記事

相次ぐ抗議行動、不安材料は党内にも?習近平主席の独裁体制に陰りか


26日に起きた、北京のアメリカ大使館前での爆発事件。警察当局は内モンゴル自治区の26歳の男を拘束、幻覚などの症状で入院歴があり、政治的な背景はないと発表している。しかし、ほとんどの中国メディアは事件を報道しておらず、現場では画像を記者たちに提供しようとしていた女性が警察らしき男性に連れ去られる場面も見られた。

付近にいた男性は「中国のメディアはこのような事件を絶対に報道しない。日本人の記者も警察にデータを削除させられた」と証言。「今、そんなに厳しいのか?」との問いに男性は「だって習近平だから」と答えた。


この日は油をかぶった女性も拘束されているほか、最近では「習近平の独裁に抗議する」として習主席のポスターに墨汁をかける動画をネットに投稿した29歳の女性が行方不明になったことが海外メディアによって報じられており、この女性を支援した男性が拘束されたとの情報もある。


今、中国で何が起こっているのか。27日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、識者に話を聞いた。

■中国共産党内にも不満が拡がる?

反汚職を掲げて党の有力者を次々と失脚させ、自ら国家主席の任期を撤廃、権力基盤を強化してきた習主席。

しかし香港メディアは「中国国営の『新華社通信』電子版が11日に『華国鋒は罪を認めた』との見出しを打ち、かつて共産党の主席だった華国鋒氏が、個人崇拝を進めたのは過ちと認めたことを紹介した」と報じた。新華社通信の当該記事は削除されているが、国営メディアが習主席を暗に批判した可能性もある。

『週刊現代』編集次長の近藤大介氏は「"習近平新時代の特色ある社会主義を中国は国是としていく"と憲法に盛り込むなど、習主席は3月の全国人民代表大会で自分の権力基盤を完全に固め、毛沢東以来と言われる超一強体制を築き上げた。しかしアメリカとの貿易戦が始まったことで揺れ動いている」と話す。


「歴史的に中国は引き締めるか緩めるかを天秤にかけてやってきた。胡錦濤時代は日本の大正デモクラシーのような時代で、割と自由だった。それに対して、習近平時代は引き締めによって強い国になり、アメリカを乗り越えていくんだ、ということを鮮明にしてきた。

去年10月の共産党大会では、133万7000人の幹部を排除したことを明らかにしている。しかし、そうした幹部の家族、友人、知人を含めると、相当の不満があると思う。

同時に、全盛期の毛沢東のような個人崇拝をやってもいいのかという疑問が、文化大革命の悲劇を経験した長老たちの中からも出てきている。そうした事情もあり、去年の党大会では習主席の好きなように党規約を変えていったが、個人崇拝を認めないという部分だけは変えなかった」。


ジャーナリストの福島香織氏は「党中央の太子党(革命世代の二世)や長老など、発言力や影響力のある人物の中にもアンチ習近平が相当いるということは政権支持派も認めている。それはいわゆる公務員、庶民、そして軍部の中にもいる。そんな脆弱な部分を抱えたままゴリ押しした結果、矛盾が起き、巻き返しが起きている。

新華社通信、CCTV、人民日報の中にだって悪口を言う人は結構いて、報道するときはあえて礼賛、個人崇拝をする。そうすると、知的な読者は"いやらしいな"と感じる」と話した。


「最近は、習主席を主人公にしたラジオドラマがあり、文革を肯定した内容にもなっている。長老たちからすると、"また文革みたいなことをやろうとしているのではないか"という懸念につながっている。

また、習主席は鄧小平路線を否定しているので、今までの共産党の秩序を破壊して、集団指導体制から独裁にしようとしているのではないかという危機感が党内にはあると思う。鄧小平の改革開放で恩恵を受けてきた人、集団指導体制の党秩序がいいと思っている人たちからすると、習主席が共産党の破壊者に見える」。

■来月には長老たちとの対面も

緊張状態が続く米中経済戦争について福島氏は「政変が起きて習主席が引きずり降ろされない限り、アメリカが嫌がっている戦略を引っ込めることはないと思う。長引くのではないか」と話す。8月には毎年恒例の「北戴河会議」が開催される。これは共産党指導部と党の長老などが集まる非公式会議だ。


近藤氏は「北戴河は元々イギリスが中国を植民地にしていた時の避暑地で、共産党が接収し、毛沢東が毎年夏に泳いでいた。そこに幹部が行き始めたのが始まり。会議はこれまでに何度か中止されたこともあり、長老に口を挟まれたくない習主席も止めようとしたことがあったが、ガス抜きの場として継続されている」と話す。


会議では、胡錦濤氏や江沢民氏などかつての国家主席がどのような態度に出るかが注目されている。習近平体制の"異変"がどうなるのか、注目される。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶放送済み『AbemaPrime』の映像は期間限定で無料配信中。

あわせて読みたい

「中国」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    世界大学ランク 数では日本が2位

    ベネッセ 教育情報サイト

  2. 2

    ダム決壊 韓国紙が東電に難癖

    tenten99

  3. 3

    下ネタOK ガッキー30歳の新境地

    NEWSポストセブン

  4. 4

    収入の低い人ほどメール返信遅い

    PRESIDENT Online

  5. 5

    ひろゆき氏 子連れ通勤を叩くな

    キャリコネニュース

  6. 6

    マツコが悟った松田聖子のすごさ

    SmartFLASH

  7. 7

    3億円事件告白 出版社の仕込みか

    tokyo editor

  8. 8

    自民議員 改憲強硬派の動き危惧

    船田元

  9. 9

    Androidの安さ 個人情報が代償?

    韋駄天太助

  10. 10

    福原愛を支え続けた母に反省の念

    女性自身

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。