また、欧州ではギリシャ問題で揉めています。ギリシャや欧州の人たちには悪いのですが、もういい加減にしてくれと言いたい気分です。
世界で最も進歩的な欧州大陸の人々が、そして、ユーロという壮大な理想を追求するユーロ圏の人々がやっていることがこの程度なのですから‥
いずれにしても、我が国の報道機関は、概ね「ギリシャ緊縮策合意」なんて報じているのです。
我々はこれを信じていいのか? 如何にもこれで話がまとまったかのような雰囲気があるが、また騙されるのではないのか?
で、海外の報道ぶりに当たってみると、全然ニュアンスが違うのです。米国の公共ラジオ放送のNPRにしても、それから英国のBBCにしても。
先ずは、NPR
タイトルは、Greek leaders fail to reach Debt Overhaul Deal
ねえ、違うでしょう? 緊縮案の合意に失敗とあるのです。
では、BBC
Greece bailout: Eurozone ministers set new conditions
まあ、このタイトルからだと即断はできないのですが‥しかし、次のように報じているのです。
The plan agreed by the Greek government earlier this week includes 15,000 public-sector job cuts, liberalisation of labour laws, lowering the minimum wage by 22% and negotiating a debt write-off with banks.
「今週初めギリシャ政府によって合意された案には、15000人の公務員の削減、労働法の緩和、最低賃金の22%引き下げ、そして銀行団との債務削減の交渉が含まれている」
But a key demand of the EU, IMF and European Central Bank was reform of the pension system, an issue that proved to be a stumbling block.
「しかし、EU、IMF及び欧州中央銀行が一番問題にしているのは年金制度の改革であって、それが障害になっていることが判明した」
ここで、「ギリシャも日本と同じように‥」という表現が適切かどうかは別にして、ギリシャの目下の最大の課題は年金制度の改革なのだ、とか。
年金制度の改革なんていっても分かりづらいのですが、要するに年金の支給額を大幅に引き下げるということなのです。
日本の場合には、主に若者にしわ寄せが行こうとしているのですが、ギリシャの場合にはそうではない、と。全ての年金受給者が等しく犠牲を迫られようとしているのです。
それにしても、何故今頃、年金問題が出てくるのでしょうね? ギリシャの懸案事項は、民間銀行側との債務削減率の合意にあったのではないのでしょうか? その話は決着がついたのでしょうか? 或いは、ギリシャ政府による資産売却計画が思い通りに進んでいないことではなかったのでしょうか?
どうも釈然としないのです。この調子だと仮に年金問題にけりがついてもまた別の問題が出てくるのではないでしょうか。
それにしても、今回発表されている最低賃金の22%引き下げという話も大変ショッキングであるのです。
私思うのですが、最低賃金というのは、まさに生きて行く上で最低必要な賃金ですから、そう簡単に引き下げができるとは思えないのですが。つまり、政治家や官僚の給料を2割程度引き下げても、その人々が急に栄養失調になる訳でもないのでしょうが、最下層の人々の給料がそんなに下がることになれば、どうなるのか、と。
いずれにしても、本日、また大規模なストライキが予定されているそうですが、これほどの荒療治に対して国民は黙っていないでしょう。
もちろん冷静に考えて‥例えば、最低賃金や年金を引き下げても、それからしばらく経って物価自体が2割以上も下がることになれば、労働者の実質的な生活は維持できるのではないかという考えもあり得る訳ですが、実際にそうなるかどうかは不明で、また仮にそうなるとしてもそうなるまでに相当の時間がかかるでしょう。
では、どうすればいいのか?
だから私は、この際一時的にユーロから離脱するなり、第二ユーロを採用するなりすべきだと言っているのです。
幾ら最低賃金の引き下げに反対する人でも、或いは幾ら年金の引き下げに反対する人でも、支払いがドラクマで行われるのであれば、IMFなどがギリシャに対し、年金などの引き下げを要求する必要もないからです。つまり、為替相場を反映して、価値の下がったドラクマで支払われるのですから、年金の引き下げは自動的に行われることになるのです。また、そうやって自動的な価値の引き下げが行われるので、国民や労働者たちは反対のしようがないのです。つまり、ストライキの対象がない、と。
日本の報道機関も欧州勢に対し、ギリシャのユーロからの離脱を勧めたら如何でしょうか。
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くだらない官僚ではなく、天下らない元官僚。経済コラムニスト