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日本以外は本気……環境認証としての森林

昨年頃から、私は講演などで世界の環境問題の潮流について話すようにしている。

私はこの手の話があんまり好きではない。地球環境のために森林を守りましょう! なんて意見にはたいてい反発してきた。というのも、森を守るのに「地球環境問題」を持ち出すのは邪道だと思うからだ。あまりに大きな対象を持ち出しても身近に感じられない。せいぜい「今年の猛暑は地球温暖化が進んでいるからではないか」ぐらいである。

人は、もっと身近な対象から功利的に動くものだ。利己と利他をいかにつなぐか、を考えると、森林問題に外国の話は似合わないのである。 

そもそも外国の話でも、環境問題というのは上っ面のお題目だった。「環境は大事」なのは誰も反対しないで掲げるけど、自分(の国)が実行するかどうかは別、というスタンスだ。

だがこの頃の私は、積極的に
違法木材かどうかは、購入者に調べる義務がある。
オリンピックで使用する食材や木材には環境認証が求められる。
「欧米では「2020年から使い捨てプラ容器禁止」「2040年ガソリン・ディーゼル車販売禁止」などの施策が広がっている。
欧米の森林の約2割が森林認証を取得しているが、日本は2%にすぎない。

などの話をするようになった。
なぜなら、そろそろ日本も本気で向き合わないと危険だよ、と感じるからである。

そして口にするのは、(日本以外の)世界は本気、これまでの「環境は大事」と一味違う……という点である。 もっとも、聴衆の反応はイマイチであるが。

先日、木材業者や工務店に森林認証の話を振ったら、相変わらずコストに見合うメリットがない、という返事ばかりが返ってきた。それどころか縮小する需要の中で、いかに自社は生き残るかばかり気にしている。

なんか根本的に認識が違う。森林認証は商売上のメリットの話ではなく、ビジネスのまな板の上に乗る資格の問題だ。まな板は世界中に広がっており、縮小などしていない。

残念ながら日本は自前のまな板をつくることに失敗した(というよりつくろうとしなかった)。だが他人のまな板にも乗らなかったらどうして生き残るのか。このままだと輸出だけでなく、輸入もできなくなるかもしれない。 

欧米だけではない。森林認証はアジアでも南米でも進んでいる。世界でもっとも多く森林認証(CoC)を取得しているのは中国だ。認証木材をもっとも多く輸入するのも中国と言われる日がそのうち来るだろう。

そうなると、中国は「日本の木材は認証ないからダメ」と言い出すかもしれない。その時、国産材の原木も木材加工品も木材商品も、みんな輸出は止まってしまうだろう。政府の口にする「国産材輸出による林業の成長産業化」どころてはない。

東京オリンピックの木材調達問題でも、日本は違法伐採木材の排除に腰が引けているが、国際NGOの抗議を受けて渋々見直しを始めた。おそらくトレーサビリティのない熱帯木材は使わない方向で調整するのだろう。

だが使用木材を森林認証材に絞るまで踏み込む覚悟はなさそうだ。認証材を使うのが世界標準なのだが。ロンドン、北京、リオ……など過去のオリンピック施設はみんなそれを順守してきた。それを無視するのは日本である。

私は森林認証制度をそんなに万能と思っていないし、信用できないところもある。また認証費用は、結局それぞれの団体を潤すことが目的化しかけているかのようにも思える。

とはいえ、今の日本はそれに代わるものを提案もしていない。縮小する国内需要の中で生き残るための戦略もない。単に目をつぶって見なかったことにしているようでは……。

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