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銀座クラブママ証言「デキる男」の共通点

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NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』出演で話題沸騰の白坂亜紀ママを筆頭に、銀座の一流クラブで活躍する3人のママたちに「粋で聞き上手なデキる男」の特徴を聞いた――。

■アドバイスは、間を置くと効く

「お客様について、私があれこれいうのは僭越ですが……」と口調は柔らかだが、銀座の水に鍛えられた人間観察のプロであるママたちの金言は的を射たものだ。

亜紀ママ●「クラブ稲葉」オーナーママ 早稲田大学在学中に日本橋の老舗クラブに勤務。現在は銀座で「クラブ稲葉」のほか、和食店、バーなど4店を経営。

「取引先のお客様であろうが、上司、部下、あるいは私たちホステスであっても、誠実に接して親身に話を聞いてくださる方は出世されていきます」と話すのは、「クラブ稲葉」の白坂亜紀ママだ。亜紀ママは早稲田大学在学中から老舗クラブに勤務し、女子大生ママとなり、現在は銀座にクラブをはじめ、和食店、バーなど4店を経営する。

そんな亜紀ママが忘れられない聞き上手な人にヤマト運輸元会長の小倉昌男氏がいる。

「店をオープンした頃から来てくださり、私が駄目なところも失敗した話も、『ああ、そんなことがあったんだ、そうかそうか』って、なんでも受け止めてくださる心の広い方でした。そのときは聞き流しているかのようですが、次に来たときに『でもね、そういうときはこうしたほうがよかったよね』とポツンとアドバイスしてくださる。

『使命感を持て』『高い志が必要だ』『これからの水商売の女性は知的じゃないと駄目なんだ』と言葉は短くても、『前回の来店以来、私の悩みを思い出してはちゃんと考えていてくださったんだ』というところに優しさを感じ、ほろっとしてしまいました」(亜紀ママ)

■「いい男」は誰に対しても態度を変えない

部下から相談を受けた場合、すぐにアドバイスをするのを避けてみるのも1つの手かもしれない。しばらく温めておいて、「あのときの相談の件だけど」と伝えれば、部下はグッと熱くなるのではないかと亜紀ママは話す。

いい男は自然体。誰に対しても態度を変えず、礼儀正しい人ばかりだという。ユニチカ元会長の勝匡昭氏も亜紀ママにとってさりげなく宝物のような言葉をかけてくれた思い出深い1人。

「若い頃、クラブの先輩を指導しなければいけない立場に悩んでいたときでした。勝さんが『周りは先輩なんだから、ありがとうってニコニコしてればいいんだよ』『出る杭は打たれる、抜きん出れば足を引っ張られる。でもそこでくじけるな、そこで突き抜けてしまえばいいんだ』と、帰り際、お見送りするようなタイミングでさらっとアドバイスをくださることが幾度かありました。一緒に飲みにこられた部下の方に対しても、様子をじっと見て、『彼は何か悩み事があるんじゃないのか』といった気配りをされていました」(同)

26歳でオーナーとして「銀座ルナピエーナ」を開いた日高利美ママも「話を聞いてもらえていると感じられるのは、相手が話した内容をちゃんと記憶してくれているからです」と話す。

利美ママ●「銀座ルナピエーナ」オーナーママ 銀座ママになるべく、18歳から銀座で働き始める。夜の銀座の世界で25年、現在は事業家として複数の会社を経営。

「特に自分がそのことをその人に話したのを忘れているような、たわいもない話ほど『おっ』と思います。例えば、『先週末はゴルフでしたよね。お天気が悪かったけれど、体調を崩されていませんか』など、日常のことはもちろん、出身地、出身校や仕事などの経歴、趣味、ペットなど、覚えられていて嬉しいことは多岐にわたります。また、相手の苦手なものを覚えているというのも、強い印象を残します。私の経験でいうと、好きな食べ物と嫌いな食べ物だったら、嫌いな食べ物を覚えられたほうが、より嬉しく感じられるようです」(利美ママ)

■夜の秘書室の力を、接待で上手に活用

デキる男は酒を飲みながらただ漠然と会話をしているわけではない。「なにげない会話で、『この前の健康診断で胃にピロリ菌がいるのがわかったんだけど、ちょっと調子が悪いみたい』と笑いながら話されると、そのまま聞き逃してしまいがちですが、デキる男性はそれを聞き逃しません。

取引先の方であれば接待で食事をする機会が多くあります。接待の食事会を私たちが予約してさしあげることもありますので、『あの人は胃の調子が悪いと言ってたから、お肉じゃなくて和食がいいかな』と相談を受けると、気配りをなさっているんだなと感じます。雑談などたわいのない話の中の情報を聞き逃さず、さりげなく会話や行動に反映させて人の心をつかむ方は素敵ですね」(亜紀ママ)

交際費が減っていくご時世だが、銀座をよりうまく使いこなし、クラブを第2のビジネスの場として味方に付けた男が出世する。

「クラブは『第2秘書室』とも呼ばれているんですよ。大きな接待は会社とクラブの協同プロジェクトのようなもの。だからこそ、部下やクラブのスタッフをうまく使える男性が成功するんです」と亜紀ママは話す。

そのために一番必要なものは「コミュニケーション能力」で、中でもお店との連携が大切なのだという。

「デキる男性は、本当に接待がうまく、下準備も緻密。まず、『今度、こんなお客様を連れて行くから頼むね』と予約を入れ、接待についての情報を知らせてくれます。私たちもプロですので、情報がなくてもおもてなしはできますが、事前にゲストの情報を集められると心づもりができ、当日はより聞き上手に徹せられます。

また、デキる男性は接待中も、クラブのホステスに会話を決して丸投げしません。会話の中に、ゲストがどのようなビジネスをしているのかがわかるような話題や質問を織り交ぜて、私たちがとんちんかんな質問をしないよう、さりげなく誘導してくれます。そうしていただけると、今度は私たちが、ゲストの方から男性相手にはこぼさないような話を引き出していきます。それが私たちの役目ですから」(亜紀ママ)

会話を楽しみ、場の空気をうまくつくりあげるには、話題の仕込みがとても重要になる。酒席の場を盛り上げるプロであるクラブのママたちは、聞き上手になるためにどのような知恵をしぼっているのだろうか。

「野球、ブランド、映画など、話題にできる“得意分野”を、最低5つから、できれば10くらいつくって準備しておき、お客様の得意な話題につなげていきます。ただし、話題をたくさん仕込んだとしても、その知識をただ単にひけらかすだけでは失格です。飛び交う話題をきちんと理解し、タイミングよくふさわしい間(あい)の手を入れ、会話が途切れることなく、気持ちよくお喋りいただくようにしています」(亜紀ママ)

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