日本のニュースを見ていると「値上げ」という言葉に異様に反応します。東京電力の値上げについても東京都の副都知事が努力が足りない、と苦言を呈しています。値上げに対するここまでの抵抗感は日本独特のものであると思います。
アメリカやカナダ。値上げは普通です。価格表には「価格は予告なく変更させていただきます。」という断りがよく入っていますが、本当に予告なく突然価格が上がっていた、ということは日常茶飯事です。
私が管理している駐車場。正直高いです。円換算で1時間600円、24時間料金は2700円ですがカナダやアメリカはちょっと郊外に出れば駐車料金はタダが当たり前の国です。しかもこの駐車料金、ほぼ、2年に一度の割合で改定させられています。(所有者からの強い要求です。)それに対して私どものスタッフは客と対面する以上、矢面に立たされますが、私は「説明せよ」と指導してます。
説明とは値上げした明白な根拠を示し、論理的に説明させることです。これで9割以上の顧客は納得します。1割ぐらいの人は暴言を吐いたり怒り狂う人もいますが、ビジネス全体としては結果として売上げは毎年伸びており、所有者には満足頂く結果を出させてもらっています。
日本はデフレ先端国家ですがそのアリ地獄から抜けられません。抜けられない理由は冒頭のような値上げに対する強い抵抗とそれを恐れた企業側の「努力」で値上げをギブアップしていることにあります。
ごく簡単な事ですが、企業は売上げとコストの差額が利益になります。企業が存続するには売上げを伸ばすか、コストを減らすしかありませんが、日本の企業は今、商品の単価を落として顧客数を増やし、売上げを伸ばすという方策に出ています。しかし、デフレ化、経済低迷期において国内市場に限定すれば売り上げが伸びているだけで企業の利益は圧迫されます。
本来であれば企業の株主はこれにクレームしなくてはいけません。欧米なら「経営者の能力が足りない」でクビになりかねません。しかし、日本では皆がやっているから奇妙な理解と同意をしてしまうのです。
私が欧米に買いかぶれている、と思われる方もいらっしゃるでしょう。ですが、値上げできないのは日本だけなのです。日経ビジネスの中国特集にありましたが、何故日系中国企業に中国人社員は根付かないか、との理由は給与が上がらないからであります。そして何故給与が上がらないかといえば日本の本社の社員の給与が上がらないのに現地法人の社員の給与は上げられない、というわけです。v
ここまで書けばお分かりでしょう。値上げをしないから企業の利益が圧迫され、皆さんの給与が上がらないのです。ただ、給与が上がるのは遅効性がありますからその「遅れの部分」に対して大きな不安が生じていると考えればスッキリするでしょうか?
健全な値上げをする勇気が日本には必要だと思います。
今日はこのぐらいで。
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カナダ在住の経営者。海外居住者ならではの視点で日本人を考察。