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経営する意志 vs ビジネスの情熱

2012年02月08日 08:00

田中 伶

おはようございます!田中です。
昨日は、このブログを読んでくださっている学生さんお二人からインタビューがあったので、時間を作って会いに行って来ました。

ブログの読者として、一生懸命記事を読んでくださっていたり、共通の知り合いを通じて、私のことを紹介してくださっていたり・・・
本当に嬉しいご縁に感謝するばかりです。



そんなインタビューの中で、昨日は、「自分でビジネスの勉強をする!となったとき、 MBAや大学院に行こうとは思わなかったのですか?」
という質問をいただきました。

ビジネスの勉強のためのMBAや大学院・・・?
私としては、そんな風に質問されて初めて「あ、そうか。ビジネスの勉強のために大学院へ行く、という意思決定もあるのか!」・・・と思い出すほど、自分自身の選択肢の中にありませんでした。

「自分の中の問題意識を明らかにしないまま行っても、ただ全体的な知識を詰め込むだけで、何も回収できないと思ったから」

これが、「なぜその道を選ばなかったんですか?」という質問の私の答え。

久しぶりにそんなことを考えていると、以前、読んでいたこの一冊の存在を思い出しました。

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MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方/ヘンリー・ミンツバーグ
¥2,940
Amazon.co.jp
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MBAが会社を滅ぼす?


私自身は、MBAホルダーではありませんが、経営学を専門書から色々と学ぼうとしている私にとってH.ミンツバーグ先生の経営学の専門書には、かなりお世話になっています。

もちろん、ミンツバーグ先生の経営学の専門書では、全ての基盤となる理論を学ぶ必要性を説いていますが

それでも「MBA」という手段には否定的なミンツバーグ先生。

その理由はやっぱり、理論を学習した上で、実務に役立てなければ意味がないことを主張しているからです。

多くの大企業で起こった戦略的失敗の広がりは、不完全な道具箱を持って世に出て行ったビジネス・スクールの卒業生軍団の仕業であると思われる。

言葉だけ見ているとかなり過激ですが、この書籍のテーマは、マネジメント教育と、そこに映し出されるマネジメントそのもの。

ミンツバーグ先生は、MBAという光り輝く資格の暗い側面や、全く実践に役立っていない現状を指摘しており、MBA志望者、現役のMBA生、MBA取得者に是非!
この書籍を読んでもらいたいと何度も書いています。

マネジメントの成功は、「他者」を成功させること


30年以上前に発表されたハーバード・ビジネス・レビューでは、「高度な教育を受けたマネジャーの神話」という論文に、以下のような指摘がありました。

上級マネジャーの地位を熱望する人たちには、往々にして「経営する意志」が欠けている。

この論文の著者であるこの論文の著者であるスターリング・リビングストンは、マネジメントの成功とは、マネジャー個人が成功することではなく、他者を成功させることを意味しているとしました。

これに関連して言うと、従来型のMBAプログラムは、様々な業務機能のトレーニングを行う過程であって、総合的なマネジメント教育とは違うものだと主張しているわけです。

H.ミンツバーグ先生はこの本の最終章に、「ビジネススクールを今すぐ”マネジメントスクール”に変身させる必要がある」・・・と、書いているほど。

なるほど。
「経営する」ということと「ビジネスを学ぶ」ということは、掘り下げて考えれば全く違う出発点を持っていてそれらの問題を解決するための手法も、実は全然違うということなんですね。

経営する意志と、ビジネスへの情熱の違い


これは、本書の第一章にも書かれていた言葉。
経営する意志とビジネスへの情熱の両方を持っている人がいる一方で、そのどちらでもない人もいる。

前者は大企業でリーダーシップを発揮するのに最も適しているように見えますが、後者はリーダーシップを取る必要のない地位に適しています。
(経営する意志はあってもビジネスへの情熱に欠ける人は、
非営利組織が向いているのでは?なんていう主張も・・・)

問題は、残る一つのカテゴリー。
「ビジネスへの情熱はあるのに、経営する意志の無い人たち」です。

H.ミンツバーグ先生は、現在のMBAの学生には
こういうパターンが最も多いのではないかと指摘し、こういったタイプは「経営者」よりも投資銀行家や財務アナリスト、コンサルタントに向いているということも紹介していました。
(実際の卒業生を見ても、そういったケースが最も多いそう)

ビジネスへの情熱と、経営する意志の関係をイラストにまとめるとこのようになります。



MBAという資格は、経験のない未熟な大学卒業生をたちまち定評のあるマネジャーに変身させる魔法の杖ではない。

肩書きだけに振り回されてしまうのを一蹴するこの言葉。名言ですね。

経営学をきちんと理論から勉強することは、経験だけに頼ったり、簡単なビジネス書を読むこと以上に大切なことですが、自分自身が何を目指しているか?をきちんと認識した上で、そのために必要な学問、そして実務での勉強を両立していくのがポイント。

手段を目的と勘違いしてしまわないように、また机の上の勉強だけで経営の全てが分かった気にならないように。

自分が何らかの問題意識を持った上で、それをどう解決するか?
その答えを見つけるために勉強する、という道筋が必要なようです。

MBAが会社を滅ぼす・・・?

言葉は過激ですが、これはMBAに限ったことではなく、語学やその他資格、様々なスキルでも同じことが言えるのかもしれません。

とても大切なことを教えていただいた一冊でした。

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