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日産の不正体質、根は深い

日産の不正体質の根は深い。それを印象付ける、昨年秋に続く不正発覚です。

今回発覚した不正は、完成検査の排出ガスに含まれる成分や燃費を検査する試験の一部で行われていました。検査は時間がかかるため、生産されるクルマの約1%を抜き取って検査する。抜き取り検査のデータが残っている2187台のうち、1171台で不正が見つかった。温度や湿度などの定められた試験環境の条件を逸脱していたり、排出ガスに含まれる成分値を書き換えたりしていたといいます。

※会見で頭を下げる日産COOの山内康裕さん

日産は、国内に6つの完成車工場をもちますが、不正があったのは、うち、九州工場を除く5工場、10人が関わったといいます。わかっている限りでは、2013年の4月から今年の6月19日まで、19車種について不正があった。

つまり、昨年秋の無資格検査が発覚した後にも、不正は続いていたんです。すべての活動を対象に自主調査を徹底するなかで、明らかになりました。

ただし、リコールはありません。「GT-R」を除く18車種については、国が定める排ガスの保安基準を満たし、型式としての排出ガスの平均値は諸現地を担保している。つまり、社内の基準値を高めに設定しているために、不正はあったけれど、カタログ燃費を逸脱するほどではなかった。

「GT-R」については、生産台数が少ないため、現在、全数測定を行って検証を継続中といいます。

当然、安全だから、カタログ燃費は間違っていないから、OKという話ではない。決めたルールは、守らなければ意味がありません。

どうすればいいか。これまで、さんざん指摘したことではありますが、対策としては、ITやIoTの力で、不正を「起こせない」仕組みにすることです。すでに日産は、7月末までに、設備を測定値の書き換えができないシステムに変更するという対策を発表しています。

逆に、なぜいままで書き換えられるシステムだったのか不思議ですが、技術で不正を防げるなら、そのための投資をすべきです。

難しいのは、企業文化、風土の変革です。従業員のコンプライアンス意識の徹底であり、現場を管理する側が把握できないという、現場と管理者の間の壁ですよね。

昨秋以降、社内外のコンプライアンスが大きな問題になったにもかかわらず、従業員に当事者意識がない。また、管理者がそれに気づけない。その企業体質を改めなければなりません。

これは、会見を行った日産COOの山内康裕さんが繰り返した通り、「根深い」問題です。企業に根付く文化や風土を変えるのは、今回の不正再発でわかる通り、簡単なことではありません。

昨日の会見では、従業員が不正を行った動機として、今後の調査を待つとしながらも、いくつかの推定があげられました。例えば、社内基準が厳しく、データを書き換えても法律に抵触しないと検査員が思ってしまった。

また、再検査して走行距離が増えたクルマを顧客に出すことに抵抗があった。それから、基準を満たさない場合、再測定をしたり、場合によって開発メンバーとコンタクトして調査をするなどの“煩雑な”ルールがあったことなどです。

本当にそうであるならば、管理者は、まったく現場のことを把握できておらず、社内の内向きの論理ばかりが優先されていることになります。現場と管理者との乖離は、まだまだ深刻です。実態把握、さらに現場の声をすくいあげる仕組みづくりが必須です。

まずは、原因究明などの調査結果が待たれます。そのうえで、どんな対策を打つのか。この件について、昨日はカルロス・ゴーン会長、西川廣人社長は登壇しませんでしたが、“ザ・ラストマン”は誰なのか。誰かが全責任を負い、確固たる意思をもって、今度こそ不正を根絶する覚悟が問われています。

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