちら。
fujipon.hatenadiary.com

 これぞまさに「炎上商法」だなあ、なんて思いつつ読んだのですが、考えてみれば、高須先生にとっては、この本の印税など金額としては微々たるものでしょうから、「言いたいことがとにかくたくさんある」のだろうな、と。

 冒頭にこんな話が出てきて、僕はしばらくフリーズしてしまいました。

 私たちの親世代、そして私たち高齢者は、敗戦後の文字通り何もない焼け野原の中から今の日本を作ってきました。戦争のせい、日本のせい、お金がない、物がない、親がいない、まともな教育を受けていない、家業の手伝いで勉強どことではない……、できない理由なんて、今とは比べ物にならないくらいたくさんあった時代です。それでも、みんなとにかく働きました。生きるために。

 確かに朝鮮戦争などの特需もありましたが、必死で働いてきたことに変わりはありません。当時は週休2日制ではなく、休みは週1回でしたが、それすらも返上して、休まずに仕事に励んだ人たちがたくさんいた時代でした。私も、胸を張って言えることではありませんが、家庭も顧みず働き続けました。

 その結果、振り返ってみたら、「右肩上がりに経済が成長した時代」になっていたというだけのことです。最初から右肩上がりの成長が約束されていたわけではない。オイルショックや日米貿易摩擦など、お先真っ暗な時だって幾度もあったのです。

 今の若者は、まるでイソップ童話の「すっぱいブドウ」の話のキツネみたいです。キツネがおいしいブドウを見つけて食べたいんだけど、高い場所にあってどうしても手が届かない。しまいには、
「あのブドウはきっとすっぱくてマズいに違いない」
 と立ち去ってしまう。 
 枝を叩いたり、木を揺らしたりとか、いろいろチャレンジすればいいのに、「アレを手に入れてもいいことはない。採ってすっぱい思いをしなくてよかった!」と言い訳をして、やる前から諦めてしまう。

 これぞ「生存者バイアス」ではあるんですよね。
 戦後の厳しい時代に日本を発展させてきた先輩方には、敬意を払うべきだと僕も思います。
 しかしながら、「われわれは今の若者たちよりもずっと頑張ったから日本は高度成長を成し遂げた」というわけではないのです。

 戦後の日本は、ベビーブームで人口のなかの勤ける人の割合が増えるという「人口ボーナス」を享受し、第二次世界大戦の戦勝国よりも人件費が安く、戦後の早い時期に朝鮮戦争という「特需」もあった、という経済成長のための条件に恵まれていたのです。

 要するに、がんばれば成果が出やすい時代でした。
 たぶん、人の頑張りなんて、昔も今もそんなに変わりはないんですよ。戦後すぐの日本人には、「これから新しい日本をつくっていこう」というモチベーションはあったのかもしれませんが、今の若者たちだって、同じように頑張っているはず。でも、今は「頑張っても成果に結びつきにくい時代」なんですよね。

 例として、隣国である中国のことを考えていただきたいのですが、共産党支配化で経済が停滞していた中国と、ここ数十年、世界工場として経済的な発展を遂げてきた中国では、「今の中国人は、昔よりもずっとがんばっている」と言えるでしょうか。「チャンスがある社会になったから、頑張っている人が報われているし、そういう人が目立っている」ように僕には見えます。

 もちろん、それぞれが頑張るにこしたことはないのですが、「努力が必ず報われる」わけではないし、報われやすさと言うのは、時代背景やその国に経済状況に左右されます。
 世の中には「そんなものは関係ないような、圧倒的努力」をやる人もいるのかもしれませんが、そういう人は、昔も今もいるのです。

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