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勇気と真心を持って“真実“を語るのが政治家 石破茂氏が歴代総理の背中に学んだリーダーのあるべき姿

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BLOGOS編集部

歯に衣着せぬ発言で、「次の首相」候補の一人として注目を集める衆議院議員・石破茂氏。多くの総理の傍らで活躍してきた石破氏が考える、日本のリーダーに必要な資質とは何か。先日行われた党首討論や米朝首脳会談、同氏が「必ず総理になる男」と評する小泉進次郎氏との関係について、話を聞いた。【取材:田野幸伸・村上隆則】

党首討論「歴史的使命は終わった」発言に違和感

―― 先日行われた党首討論、石破さんはどのようにご覧になられましたか。

石破茂氏(以下、石破):党首討論ってもっと聞きごたえのあるものになりうると思うんです。岡田克也さんが民主党代表だったときや、小沢一郎さんの頃は野党が一つで、政権交代がいつ起こってもおかしくなかった。今は、野党の人数が少ない上にバラバラ。討論の時間が一番長かった枝野さんが往復で15分でしょう。それでは討論なんて無理。

本来なら、予算委員会とか、そのほかの委員会への総理の出席を減らしてでも、今の2倍、3倍の時間を取るべきではないでしょうか。党首討論の行われる委員会は「国家基本政策委員会」なんですよ。国家の基本政策が15分で討論できるわけがない。

その上、お互いが言いたいことを言うだけで、相手にしゃべる時間を与えないということが起きている。それでは討論とは言えません。そうならないために、スキャンダルや、罵詈雑言、意見陳述ではなく、国家の基本政策について意見を戦わせる環境を作るべきなんです。今日は「朝鮮半島情勢と我が国の安全保障」、別の日は「働き方改革と日本経済」など、テーマ設定も必要です。

党首討論は「討論」という名前にはなっていますが、国会運営の規則上、野党の党首が総理に質問をするというものです。であれば、野党は事前に質問内容を示して、それに対して、総理が「委員の質問に対する答えはこれです、その理由はこうです」という議論をしないと意味がない。このような努力をせずに、「歴史的使命は終わった」というのはやはり違和感があります。

―― その発言はさまざまな媒体で大きく取り上げられました。

石破:そんなこと言うなら国会なんかやめろと言われてしまいかねない。国民も、「何のために俺たちは国会議員を選んでるんだ」と思いますよね。ただこれは制度の問題ではなく、運用の問題です。それは小選挙区制もそう。小選挙区制も、制度そのものが間違っているわけではない。

BLOGOS編集部

国会議員が「地域の代弁者」になってしまっている

―― 現在の小選挙区比例代表制には死に票の多さ、一強多弱の政治体制を生んでしまうなど、問題点も指摘されています。石破さんが考える小選挙区制の運用上の問題点とは、どのような部分でしょうか。

石破:小選挙区制が機能するためには、地方分権が相当程度進んでいる必要がある。それをしないと、国会議員は結局「地域の代弁者」ということになってしまい、国会はいかに地元の利益を実現するかという競争の場になってしまいます。

私が農林水産大臣を拝命していたとき、イタリアの農林大臣と会談したことがありましたが、イタリアの農林省のやっていることは、EUから来るお金を各州に配分することだけなんだとお聞きしました。思わず「なんで?」と聞いたら、「当たり前だろう。お前の国もそうじゃないのか。北から南まで長いんだから、北の農業は北でないと分からないし、南の農業は南でないと分からないだろう」と。

また、政党が国民から税金を受け取るという権限を有する以上は、政党も、国民に対して、納税者に対して、義務を負わねばならないはずです。そのために、政党法を作って、党首の決め方や、意思決定の方法、経理のディスクロージャーなど、国民に対する義務を明文化する必要があります。そうしないと、政党は国民から税金を受け取るという権利だけ手にして、好き勝手に運営をして、国民からだんだん離れていきかねないからです。

本来なら、選挙制度改革と地方分権、そして政党法をセットにしないといけなかった。でも細川護煕総理は当時、この点について留意されないまま推し進めてしまった。その結果、いままさに「◯◯県の利益を代弁するのは、自民党です。野党には何もできません」といった選挙戦が行われているわけでしょう。本来、国会でやらなければいけないのは、外交、安全保障、財政、教育といった国の政府でなければできないことなのだと思います。

BLOGOS編集部

「ポストは自分で努力した結果与えられるもの」

―― 小選挙区制だと、政党から選挙の支援をもらえるかどうかが死活問題になります。そのため党に逆らえない議員が増えるという弊害もありませんか。

石破:実はこの制度を導入するときに、私は僭越にも小泉純一郎元総理と大論争になりました。小泉先生は「石破さん、こんな制度を導入してみろ。党本部と官邸の言うことしか聞かない国会議員ばっかりになるぞ」と言われたんです。

でも私は、「そんなことはない。みんながポストと選挙を官邸と党本部に頼るような、そんな自民党じゃない。党本部に助けてもわらなくたって、官邸に助けてもらわなくたって、選挙は自分でやるもんだ。ポストは自分で、努力して、勉強して取るもんだ」って、返していたんですね。

私は当選11回ですけど、2回無所属で選挙を戦ってるんです。1回目は当選3回の時で、宮沢内閣の農林政務次官でした。一応、内閣の一員でしたが、こともあろうに内閣不信任案に賛成したので、公認がもらえなかった。

もう1回は、新進党公認で自民党候補と闘うべく、日々挨拶廻りに明け暮れていた頃。衆議院解散の当日に、新進党から送られてきた政権公約のファックスを見たら、「集団的自衛権行使は認めない」「消費税は21世紀まで3%に据え置く」と書いてあった。「私が党で言ってきたことと、全然違うじゃないか。こんな公約を掲げて出ることはできない」と、すぐに離党届を出して無所属で戦った。それでもありがたいことに、落選はしませんでした。

―― その後、自民党に復党し、防衛庁長官に任命されました。

私は小泉純一郎先生と橋本龍太郎先生が総裁選挙で戦われたとき、「橋本龍太郎でければ、日本はだめだ。小泉なんかが総理になったら、日本の終わりだ」と言って地元の鳥取県中を走り回った。それなのに小泉政権になった時、突如電話がかかってきて、防衛庁長官に任命された。「え?私ですか?本当に私なんですか?」と聞いたら「今はおまえだ」と。

小泉さんは、人を能力で判断されるから、好きとか、嫌いとか関係ないのでしょう。そんな経験もあって、私は、ポストは自分で努力した結果与えられるものだと思ってるし、選挙も自分で努力するものだと思っている。だけど、議員みんながみんな、私みたいに変な人じゃないので、副大臣になって、大臣になって、地元のために働きたいと思う人が多い。あるいは、自分のいろんな能力を国民のために生かしたいと思っている。そうするとやっぱり、選挙のときは、党の支援が欲しい。だからみんな言うことを聞くのでしょう。

BLOGOS編集部

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