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LINE時代に感じた、起業家に必要な3つの素養とは? | 森川 亮

Forbes JAPAN 編集部 , FORBES JAPAN

C Channel株式会社 代表取締役社長 森川亮

C Channelは、ファッション、コスメ、料理などで月間再生数6億回の日本最大級の女性向け動画メディア「C CHANNEL」を展開。20〜30代女性からの多くの支持を集め、中国をはじめとするアジア各国(計9か国)における再生が半数を占めている。そんなC Channelの森川 亮氏に、起業家に必要な素養、組織作りなどについて聞いた。(全5話)

「日本を元気にしたい」と思った、LINE社長時代の体験

──起業家にとって重要な素養を3つあげるとすると何でしょうか?

まずは1つ目は「ビジョン」です。

単純にお金儲けや成功したいというモチベーションだけでは、事業を長く続けることができません。長く続けるためには、周囲が共感する「ビジョン」が必要だと思います。

次に、2つ目は「事業力」。

どんな良いことを言葉では言っていても、事業で儲けられないと会社を潰してしまいます。しっかりと事業を推進できる力が必要です。

3つ目は「誠実さ」。

儲けるためだったら何をやってもいいわけではありません。周囲の人がついてくるのは「ビジョン」もありますが、それをやりきる人間性、「誠実さ」が最終的には必要不可欠です。ビジョンを掲げるだけでなく、そこに誠実に向き合い続ける姿勢が大切です。

C Channel株式会社 代表取締役社長 森川亮

──1つ目の「ビジョン」について、C Channelの創業時の「ビジョン」を改めてお聞かせください。

「日本を元気にしたい」というビジョンが根本にあります。そのことを意識したきっかけは、前職のLINEにいた頃のことでした。

色々な国にまたがって事業をやっていたのですが、事業のグローバル化が進めば進むほど、一緒にやる部下が日本人ではなく外国人になっていきました。日本人の能力ややる気が、外国人と比べて相対的にどんどんと低下していく様を見て、「これはまずいな」と感じたんです。

LINEの場合はそもそも韓国資本の会社だし、グローバル企業なので、日本人ばかり登用するわけにはもちろんいきません。なので、もう少し「日本びいき」できる会社を作って、「日本を元気にしたい」と考えたのが創業時のビジョンです。

その中で取り組む事業としては、「メディア産業を変えていきたい」と考えました。

今のメディアは悪い出来事ばかり取り上げる傾向にあります。もっと良い出来事や頑張っている人達を紹介するメディアを作ることで、メディアからの発信するメッセージで「日本を元気にしたい」と思っています。その入り口として、今はC Channelをやっています。


簡単に儲からないし、敵も多い。だから自分がやる

──森川さんのこれまでのご実績であれば、起業以外にも選択肢が多かったように思います。

ありがたいことに、LINEにいた時は多くの会社から誘われていました。実際に、社外役員を引き受けたり、学校やファンドなども少し関わっていました。

しかし最終的には、このメディア分野は自分がやったほうがいいんじゃないか、誰よりも自分がやれる、という想いで起業しました。

当然、私一人の力ではなく、ビジョンに共感してくれる仲間や投資家がいたからこそ、起業できたというのはあります。

──このメディア分野を「自分がやるべきだ」と思った経緯をもう少し詳しくお聞かせください。

メディアは「簡単には儲からなくて、敵も多くて、やりきるのが大変な領域」だからこそ、若い人には出来ない。一定の人脈があって、ある程度信頼もあって、お金も集めやすい人がやらないと、勝つのは厳しい領域かなと思ったんです。

誰かがやらないと、社会の課題は解決しません。辛いし儲けにくい領域だからといって、誰もが避けていてはいけない。ここは私がやらなければ誰もやらないんじゃないか、と思って立ち上がりました。

あとは、事業経営はLINEである程度やりきった、という自負もありました。だからこそ、自分がさせてもらった様々な経験を、今度はC Channelで次の世代に返していきたいなという気持ちでやっています。


──情熱を注げる「ビジョン」を見つける方法はありますか?

私の場合は結構いい年なので、色々な経験をしている中で自然と見えてきました。

ただ若い人だと、口では「社会を変える」と言っていても、心の底では「お金儲けしたい」「成功したい」と考えてしまうことは往々にしてありますよね。

そういった、仮に社長がビジョンに心から情熱を注げていない場合においては、「チームが共感できるビジョン」を作ることが重要だと思います。チーム全体として情熱を持つことができれば、最悪社長がダメでも、事業はうまく進みます。

もちろん理想は社長に強いビジョンがあって、自らのリーダーシップで引っ張っていくことです。しかし若い人は必ずしもそうはいかないと思うので、そういった場合は「チームが情熱を注げるビジョン」を意識すると良いと思います。(つづく)

森川亮◎C Channel株式会社 代表取締役社長。1967年生まれ。日本テレビ、ソニーを経て2003年ハンゲームジャパン(後のNHN Japan。現LINE)に入社し07年には代表取役社長に就任。 2015年3月、同社代表取締役社長を退任し、C Channel株式会社を設立。

記事提供=Venture Navi powerd by ドリームインキュベータ 文=下平将人

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