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中国がサッカーW杯中国大会で優勝する日はそう遠くない? 五星紅旗がはためいたロシア大会【現地ルポ】

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W杯会場で日本人サポーターは大人気

[モスクワ発]サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会を6月22日から7月9日まで現地で取材した。訪れたのはモスクワ、エカテリンブルク、ボルゴグラード、ニジニ・ノヴゴロド、サンクトペテルブルク、サマラの6都市。

日本人サポーターのコスチュームはロシアでも大受けだった(筆者撮影)

W杯を現地で観戦するのもロシアを訪問するのも初めて。試合のチケットさえ購入すればビザを取得する必要もなく、移動のために使う寝台列車も無料。できるだけ多くの都市を回ろうと次の6試合を観戦した。

6月24日、日本対セネガル戦(2-2、エカテリンブルク)
6月28日、日本対ポーランド戦(0-1、ボルゴグラード)
7月1日、クロアチア対デンマーク戦(1-1、PK戦3-2、ニジニ・ノヴゴロド)
7月3日、スウェーデン対スイス戦(1-0、サンクトペテルブルク)
7月6日、フランス対ウルグアイ戦(2-0、ニジニ・ノヴゴロド)
7月7日、イングランド対スウェーデン戦(2-0、サマラ)

グーグル・マイマップで筆者作成

開催都市は11で、いずれもウラル山脈の西側。とは言うものの一番、東端のエカテリンブルクからモスクワまで寝台列車で30時間もかかる。やはりロシアの大地はでかい。

ロシア帝国の首都で緯度が高いサンクトペテルブルクを除くと汗ばむ暑さで、中でも日本対ポーランド戦が行われたボルゴグラードは試合翌日、摂氏46度を記録。ロシアの夏は想像を絶していた。

野菜もお肉も筆者が暮らすロンドンに比べて、はるかにうまい。観光名所のレストランより町中の食堂の方がリーゾナブルなロシア料理を楽しめる。

人は純朴。ボランティアから寝台列車の車掌さん、ホテルや食堂の従業員、市民一人ひとりが親切にしてくれる。

日本人サポーターはどこに行っても大人気(筆者撮影)

英BBC放送をはじめ英メディアが大会前から「血に飢えたロシア人フーリガンがイングランド・サポーターを狙っている」と不安をあおっていたので、拍子抜けも良いところ。ロシア人の親日度は高く、日本人サポーターは至る所で記念撮影を求められた。

サマラ市内を走る路面電車内で目撃したロシア人サポーター同士の殴り合いのケンカが筆者の身の回りで起きた唯一のもめごと。試合会場周辺には警官や治安部隊が多数配置され、列車内でも鉄道警察隊が巡回している。

日本人サポーターの後片付けは世界中のメディアに取り上げられた(筆者撮影)

ロシア経済にはまだまだ成長余地がある

サマラで警官に道を尋ねるとパトカーで駅まで送ってくれたのには恐縮した。ウクライナのクリミア併合、シリア内戦への軍事介入、英国でのロシア人元二重スパイ暗殺未遂事件でロシアと西側の関係は最悪の状況に陥っているが、政治と一般市民は別物だ。

ウラジーミル・プーチン露大統領によると、2000年時点で貧困ラインを下回るロシア国民は4200万人いたが、今は2000万人に減少。一般市民の生活は裕福でこそないが、欧州連合(EU)の重債務国に比べて随分ましに見えた。ロシア経済にはまだまだ成長余地がある。

成長するには改革を進め、石油・天然ガスといった資源に依存する経済構造から脱却しなければならない。プーチン氏が副市長を務めたサンクトペテルブルクを訪れると、「西欧の観光都市を旅行する意味を見つけるのが難しくなる」(ネパールの観光業者)。

プーチン氏に西側との関係を改善して改革に取り組む意思があるのかどうかが最大の問題だ。

中国人観光客の多さに驚き

寝台列車や飛行機で移動し、全試合をスタジアムや「FAN FEST」と呼ばれる、ビッグスクリーンが特設された会場、パブやカフェ、飛行場で観戦して、寝て食べる。出会った人と話す。濃厚な18日間の余韻がまだ残っている。

2年の徴兵期間に貯めたオカネをすべてつぎ込んで1次リーグから決勝戦までを一番高いカテゴリー1の席で観戦するという韓国の若者。スポーツ誌の依頼でW杯ロシア大会を取り巻く風景を写真取材するドイツ人学生。

米ニューヨークとインドで遠距離結婚して半年というインド人カップル。台湾からやって来たキャリア・ウーマンの2人連れ。ネパールの観光業者。日本人サポーターとバックパッカー。

それにしても中国人観光客の多さには驚いた。一部の中国人女性はサッカー観戦には相応しくないエレガントなドレスを着て、美白メイクをしている。

グローバル化の流れはいくらドナルド・トランプ米大統領が保護主義、孤立主義に走っても止めようがなく、中国やインドといった新興国との主役交代の時期が早まるだけだ。

国際サッカー連盟(FIFA)の発表(6月7日)によると、チケット購入者の国別内訳は次の通りだ。

(1)ロシア87万1797人
(2)米国8万8825人
(3)ブラジル7万2512人
(4)コロンビア6万5234人
(5)ドイツ6万2541人
(6)メキシコ6万302人
(7)アルゼンチン5万4031人
(8)ペルー4万3583人
(9)中国4万251人
(10)オーストラリア3万6359人
(11)イングランド3万2362人

中南米からの観戦者が多いのはもともと観光目的ならビザが不要なためで、中国も登録業者による団体旅行ならビザなしでOKだ。西欧からの訪問が少なかったのはクリミア併合や2年前のUEFA欧州選手権でロシア人フーリガンが暴れまくった事件が影響している。

中国に関してはビザなしの要件がさらに緩和される見通しで、昨年、対前年比23%増の94万4000人がロシアを訪れた。できるだけ多くの国に対し観光ビザをフリーにしてやれば、観光ビジネスの可能性は飛躍的に増える。

W杯ロシア大会では中国人観光客の姿が目立った(筆者撮影)

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