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これはもう実質的な「利上げ」。なぜ日銀は異例の緩和策修正に踏み切ったのか?=斎藤満

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世界の中銀が今までの勢力ではない何らかの力によって揺さぶられています。日銀が物価見通しを下方修正しながら緩和策修正で実質的に出口へ向かったのも、新勢力の影響でしょう。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2018年8月3日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

世界を裏で支配してきた勢力が交代?日銀の政策修正もその一環か

旧勢力のシナリオが揺らぐ

日銀や米国のFRBが、何がしかの力によって揺さぶられています。

従来、中央銀行の世界を支配していた金融資本は、ロックフェラーやロスチャイルドなどでした。彼らが非公式会議としての「G30」などを通じて、配下の中銀に指令を伝えていた構図があります。

いま、これが揺らいでいます。FRBではG30の伝道者でもあったフィッシャー副議長が早々に退陣しました。

このG30を排除しようとしている勢力の姿はよく見えないのですが、トランプ大統領がこれに対抗しようとしているところを見ると、トランプ氏ならびに彼を動かしているキッシンジャー氏などが、新しい勢力の命を受けて動いている可能性があります。

このトランプ、キッシンジャー・チームには、ロシアのプーチン大統領も加わっていると見られます。

旧来の国際金融資本は、自らの利益のために、FRBや日銀、ECBを動かし、利益の源泉としてきました。少なくとも、これまでの主要中銀による大規模緩和も、その後のFRBによる「正常化」ならびにこれを支援するECB、日銀の緩和という図式も、彼らのシナリオと思われます。

これに新しい勢力が「待った」をかけてきました

少なくとも、FRBに対しては、G30メンバーを排除しつつ、利上げをけん制し、財政金融両面から経済支援を進めようとしています。一方、EU、中国、日本に対しては、金融緩和を通じた通貨安政策を抑えにかかりました。日銀が物価見通しを下方修正する中で、あえて実質的な利上げに踏み出したのも、この勢力による後押しがあってのことと見られます。黒田総裁はG30のメンバーです。

日銀の修正は9割がた成功

今回、日銀が物価見通しを下方修正しながら、実質的に緩和策を修正して「出口」へ「はじめの一歩」を踏み出したのも、これまでの考えからすれば異例のことです。

大きな政治圧力がないと、日銀単独ではこうした変更はできなかったと見られます。実際、黒田総裁も、一部を除いて多くのリフレ派も、日銀の修正策に賛同しました。

そして黒田総裁の会見での話と異なり、実質的に利上げに成功しました。10年国債利回りは一時0.145%まで上昇しています。総裁は利上げではないと言い切りましたが、これは明らかに「うそ」で、日銀には長期金利の引き上げ意図がありました。そして利上げに成功しています。

元来、日銀でも長期金利には影響を与えられないとみられたのですが、債券市場での巨大投資家になった日銀の動きが相場を左右する結果となりました。

そして日銀には国債の買い入れを減らしたいとの思いがあるので、仮に市場金利が低下すれば、国債の買い入れ減額をして金利を高め誘導することはできます。それはすでに実験済みです。

国債買い入れの「80兆円めど」も間もなく消えるでしょう。総裁発言とは裏腹に、日銀は資産買い入れと金利調節両面で「出口」への一歩を踏み出しました

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