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【読書感想】読書という荒野

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読書という荒野 (NewsPicks Book)


Kindle版もあります。

読書という荒野 (NewsPicks Book)

内容紹介
【出版界の革命児による圧倒的読書論がここに誕生! 】
実践しなければ読書じゃない。
暗闇の中のジャンプ!天使から人間へ。認識者から実践者へ。 適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来ない。表現することはおろか、悩むことすら出来ない。人は言葉を獲得することによって人生を生き始める。だから読書することは重要なのだ。本は最も身近で最も安価な人生を切り拓く決定的な武器だ。

【目次】
はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ
第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
第4章 編集者という病い
第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

 見城徹さん、もう68歳なんですね。

 なんだか久々に、こんな「暑苦しいくらい熱い読書論」を読みました。

 見城さんというのは、何事においても「過剰で破格な人」だというイメージがありますし、見城さんがつくった幻冬舎は、人々の下世話な興味、みたいなものに寄り添って、常に世の中に爆弾を投げ込んできたような気がします。

 「売れるためならなんでもするのか?」と言いたくなることもあるのだけれど、見城さんは「じゃあ、お前は本当に『売るためにはなんでもやる』ことができるのか?」と真剣に問い返してくる人なんですよね。
 僕はかねがね「自己検証、自己嫌悪、自己否定の三つがなければ、人間は進歩しない」と言っている。自己検証とは、自分の思考や行動を客観的に見直し、修正すること。自己嫌悪とは、自意識過剰さや自己顕示欲を恥じ、自分の狡さや狭量さ、怠惰さに苛立つこと。そして自己否定とは、自己満足を排し、成長していない自分や、自分が拠って立つ場所を否定し、新たな自分を手に入れることだ。

 僕は今でも、毎日のように自己嫌悪を繰り返している。何人から会食をしているとき、隅のほうに座っている人にあまり声をかけることができないと、帰りに車に乗った瞬間から後悔する。部下に対して心ない言葉を投げたときは、「あんなこと言わなければよかった」とくよくよする。いつも寝る前には、その日一日を振り返り、悶え苦しむ。そして、その苛立ちを振り払うかのように、トレーニングで身体をいじめ抜いたり、経営や編集の仕事に没頭したりするのだ。

 こうしたことを話すと、「見城さんは十分、地位や名誉もあるのだから、そんなに自分を追い込まなくていいのでは」と言われる。しかし現状に安住し、自己検証と自己嫌悪と自己否定を忘れるようなことがあれば、生きている価値がないとさえ思う。自分が駄目になっていく恐怖、老いていく恐怖と常に戦ってこそ、僕は僕であり続けられる。

 そうした感情を味わえるのが、まさしく読書なのだ。本を読めば、自分の人生が生ぬるく感じるほど、過酷な環境で戦う登場人物に出会える。そのなかで我が身を振り返り、きちんと自己検証、自己嫌悪、自己否定を繰り返すことができる。読書を通じ、情けない自分と向き合ってこそ、現実世界で戦う自己を確立できるのだ。

 見城さんの読書記録を読んでいると、世の中には、こんなに真剣に本を読んで、自分の体験にしている人がいるのか、と驚かされるのです。こんな読み方をしていたら、身が持たないのではないか、と心配になるくらいに。
 僕が編集者として心がけていたのは、「3人の大物と、きらめく新人3人をつかむ」ことだ。僕の場合、大物作家としては、五木寛之や石原慎太郎のほかに、渡辺淳一、水上勉、森村誠一、高木彬光、大藪春彦などと仕事ができるよう、圧倒的な努力をした。同時に、中上健次、村上龍、林真理子、山田詠美、宮本輝、つかこうへい、森瑶子など新しく出てくる才能を自分の感覚でつかまえ、作品を次々に手掛けた。銀色夏生は僕の専売特許で出せば百万部を超えた。『これもすべて同じ一日』、まだ無名の森高千里をモデルに起用した『わかりやすい恋』から僕が角川書店を退社する時期に手掛けた『君のそばで会おう』『つれづれノート』まで売れに売れた。

 そうやって大物作家と若い世代を押さえると、中間にいる作家たちは向こうから声をかけてきてくれる。そうなれば、自分から開拓をしなくても、来たなかから才能を見つけていけばいい。一度こうした好循環に入ると、編集者としては無敵である。

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