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参院6増の自民案採決は身勝手

参院政治倫理・選挙制度特別委員会は、今日11日、参院の「1票の格差」是正を巡って、定数を6増する自民党の公職選挙法改正案を採決し、賛成多数で可決しました。今日中に、参院本会議も通して衆院にまわし、今の国会での成立を目指しています。

国会での身を切る改革として、定数削減を徐々に進めてきたのに、定員増はなぜ?と多くの方が、疑問に思うと思います。この自民党案は、参院の現在の定数242を248に増やすものです。

選挙区間の「1票の格差」を3倍未満に抑えるために、議員1人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区を2増(3年ごとの半数改選定数で1増)する。候補の得票順に当選が決まる非拘束名簿式の比例代表については4増(改選定数で2増)し、事前に定めた順位に従い当選が決まる拘束名簿式の「特定枠」を導入する。

これは、自民党が、合区対象県で選挙区に立候補できない候補を特定枠に載せ、救済を図るものです。自分の党の議員の議席を守るための身勝手な改正案であることは、明らかです。しかも、参院の委員会での審議は、2日間で5時間半しかしないでの採決に、野党は強く反発しています。

2001年参院選での「定数10減、非拘束名簿式導入」は、大混乱の末に前の年の10月に決まりました。2013年参院選の「4増4減」は、前年の11月に決まりました。時間がないことを理由に、強引な採決をすることは、秋までに決めて実行してきた前例からも許されないことだと思います。

前回2015年の「10増10減」の改正法の付則には、2019年の参院選までに「制度の抜本的な見直し」を検討し、「必ず結論を得る」とあります。それなのに、自民党は、憲法改正によって合区を解消することを主張し、与野党の合意形成に向き合ってきませんでした。

これまでも、苦労をして、せめて増やす分減らしてきた定数を。6増というのは、納得できません。公明党は、「1票の格差」是正のための定数増は許されるとしています。国民民主は、自民案は抜本改革とはいえない。ご都合主義的な改革にととめるべきではない、としています。立憲民主は、幅広い合意を得ようとしない自民党のお手盛り法案とし、共産党は、多数党が数の力で都合のよい選挙制度を強行導入するなら議会制民主主義は壊れる、としています。与党と同調することが多い日本維新の党も、最近まで憲法改正を主張し、いきなり6増案を提出してきたのは強引で乱暴としています。

野党各党が主張する通りだと思います。これまで、議員定数について、各党の隔たりが大きくても、議長あっせんで調停案をまとめたことも、たびたびあります。今回は、伊達参院議長が、早くにあっせんをあきらめたことは、議長の権威、良識の府といわれた参院の権威を失墜させるものだ、と評されています。

議員定数については、与党が数の力で押し切れば、民主主義の根幹を揺るがすことになります。こうした与党の数の力におごったやり方を、しっかり覚えておいて、選挙で審判することだと思います。

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