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久々に日銀が注目された日

1週間ほど前のブログで日銀の定例の金融政策決定会合でなんらかの「引き締め案」が提示されるのではないか、というニュースをご紹介し、個人的には多分、何もないはずだ、とコメントさせていただきました。二日間にわたるその会合が終わり、中身を見ると基本的にはやはり「何もない」形に収まりました。

「何もない」と申し上げると文句を言われそうですのであえて書き出せば、長期金利の目標変動幅を0.1%から0.2%程度に広げる、とか上場投資信託(ETF)の購入バランスについて日経平均連動銘柄からTOPIX連動銘柄へ1.5兆円ほどの配分シフトが行われます。また、個人的に最も意味あると思われるのがフォワードガイダンスを取り入れ、黒田マジックとされた「異次元の」とか「異例の」というスタンスを封印したことが注目されます。

では今回、なぜ日銀の定例会合がこれほど注目されたのか、ですが、上述のとおり、ロイターと朝日新聞の記事に若干振り回されたこと、欧州が金融緩和政策を止め通常化に向け舵を切っていること、アメリカは更なる金利上昇圧力がある中、日本だけが異次元の金融緩和の世界に取り残されている状態からいよいよ、脱する気があるのか、が注目点だったのだろうと思います。

仮に金利上昇のバイアスがかかるなら銀行の利益回復につながりますからこの10日ぐらい銀行株が買われてきたのはそれが背景ということになります。

私は黒田総裁の心中を想像しているのですが、自民党総裁選、消費税増税、オリンピックという国内イベントを控える中、景気の腰を折らずにどうにか、2%のインフレにもう一歩近づきたい、という一種の「意地」を見て取っています。世界が金利正常化に向かおうが、日本は関係ない、というぐらいのスタンスかもしれません。

そんな中で今回の政策決定はある意味、各方面の微調整をすべく、黒田総裁のいぶし銀のような「まるーくうまく収めた」内容だったということではないでしょうか?

ところで黒田総裁が一番気にしている物価の上昇ですが、個人的には物価決定のために調査している品目とウェイトが現代の生活と乖離している可能性もある気がします。例えば畳替えとか障子張り替えはアイテムとしてあるのですが、インターネットのウィルスソフト購入やコンサート支出は見えません。(中が全部わかるわけではないので違っている可能性はあります。)

580余りのアイテムの8割以上は製品購入支出でサービス支出のアイテムが極めて少ないのもこのリストの特徴です。物価が果たして正しく反映されているか、疑問視される意見はこのあたりにあるのでしょう。言い換えればこの内容のリストを見直し、ウェイト調整をしなおすと案外ポンとインフレ率が上がる気もします。

金利が全然上がらない日本は国民の方にとっては都合がよさそうですが、成長しない国家ということでもあります。他の先進国が金利正常化となっているのになぜ、日本だけが取り残されたかですが、少子高齢化、移民の制約、海外からの直接投資が伸びないこと、日本の独特の商習慣など様々な要因があげられます。成熟したのは我々の年齢だけで経済はやや取り残されつつあるとみています。これは海外から見ないと分かりにくい面かもしれません。

黒田総裁が日本は日本なりの金融政策の道を歩むというのは苦渋の選択なのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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