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甲子園、学校クーラー…猛暑が突きつけた「昭和的ノスタルジー」の見直し

夏の甲子園、全国高校野球選手権大会が8月5日に開幕、今年は記念すべき100回大会で、開幕戦には読売ジャイアンツ、ヤンキースで活躍した松井秀喜さんが始球式に登板されました。しかも母校の星稜高校がその試合を抽選で引き当てるドラマチックな展開となり、スタートから盛り上がろうとしています。


我が広島県からは2年連続で広陵高校が出場、大会8日めの第1試合で二松学舎大付属高校(東東京)との初戦に臨みます。報道によると、キャプテンの猪多善貴選手が「被災地を明るいニュースで勇気づけたい」と意気込んでいたとのこと。昨年あと一歩で逃した優勝への期待とともに、活躍を期待しています!

京都ではナイターも。高校野球は見直しの時期

さて、今年の夏の予選では、この記録的な猛暑により、各地で観客や選手が熱中症などで搬送されたのは、報道でご存知の通りです。西東京大会決勝では、日大鶴ヶ丘高の投手がサヨナラ負けするまで154球を投げ抜き、試合後に体調不良を訴え、救急車で搬送されました。脱水症状を伴う熱中症と診断されました。

投手が熱中症で救急搬送 高校野球西東京大会:日本経済新聞(共同通信)

伝統ある夏の高校野球大会も、これまで通りの運営でいいのか、今年は見直しを強く求める意見が例年以上に見受けられます。

「夏の甲子園」強行で思い出す、亡霊のような日本企業の“精神主義”(文春オンライン)

プレイヤーズファーストの改革を

主催の高野連、朝日新聞は、熱中症対策を呼びかけていますが、付け焼き刃的な対策は限界があります。炎天下での試合や投手の肩の問題、あるいはそれらの要因のひとつとされる過密日程のことなどは、長年指摘されながら実質放置されてきました。

危機感のある運営側もいます。酷暑対策として1日4試合のうち、これまで昼間に行われていた第3試合以降のプレー時間を変更した京都大会は、ナイターとなった準々決勝の第4試合が延長までもつれこみ、試合終了が22時37分の異例の展開となったことで、全国的な注目を集めました。

並行して他競技のインターハイ(全国高校総体)も開催されていて、こちらも連日、公的機関が炎天下での運動を控えるように呼びかけながら、競技は続けられています。

私自身も高校球児だったこともあり、高校野球をはじめとする学生スポーツの大ファンで、地元では競技環境の整備などを通じて応援しています。それゆえに競技団体や報道関係者など「大人」たちの都合を優先し、学生や応援者などに過酷な環境を強いている状況は、やはり変えなくてはいけないと感じています。

PL学園で5度出場し、優勝、準優勝を2度ずつ遂げたレジェンド桑田真澄さんも、以前から投手の球数制限を提言されています(参照:スポーツ報知)。プレイヤーズファーストで、合理的かつ大胆な見直しが求められるのではないでしょうか。

人材育成という学生スポーツの精神のよいところは残しながらも、前例踏襲主義の“昭和ノスタルジー”は、平成の終わりとともにもう止めなければなりません。

豪雨被災で学校クーラーの未整備が浮き彫り

猛暑といえば、小中学校のクーラー配備の問題もあります。文科省の調査では、2007年からの10年間で整備率(普通教室+特別教室)は15.3%から41.7%となり、東京などの都市部を中心に普通教室の空調整備率が100%の自治体も増えてきましたが、広島も含めて未整備の地域はまだ多くあります。


なお、福山市は先日、2021年までに市内全ての公立小中学校にエアコン設置を決断しました。

これから人口が減少していくことが明確な中で、未来ある子供達の学習環境を整えていくことは、我々大人たちの大事な仕事です。学校は子供達が毎日過ごす場所で、また、公立小中学校は大きな災害時に避難場所にもなります。平成30年7月豪雨で被害の大きかった県では、普通教室ですらクーラーがない学校が多いことが露見し、体育館に急きょ設置すべく対応を迫られたことなどからも、最優先課題の一つと考えています。

公立小中学校エアコン整備については自治体の政策判断によるものですが、財政事情が原因で進んできませんでした。ただ、それを言い訳にするどころか、「子どもたちは暑さに慣れさせるものだ」などと、開き直っている人をみると、これも“昭和ノスタルジー”的な思考停止だとしか言いようがありません。

前例踏襲の思考停止から脱却を

国としても予算措置をするなど、自治体が決断できる後押しをしていきたいと思います。あわせて、自治体の財政事情が厳しくても、地域企業の寄付やふるさと納税、クラウドファンディングを活用する選択肢もあるでしょう。

そして、クーラーを整備することで学校の夏休みのあり方も見直す時期に来ているのかもしれません。「学校が暑すぎて勉強にならないから長期休みにする」という前提は、空調設備のない時代のものです。共働き世帯も増えた現代では、子供たちが長期間、家にいることが保護者の負担になっている側面もあるのが現実。社会や時代の変化を踏まえると、環境を整備し、夏休みを短縮して、勉強や課外活動を充実することも一考に値すると考えています。

甲子園などの学生スポーツも、学校のクーラー整備も、できないことばかりを列挙したり、前時代的なノスタルジーにふけったりしていては何の解決にもなりません。平成の最後の夏を襲った、この歴史的な猛暑は、私たちに新しい時代をどう作るか、考える機会を突きつけているように思えます。今こそ政治の決断が必要です。

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