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オウム麻原らの処刑で思い出したこと

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 きのうの夕刊ときょうの朝刊と、連続した新聞の大見出しに驚いた。12年も前になる死刑の確定で、「もう終った事件」と思っていたからだ。むしろ「まだ生きてたのか」という感想だった。1995年の地下鉄サリン事件をはじめとして、27人を死なせた「教団」による怪事件だった。教義のルーツは、インドに発する大乗仏教にまでさかのぼる。「ポアする」と呼ばれた殺人は、本来は、死に行く人に寄り添って往生を助ける慈悲の行動のことだった。それが、教団の邪魔をする者は、悪行を拡大する前に「ポアしてやる」のが善だという、身勝手な理屈で正当化されたのだった。

 オウム真理教の信者には、高学歴の者や、名人と呼ばれたほどの脳外科医まで含まれていたとのことだ。それは教団が掲げた「世界を統一する」という高い理想が魅力的であったことを示している。しかし教団は、現実の世直しに取り組む第一歩として取り組んだ1990年の選挙戦で惨敗した。それ以後は密教的な性格を強めて、反社会的になって行ったように見える。

 今回の処刑が、オウム真理教の幹部7名が同時という形で行われたのは印象的だった。教祖以外の6名は、もとは教祖に帰依することで参加したのだが、教団を守るという一点で協力して無差別殺人を企画・実行したので、共同正犯と認定されたわけだ。教祖に魂を売り渡したと言ってもいい。

 ただ残念なのは、肝心の教祖・麻原彰晃から、最後まで意味のわかる弁論を聞くことができなかったことだ。これだけの事件を引き起こした根底にあった思想とは、いったい何であったのか。テロ集団として世間を混乱させるだけが目的だったとは、とうてい信じられない。「本当はこういうことをしたかった」「こうすれば世の人を救えると思った」という信念を語ってほしかったと、私は今でも思っている。

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